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5. 行き合いの空に広がる
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「――じゃあ、いってきます」
母に声をかけて家を出る。
今日の天気は夜にかけて晴れ予報。彦星と織姫も無事に再会を果たせそうだ。
日曜日に時間が欲しいと言っていたリアムからメッセージが届いたのは、木曜日の夜だった。
北海道から戻ったあと、リアムに会っていない。メッセージのやり取りだけで終わっている。
今から、リアムとランチの予定だ。彼が泊まっているホテルのレストランで待ち合わせ。自分の持っている定期券が使えるのに、リアムは家まで迎えの車を寄越すと言いだした。
もちろん一度は断った。けれど"少しくらい、らしいことさせてよ"と言われると、小さな望みくらい叶えてあげたいと思ってしまう。結局、最寄り駅まで迎えに来てもらうことになった。
このことは、依澄さんには包み隠さず話してある。出張から帰り、彼の家で話したとき、これまでのことは全て話した。そしてこれからも、お互い隠し事なく話し合おうと約束を交わした。
そのあと彼は、こう切り出した。
『実は、俺もついさっき聞いたんだが――』
ハワード時代の秘書から入った情報だと教えられたのは、竹篠依澄ではなく、ルーク・ハワードに関わる話だった。
話を聞いて驚きを隠せない私に、彼はその情報源となった人の名前を告げた。
彼は、何を思っているのだろう。その心の内は、私にも依澄さんにもわからない。けれどきっと今日、なんらかのアクションがあるだろうと予想はしている。
考えごとをしながら慣れた道を歩いていると、最寄り駅が見えてきた。
(迎えは……どれだろう?)
車が止められた詳しい場所まで聞いていない。けれど駅に近づくにつれ、なんとなくあの車だろうなと察しはついた。道行く人がチラチラと見てしまうほど立派な、黒塗りのリムジンカーが止まっている。そしてその横に佇むのは、ダークグレーのスーツを隙なく着こなしたジェイクだった。
「おはようございます。ジェイク」
「お待ちしておりました」
やはり今日もジェイクは、ニコリともしない。その態度に釣られて、自分の表情が固くなっていそうだ。
「あの、リアムは?」
近くにも車内にもその姿はなく、不思議に思いながら尋ねると、ジェイクはそっけなく答えた。
「彼とは現地で合流することになっています。私も同乗してよろしいでしょうか」
「ええ。もちろん」
煌びやかな車内はそれなりに広いし、運転手さんもいるとはいえ、なんだか緊張する。私が奥に彼は少し離れたドア側に、それぞれ座りしばらくすると、車は静かに走り出した。
母に声をかけて家を出る。
今日の天気は夜にかけて晴れ予報。彦星と織姫も無事に再会を果たせそうだ。
日曜日に時間が欲しいと言っていたリアムからメッセージが届いたのは、木曜日の夜だった。
北海道から戻ったあと、リアムに会っていない。メッセージのやり取りだけで終わっている。
今から、リアムとランチの予定だ。彼が泊まっているホテルのレストランで待ち合わせ。自分の持っている定期券が使えるのに、リアムは家まで迎えの車を寄越すと言いだした。
もちろん一度は断った。けれど"少しくらい、らしいことさせてよ"と言われると、小さな望みくらい叶えてあげたいと思ってしまう。結局、最寄り駅まで迎えに来てもらうことになった。
このことは、依澄さんには包み隠さず話してある。出張から帰り、彼の家で話したとき、これまでのことは全て話した。そしてこれからも、お互い隠し事なく話し合おうと約束を交わした。
そのあと彼は、こう切り出した。
『実は、俺もついさっき聞いたんだが――』
ハワード時代の秘書から入った情報だと教えられたのは、竹篠依澄ではなく、ルーク・ハワードに関わる話だった。
話を聞いて驚きを隠せない私に、彼はその情報源となった人の名前を告げた。
彼は、何を思っているのだろう。その心の内は、私にも依澄さんにもわからない。けれどきっと今日、なんらかのアクションがあるだろうと予想はしている。
考えごとをしながら慣れた道を歩いていると、最寄り駅が見えてきた。
(迎えは……どれだろう?)
車が止められた詳しい場所まで聞いていない。けれど駅に近づくにつれ、なんとなくあの車だろうなと察しはついた。道行く人がチラチラと見てしまうほど立派な、黒塗りのリムジンカーが止まっている。そしてその横に佇むのは、ダークグレーのスーツを隙なく着こなしたジェイクだった。
「おはようございます。ジェイク」
「お待ちしておりました」
やはり今日もジェイクは、ニコリともしない。その態度に釣られて、自分の表情が固くなっていそうだ。
「あの、リアムは?」
近くにも車内にもその姿はなく、不思議に思いながら尋ねると、ジェイクはそっけなく答えた。
「彼とは現地で合流することになっています。私も同乗してよろしいでしょうか」
「ええ。もちろん」
煌びやかな車内はそれなりに広いし、運転手さんもいるとはいえ、なんだか緊張する。私が奥に彼は少し離れたドア側に、それぞれ座りしばらくすると、車は静かに走り出した。
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