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ー第十四章ー
小泉佑香 Ⅱ
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『えー突然ですが、みんなに悲しいお知らせがあります。』
『え?先生!なに?なに?』
『今日を持って凛太郎君が、この学校を転校する事になりました。』
『ええ?何で?』
『はい!凛太郎君、前、出ておいで。みんなに挨拶しよう。』
『はい…。』
『…大丈夫?凛太郎君、出来る?』
『大丈夫だよ、先生。えっと…、もう、テレビでニュースになってるから、みんなも知ってると思うけど、この間、僕のお父さんが逮捕されました。昔、沢山の人を傷付けていた事が分かって逮捕されました。はじめ、その話を打ち明けられた時、僕は、ショックで泣きました。でも、お父さんは、自分から罪を償う為に警察に行きました。傷付けた人の為に、せっかく築いた今の幸せな時間を壊して…。』
『凛太郎君…。』
『みんなが、僕の事を影でコソコソ何て言ってるのか知ってるよ。それと、同じ様に、お母さんも同じマンションの人達に、コソコソと酷いこと言われてる。だから、僕達は、この街を出て行く事にしました。もう、ここには居られないから出て行く事にしました。』
『凛太郎!』
『凛ちゃん!』
『僕は、悔しいです…。せっかく、みんなと同じクラスになれたのに。みんなと友達になれたのに。こんなにも脆くて、薄い絆だったんだと思うと、誰の事も信じられなくなります。もう、ここには、僕の居場所がありません。だから、みんなにサヨナラを言うしかありません。短い間だったけど、今まで、ありがとう。みんなに会えて、僕は、幸せでした。』
『凛太郎君…。』
『凛太郎!ごめんな!まさか、こんな事になるなんて思わなかったんだ!』
『凛ちゃん!ごめんなさい!』
『凛太郎!どこにも行くなよ!もう、誰にも何も言わせないから!』
『そうよ!ここに居てよ!凛ちゃん!』
『みんな…。ありがとう。でも、もう決まった事だから。僕は、お母さんと一緒に、また新しい幸せを見付けに行くね。』
『凛太郎…。』
『凛ちゃん…。』
沢木凛太郎君。入学当初から、どこか際立って大人めいた一面を持ち、彼の存在が、何故か私の心の騒めきを呼び起こした。この一年一組を受け持って半年。その答えが、肌寒い十月も終わりに近付いたある日の朝、それは余りにも突然に、目の前に落ちて来た。朝から、どのチャンネル回しても、六年前の世田谷連続強姦魔の逮捕のニュース一色だった。
私は、青褪めた。せっかく、忘れかけていたあの夜を、また呼び起こそうというのか。私は、犯人の逮捕なんて望んでいなかった。そんな事よりも、早く忘れさせて欲しい。そっとしといて欲しい。ただ、それだけだった。それなのに、何故、神様は今更になって、私を陥れようとするのか。それも、更なる衝撃の事実を付け加えて…。
『小泉佑香さんですね。』
『はい…。』
『六年前の世田谷連続強姦事件の事で伺いたい事があるのですが…。』
『はい…。そろそろ来る頃だと思っていました。』
『そうですか…。では、少しお話し宜しいですか?』
『はい、どうぞ…。』
私は、バラバラに切り裂いていたはずの六年前の記憶を頭の中で貼り合わせ、ゆっくりとあの夜の事を隈なく話した。
『…大丈夫ですか?少し休みますか?』
『い、いえ、大丈夫です。』
『そうですか…。では、続けますが、小泉さんは、犯人の顔は、見ていないんですよね。』
『はい。目出し帽を被っていたので、分かりませんでした。』
『では、今回、逮捕された容疑者の沢木零児ですが、一切の関わりもない見ず知らずの男で、完全に通り魔だったと言う事ですか?』
『そうですね…。当時は…。』
『当時は?』
『はい。今は、その沢木零児の息子の沢木凛太郎が、私の受け持つクラスの生徒です。』
『何ですって!?』
『私も、今回のニュースで初めて知りました。正直、驚きました。まさか凛太郎君のお父さんがって…。以前に授業参観日の時に、凛太郎君のご両親二人揃って来られましたので、その時に、お父さん…。あ、いえ、沢木零児の顔は見て知っていました。その時は親子三人、それは仲良さそうにしていました。まさに、幸せそのものでした。だから、信じられないんです。あの優しそうな父親が、あの事件の犯人だったなんて…。』
『そうですか…。でも、意外と実際の犯人は、そういうものですよ。一見、人が良さそうに見えて、奥底では、とんでもない悪玉を秘めているんです。沢木零児も、きっと、そういう人間の一人なんでしょう。』
『あの…、刑事さん、一つお願いがあります。』
『何でしょう。』
『今回の事で、おそらく学校でも、何らかの対処が迫られると思います。子供達には、何の罪もありません。子供達を守って下さい。特に凛太郎君を守って下さい。まだ、たった五歳の男の子です。余りにも背負う物が大き過ぎます。凛太郎君を、好奇の目に晒されない様、守って下さい!お願いします!お願いします!あの子には、何の罪もありません!』
『小泉さん…。』
あのニュースが報じられると、瞬く間に学校中に広まり、凛太郎君は、当たり前の様に好奇の的となった。でも、凛太郎君は、私の想像を遥かに上回る大人だった。
『凛太郎君…、大丈夫?』
『先生、ありがとう。僕は、大丈夫だよ。それよりも、先生ごめんね。』
『ん?どうしたの?』
『僕、知らなかったんだ。まさか、先生が被害者の一人だったなんて。』
『凛太郎君…。それは…!』
『僕は、もう全部知ってるんだ。って言うか、全部、知らなきゃいけないって思ってるんだ。お父さんが逮捕されて、全てが変わっちゃったけど、僕は、逃げないで、ちゃんと全部、受け入れるんだ。』
『凛太郎君…。』
『みんなね、僕に言うんだ。凛太郎には、罪は無いんだからって…。でもね、失った物は僕も、お母さんも、お父さんも、みんな同じなんだ。だから、僕も、この運命をちゃんと背負うって決めたの。だから、先生、僕は、大丈夫だよ!それよりも、先生に対する罪の意識の方が僕には、重いよ。』
『凛太郎君…。それは、ダメよ!凛太郎君が罪の意識まで背負う必要は絶対ないわ!そんな事したら、凛太郎君が…!』
『んーん、もう無理だよ。真実を知ってしまった以上、それはもう無理なんだ。』
『凛太郎君、どうしてそこまで…。』
『先生、前にさ、結婚に踏み込む勇気が無いって言ってたよね。それって、この事件が原因なんだよね?』
『え…?』
『先生、本当に、ごめんね。先生の傷は、そんなにも深かったんだね。なのに僕は、何も知らないで軽々しく将来、貰ってあげるなんて…。本当に、ごめんなさい。』
『凛太郎君…。いいのよ!そんな事!先生は、嬉しかったのよ!凛太郎君に、そんな言葉をかけてもらって!先生は、凛太郎君に謝られる理由なんて何もない。むしろ、感謝しなきゃいけない。凛太郎君、本当にありがとう。先生は、凛太郎君の言葉に、どれだけ救われたか…。』
『先生…。』
『凛太郎君、あの約束は、まだ有効?』
『約束?』
『将来、先生が、ずーっと一人だったら、凛太郎君が先生を、お嫁さんにしてくれるって。…。』
『先生…。もちろん!永遠に有効だよ!』
『あはは!ありがとう!』
私は、あの夜以来、全てが真っ暗になった。でも、夢だった教師になり、巡り会った子供達との時間を過ごす中で、小さいながらも温かい幸せを見付けて、あの夜の記憶がバラバラに消えて無くなりそうなくらいに充実していた。でも、不意に訪れた、その時は、私の心を躍らせた凛太郎君との別れを示し、学校中からも、また見ず知らずの人達からさえも、同情の目に晒された。
私は、凛太郎君のお父さんが逮捕されるに至った、"きっかけ"を恨む。一体、何でそんな事に…。私は、あの夜の真相なんて、何も知らないままで良かった…。
『え?先生!なに?なに?』
『今日を持って凛太郎君が、この学校を転校する事になりました。』
『ええ?何で?』
『はい!凛太郎君、前、出ておいで。みんなに挨拶しよう。』
『はい…。』
『…大丈夫?凛太郎君、出来る?』
『大丈夫だよ、先生。えっと…、もう、テレビでニュースになってるから、みんなも知ってると思うけど、この間、僕のお父さんが逮捕されました。昔、沢山の人を傷付けていた事が分かって逮捕されました。はじめ、その話を打ち明けられた時、僕は、ショックで泣きました。でも、お父さんは、自分から罪を償う為に警察に行きました。傷付けた人の為に、せっかく築いた今の幸せな時間を壊して…。』
『凛太郎君…。』
『みんなが、僕の事を影でコソコソ何て言ってるのか知ってるよ。それと、同じ様に、お母さんも同じマンションの人達に、コソコソと酷いこと言われてる。だから、僕達は、この街を出て行く事にしました。もう、ここには居られないから出て行く事にしました。』
『凛太郎!』
『凛ちゃん!』
『僕は、悔しいです…。せっかく、みんなと同じクラスになれたのに。みんなと友達になれたのに。こんなにも脆くて、薄い絆だったんだと思うと、誰の事も信じられなくなります。もう、ここには、僕の居場所がありません。だから、みんなにサヨナラを言うしかありません。短い間だったけど、今まで、ありがとう。みんなに会えて、僕は、幸せでした。』
『凛太郎君…。』
『凛太郎!ごめんな!まさか、こんな事になるなんて思わなかったんだ!』
『凛ちゃん!ごめんなさい!』
『凛太郎!どこにも行くなよ!もう、誰にも何も言わせないから!』
『そうよ!ここに居てよ!凛ちゃん!』
『みんな…。ありがとう。でも、もう決まった事だから。僕は、お母さんと一緒に、また新しい幸せを見付けに行くね。』
『凛太郎…。』
『凛ちゃん…。』
沢木凛太郎君。入学当初から、どこか際立って大人めいた一面を持ち、彼の存在が、何故か私の心の騒めきを呼び起こした。この一年一組を受け持って半年。その答えが、肌寒い十月も終わりに近付いたある日の朝、それは余りにも突然に、目の前に落ちて来た。朝から、どのチャンネル回しても、六年前の世田谷連続強姦魔の逮捕のニュース一色だった。
私は、青褪めた。せっかく、忘れかけていたあの夜を、また呼び起こそうというのか。私は、犯人の逮捕なんて望んでいなかった。そんな事よりも、早く忘れさせて欲しい。そっとしといて欲しい。ただ、それだけだった。それなのに、何故、神様は今更になって、私を陥れようとするのか。それも、更なる衝撃の事実を付け加えて…。
『小泉佑香さんですね。』
『はい…。』
『六年前の世田谷連続強姦事件の事で伺いたい事があるのですが…。』
『はい…。そろそろ来る頃だと思っていました。』
『そうですか…。では、少しお話し宜しいですか?』
『はい、どうぞ…。』
私は、バラバラに切り裂いていたはずの六年前の記憶を頭の中で貼り合わせ、ゆっくりとあの夜の事を隈なく話した。
『…大丈夫ですか?少し休みますか?』
『い、いえ、大丈夫です。』
『そうですか…。では、続けますが、小泉さんは、犯人の顔は、見ていないんですよね。』
『はい。目出し帽を被っていたので、分かりませんでした。』
『では、今回、逮捕された容疑者の沢木零児ですが、一切の関わりもない見ず知らずの男で、完全に通り魔だったと言う事ですか?』
『そうですね…。当時は…。』
『当時は?』
『はい。今は、その沢木零児の息子の沢木凛太郎が、私の受け持つクラスの生徒です。』
『何ですって!?』
『私も、今回のニュースで初めて知りました。正直、驚きました。まさか凛太郎君のお父さんがって…。以前に授業参観日の時に、凛太郎君のご両親二人揃って来られましたので、その時に、お父さん…。あ、いえ、沢木零児の顔は見て知っていました。その時は親子三人、それは仲良さそうにしていました。まさに、幸せそのものでした。だから、信じられないんです。あの優しそうな父親が、あの事件の犯人だったなんて…。』
『そうですか…。でも、意外と実際の犯人は、そういうものですよ。一見、人が良さそうに見えて、奥底では、とんでもない悪玉を秘めているんです。沢木零児も、きっと、そういう人間の一人なんでしょう。』
『あの…、刑事さん、一つお願いがあります。』
『何でしょう。』
『今回の事で、おそらく学校でも、何らかの対処が迫られると思います。子供達には、何の罪もありません。子供達を守って下さい。特に凛太郎君を守って下さい。まだ、たった五歳の男の子です。余りにも背負う物が大き過ぎます。凛太郎君を、好奇の目に晒されない様、守って下さい!お願いします!お願いします!あの子には、何の罪もありません!』
『小泉さん…。』
あのニュースが報じられると、瞬く間に学校中に広まり、凛太郎君は、当たり前の様に好奇の的となった。でも、凛太郎君は、私の想像を遥かに上回る大人だった。
『凛太郎君…、大丈夫?』
『先生、ありがとう。僕は、大丈夫だよ。それよりも、先生ごめんね。』
『ん?どうしたの?』
『僕、知らなかったんだ。まさか、先生が被害者の一人だったなんて。』
『凛太郎君…。それは…!』
『僕は、もう全部知ってるんだ。って言うか、全部、知らなきゃいけないって思ってるんだ。お父さんが逮捕されて、全てが変わっちゃったけど、僕は、逃げないで、ちゃんと全部、受け入れるんだ。』
『凛太郎君…。』
『みんなね、僕に言うんだ。凛太郎には、罪は無いんだからって…。でもね、失った物は僕も、お母さんも、お父さんも、みんな同じなんだ。だから、僕も、この運命をちゃんと背負うって決めたの。だから、先生、僕は、大丈夫だよ!それよりも、先生に対する罪の意識の方が僕には、重いよ。』
『凛太郎君…。それは、ダメよ!凛太郎君が罪の意識まで背負う必要は絶対ないわ!そんな事したら、凛太郎君が…!』
『んーん、もう無理だよ。真実を知ってしまった以上、それはもう無理なんだ。』
『凛太郎君、どうしてそこまで…。』
『先生、前にさ、結婚に踏み込む勇気が無いって言ってたよね。それって、この事件が原因なんだよね?』
『え…?』
『先生、本当に、ごめんね。先生の傷は、そんなにも深かったんだね。なのに僕は、何も知らないで軽々しく将来、貰ってあげるなんて…。本当に、ごめんなさい。』
『凛太郎君…。いいのよ!そんな事!先生は、嬉しかったのよ!凛太郎君に、そんな言葉をかけてもらって!先生は、凛太郎君に謝られる理由なんて何もない。むしろ、感謝しなきゃいけない。凛太郎君、本当にありがとう。先生は、凛太郎君の言葉に、どれだけ救われたか…。』
『先生…。』
『凛太郎君、あの約束は、まだ有効?』
『約束?』
『将来、先生が、ずーっと一人だったら、凛太郎君が先生を、お嫁さんにしてくれるって。…。』
『先生…。もちろん!永遠に有効だよ!』
『あはは!ありがとう!』
私は、あの夜以来、全てが真っ暗になった。でも、夢だった教師になり、巡り会った子供達との時間を過ごす中で、小さいながらも温かい幸せを見付けて、あの夜の記憶がバラバラに消えて無くなりそうなくらいに充実していた。でも、不意に訪れた、その時は、私の心を躍らせた凛太郎君との別れを示し、学校中からも、また見ず知らずの人達からさえも、同情の目に晒された。
私は、凛太郎君のお父さんが逮捕されるに至った、"きっかけ"を恨む。一体、何でそんな事に…。私は、あの夜の真相なんて、何も知らないままで良かった…。
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