19 / 26
メインストーリー
18.師匠は常に一途です
しおりを挟む
今日はやる気が出ないので、ずっと考えていた師匠に会うことにした。
師匠は私とは似ても似つかない性格をしている。
唯一似ているところと言えば、自由奔放でいたいが、苦労しているというところだろうか。
師匠が住んでいるのは迷宮の森という一度入ると生きて帰ってこれないと言われている場所だ。
「テレポート」
まあ、私からしたらそんなことは関係なく、師匠の家に到着なんですけどね。
【不死身の魔女ノーム】なんて言われている師匠ですが、デタラメな魔力で作り出したマジックのようなものです。
一言で言ってしまえば、自分に永久的に回復系の魔法を付与しているのです。
自動回復に通常の回復魔法、状態異常回復魔法、蘇生魔法、これらを常に自分に付与し続けている。
これは流石に、私の魔力量でもカバーしきれません。
適当に説明をしていると、師匠の家の前についていました。
怪しい館を期待している方には申し訳ありませんが、こじんまりとしていて可愛いお家です。
「シショ~! 愛弟子のお帰りですよー」
扉をノックしながら、大きい声で叫んだ。
きっと、泣きながら私の訪問を喜んでくれるはず。
私の予想に反して、師匠は野獣の如く勢いで扉をぶち壊して、私の首元にナイフを当ててきた。
「アルフレッドォォ! 最後に一言ぐらい弁明させてやるよ」
「ひっ! し、ししょー! 私ですよ、ナノですぅ~!」
アルフレッドというのは、師匠の婚約相手で、浮気性な悪魔族の男だ。
師匠が本気で怒ると、少し前に説明した回復系の魔法の付与だけでなく、肉体強化や、武器強化までもが自動で付与される。
「ナノ? ……あら! ナノちゃんじゃない、久しぶり~」
ようやく私がアルフレッドではないと気づいた師匠が、嬉しそうに私の顔を見つめた。
「あらあら、だいぶ背が伸びたわね。小さい頃とは違って、オトナの魅力も出てきたわ」
「ししょー! 本当にお久しぶりです」
師匠と会うのは数年振りになる。
見ての通り、怒りさえしなければとても優しい人だ。
アルフレッドさんには、そろそろノームさん一筋で生きていってほしいものだ
「ごめんなさいね、アルがまだ他の女とね…」
今にも泣いてしまいそうな師匠を私は必死になだめた。
こんな健気な彼女が恐れられている理由、この森が迷宮の森と言われている理由をそろそろ話しておこう。
この森に入ったものは二度と出れないというのは真っ赤な嘘だ。
師匠は、この森に入った人間を魔法で眠らせ、嘘の記憶を植え付けた。
そして、森に入った人間は自分が森に入ったことなど忘れ、あの森が恐ろしいものだと、なぜか思い出す。
そして、その噂は種のように広がり、根付き、迷宮の森が完成するということだ。
「ちょっと待ってくれノーム」
師匠がやっと落ち着いてきたのに、アルフレッドさんが現れた。
「彼女は違うんだ!」
「あら、アル。私ってば森に篭ってるせいか何が違うかわからないわ」
師匠のただでさえ莫大な魔力が、さらに倍増した。
これはもう、私でもアルフレッドさんを助けられない。
「これ」
アルフレッドさんは持っていた小さな箱を開け、彼女に差し出した。
「お前と結婚したときは、俺ってまだ下っ端で金がなくて指輪買えなかっただろ」
なんなんだこの甘い展開は、私はこんなところに来て、感動的シーンを見せられてしまうとでも言うのか。
「上級悪魔になった今ならって、仲間のセンスいい奴と選びに行ったんだ。たまたまそいつが女だっただけなんだ」
「今日は確か…結婚記念日だったわね。ありがとう、アル」
二人はゆっくりとハグをして、泣いたり、笑ったりしていた。
「えっと、あの…その、ご馳走様でしたぁぁぁ!」
師匠は私とは似ても似つかない性格をしている。
唯一似ているところと言えば、自由奔放でいたいが、苦労しているというところだろうか。
師匠が住んでいるのは迷宮の森という一度入ると生きて帰ってこれないと言われている場所だ。
「テレポート」
まあ、私からしたらそんなことは関係なく、師匠の家に到着なんですけどね。
【不死身の魔女ノーム】なんて言われている師匠ですが、デタラメな魔力で作り出したマジックのようなものです。
一言で言ってしまえば、自分に永久的に回復系の魔法を付与しているのです。
自動回復に通常の回復魔法、状態異常回復魔法、蘇生魔法、これらを常に自分に付与し続けている。
これは流石に、私の魔力量でもカバーしきれません。
適当に説明をしていると、師匠の家の前についていました。
怪しい館を期待している方には申し訳ありませんが、こじんまりとしていて可愛いお家です。
「シショ~! 愛弟子のお帰りですよー」
扉をノックしながら、大きい声で叫んだ。
きっと、泣きながら私の訪問を喜んでくれるはず。
私の予想に反して、師匠は野獣の如く勢いで扉をぶち壊して、私の首元にナイフを当ててきた。
「アルフレッドォォ! 最後に一言ぐらい弁明させてやるよ」
「ひっ! し、ししょー! 私ですよ、ナノですぅ~!」
アルフレッドというのは、師匠の婚約相手で、浮気性な悪魔族の男だ。
師匠が本気で怒ると、少し前に説明した回復系の魔法の付与だけでなく、肉体強化や、武器強化までもが自動で付与される。
「ナノ? ……あら! ナノちゃんじゃない、久しぶり~」
ようやく私がアルフレッドではないと気づいた師匠が、嬉しそうに私の顔を見つめた。
「あらあら、だいぶ背が伸びたわね。小さい頃とは違って、オトナの魅力も出てきたわ」
「ししょー! 本当にお久しぶりです」
師匠と会うのは数年振りになる。
見ての通り、怒りさえしなければとても優しい人だ。
アルフレッドさんには、そろそろノームさん一筋で生きていってほしいものだ
「ごめんなさいね、アルがまだ他の女とね…」
今にも泣いてしまいそうな師匠を私は必死になだめた。
こんな健気な彼女が恐れられている理由、この森が迷宮の森と言われている理由をそろそろ話しておこう。
この森に入ったものは二度と出れないというのは真っ赤な嘘だ。
師匠は、この森に入った人間を魔法で眠らせ、嘘の記憶を植え付けた。
そして、森に入った人間は自分が森に入ったことなど忘れ、あの森が恐ろしいものだと、なぜか思い出す。
そして、その噂は種のように広がり、根付き、迷宮の森が完成するということだ。
「ちょっと待ってくれノーム」
師匠がやっと落ち着いてきたのに、アルフレッドさんが現れた。
「彼女は違うんだ!」
「あら、アル。私ってば森に篭ってるせいか何が違うかわからないわ」
師匠のただでさえ莫大な魔力が、さらに倍増した。
これはもう、私でもアルフレッドさんを助けられない。
「これ」
アルフレッドさんは持っていた小さな箱を開け、彼女に差し出した。
「お前と結婚したときは、俺ってまだ下っ端で金がなくて指輪買えなかっただろ」
なんなんだこの甘い展開は、私はこんなところに来て、感動的シーンを見せられてしまうとでも言うのか。
「上級悪魔になった今ならって、仲間のセンスいい奴と選びに行ったんだ。たまたまそいつが女だっただけなんだ」
「今日は確か…結婚記念日だったわね。ありがとう、アル」
二人はゆっくりとハグをして、泣いたり、笑ったりしていた。
「えっと、あの…その、ご馳走様でしたぁぁぁ!」
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる