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4.五月闇に、忍び寄る
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出張初日の待ち合わせは、出発予定の空港。国内線ではあるが、念のため早めに合流していた。
「え~! 恵舞、エコノミーなの?」
「仕事なんだし、役員でもないんだから当たり前よ」
乗る機体にはファーストクラスなどなく、リアムたちはプレミアムシートらしい。会社の出張で、ただの平社員の自分はエコノミーだが、リアムは席が近くでないことに不満の声を上げていた。
「それに……泊まるところも違うなんて……」
リアムはそう言って、ガックリ肩を落としている。
自分が泊まるのは、同じ市内にはあるが、小さな旅館だ。黒岩さんおすすめで、朝食が美味しいらしい。もちろん出張費の予算内。
彼らは、今泊まるホテルには程遠いが、それでも市内で一番グレードの高いホテルに泊まるらしい。きっとそうだろうと、予想した通りだった。
「じゃあ、明日。一緒に観光しようよ。いいでしょ?」
リアムは、黒岩さんには見せなかっただろう、子犬のような人懐こい笑顔を見せる。期待を裏切って申し訳ないが、自分が優先したいのはリアムではない。
「ごめん。実は、転勤した同僚が北海道にいて。泊まりで遊びに行くことになったの。仕事に支障をきたさないようにするから」
嘘をつくのは後ろめたいが、背に腹は変えられない。最大限申し訳なさを表情に出して謝ると、リアムはその場に座り込み、恨めしそうに私を見上げた。
「楽しみにしてたのに……」
「本当にごめんね。この埋め合わせは、またするから」
リアムに謝っていると、その背後に立つジェイクから、溜め息が漏れ聞こえてきた。
「リアム。エマが困っているだろう。いい加減にしないか」
「……わかったよ、ジェイク」
そんなやり取りをして、出発ゲートに向かう。
搭乗口で待ちながらスマホを確認すると、依澄さんからメッセージが届いていた。
"気をつけて。明日、楽しみにしている"
それだけの短いものだけど、笑みが溢れた。
"私も、楽しみです"
それだけ返すと、案内を待った。
今日の出張先、日本の最北端の地へは飛行機で二時間ほど。機内で、昨日黒岩さんが再確認してくれた資料を読み込む。
専門的なワードも多々あり、誤りのないよう頭に叩き込む。他に、会社の概要をさらったり、スケジュールの再確認をしたり。そうしているうちに、飛行機は降下し始めていた。
到着した飛行機から降りると、冷たい空気が顔を撫でる。クーラーが効きすぎているのかと勘違いしそうだがそうではない。
(さすが、気温10℃違うだけある……)
念のため持っていたスプリングコートを羽織ると、ゲートに急いだ。
「え~! 恵舞、エコノミーなの?」
「仕事なんだし、役員でもないんだから当たり前よ」
乗る機体にはファーストクラスなどなく、リアムたちはプレミアムシートらしい。会社の出張で、ただの平社員の自分はエコノミーだが、リアムは席が近くでないことに不満の声を上げていた。
「それに……泊まるところも違うなんて……」
リアムはそう言って、ガックリ肩を落としている。
自分が泊まるのは、同じ市内にはあるが、小さな旅館だ。黒岩さんおすすめで、朝食が美味しいらしい。もちろん出張費の予算内。
彼らは、今泊まるホテルには程遠いが、それでも市内で一番グレードの高いホテルに泊まるらしい。きっとそうだろうと、予想した通りだった。
「じゃあ、明日。一緒に観光しようよ。いいでしょ?」
リアムは、黒岩さんには見せなかっただろう、子犬のような人懐こい笑顔を見せる。期待を裏切って申し訳ないが、自分が優先したいのはリアムではない。
「ごめん。実は、転勤した同僚が北海道にいて。泊まりで遊びに行くことになったの。仕事に支障をきたさないようにするから」
嘘をつくのは後ろめたいが、背に腹は変えられない。最大限申し訳なさを表情に出して謝ると、リアムはその場に座り込み、恨めしそうに私を見上げた。
「楽しみにしてたのに……」
「本当にごめんね。この埋め合わせは、またするから」
リアムに謝っていると、その背後に立つジェイクから、溜め息が漏れ聞こえてきた。
「リアム。エマが困っているだろう。いい加減にしないか」
「……わかったよ、ジェイク」
そんなやり取りをして、出発ゲートに向かう。
搭乗口で待ちながらスマホを確認すると、依澄さんからメッセージが届いていた。
"気をつけて。明日、楽しみにしている"
それだけの短いものだけど、笑みが溢れた。
"私も、楽しみです"
それだけ返すと、案内を待った。
今日の出張先、日本の最北端の地へは飛行機で二時間ほど。機内で、昨日黒岩さんが再確認してくれた資料を読み込む。
専門的なワードも多々あり、誤りのないよう頭に叩き込む。他に、会社の概要をさらったり、スケジュールの再確認をしたり。そうしているうちに、飛行機は降下し始めていた。
到着した飛行機から降りると、冷たい空気が顔を撫でる。クーラーが効きすぎているのかと勘違いしそうだがそうではない。
(さすが、気温10℃違うだけある……)
念のため持っていたスプリングコートを羽織ると、ゲートに急いだ。
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