地球に落ちた(元)神様〜移住先で自由気ままな人生はじめました〜

涼月あん

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61☆ 酪農園の契約

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吉蔵と雅子は思案しているようだった。
ゼウスナーは少し不安になったが、二人が答えを出すまで、じっと待っていた。

『この金額は⋯多すぎるぞい』

『そうね⋯たくさんお金をもらえるに越したことはないけど⋯』

なんと!ただ⋯提示した金額が高かっただけだった⋯。
我々は、どうしてもこの酪農園を手に入れなければならない。そのため、かなり高い金額を提示した。

「吉蔵さんはここを出たら、娘さんと暮らしますか?」

『うむ⋯』

『私達は、宇賀野に住んでます。父にも一緒に暮らそうとは言ってるんですが⋯』

『ワシは⋯大久を離れたくない⋯』

「先程も話したように、この金額には、負債の返済と新しい住居を建てる費用も含んでます。
この酪農園とこの住居の買取りですので、これから住む家も必要でしょう⋯」

吉蔵の住まいは、この酪農園の敷地内にある。これから酪農園で仕事をしてもらう者が住むので、ここには住めない。

黄金牛や我々は秘密も多いので、一緒に住むことは遠慮したいところだ。

『そうじゃな⋯ここには⋯住めないしの⋯』

『雅子⋯俺達が大久に家を建てて住むか?宇賀野は次男夫婦が住んでもいいし⋯』

『そうね⋯その問題は⋯今は⋯。ギリリッシアさんには関係ない事よ。とにかく売却をするかどうかよ⋯』

『お義父さん⋯売却しましょう。どうせ閉園するんだから⋯この人達にまかせましょう』

『そうだぞ、爺ちゃんと母ちゃん売却しよう』

牛達がいつ妊娠するかわからないし⋯あまり時間がないので、今日で決めてしまいたい。ギリリッシア家皆で、沈黙の中ソワソワしながら返答を待った。

家族の意見を聞いて、吉蔵と雅子は目をつむり考え込んでいるようだ。
待っている間⋯ほんの数分だが長く感じた。
 
数分後、吉蔵と雅子が目を開けて話しだした。
 
『⋯そうじゃな⋯ワシはギリリッシアさんに任せようと思う⋯雅子は?』

『そうね⋯売却しましょう。ギリリッシアさんよろしくお願いします』

「ありがとうございました!」
「『「よかった⋯」』」

無事買取りが決まり、ギリリッシア家みんな安堵した。これから色々な手続きをして、本格的に運営だ。

すぐに仮契約書だがサインをもらい、後日改めて本契約をする事にした。

「吉山さん、よろしくお願いします」

「閉園までの間⋯僕とプロメスが頻繁に通います。吉蔵さん、よろしくお願いします!」

『ふぉふぉふぉ⋯あっくんよろしくじゃ!』

いつの間にか仲良しになった吉蔵とアポロンド。吉蔵は、牛と会話ができるアポロンドを気に入った。アポロと言いにくさもあり、あっくん呼びにしたようだ。

「あっくん⋯アポロだから⋯あっくん⋯。俺もアレスだから⋯あっくん!
アルテ!俺の事も、あっくんと呼んでくれ!」

「嫌だ⋯アポロはカッコいいから許すが⋯アレスは可愛くないから⋯絶対に嫌だ⋯気持ち悪い⋯」

「ヘル⋯あっくんと呼んで⋯」

「私も気持ち悪いので嫌です!」

アレスターは【あっくん】呼びが気に入ったようで、アルテミスティに呼ぶよう頼んだ。とうぜんアルテミスティは拒否した。そしてヘルメストからも拒否。

「何を⋯バカな事を言ってるんだ⋯アレス⋯」

「アレスター様⋯残念感は健在だったのですね⋯」

アレスターはゼウスナーとプロメスにも呆れられた。皆に断られてシュンとしたアレスターだった。

『ふふふ⋯ギリリッシアさんは家族みんな仲良しですね』

「ええ⋯一族で日本に引っ越してきましたので、皆で協力してます」

『一族で引っ越しじゃと?何処から⋯来たんじゃ?』

「地中海にある小さな島です。一族と言っても十五人だけですが⋯」

『何か日本に住むきっかけがあったのですか?』

「ええ⋯住んでいた島が災害にあいまして⋯残った一族全員で日本に引っ越してきました」

(略せば⋯住んでいた惑星が消滅してしまい、ギリリッシア神達は地球に飛ばされ、助かった者は日本に住むことになりました⋯だ)

『それは大変でしたね⋯』

「そうですね⋯災害で助からない者もいましたが、残った家族で日本で暮らしていく事になりました⋯」

軽く世間話をし、やおたか酪農園を、後にした。

帰り道、携帯電話が鳴った。ハデストからだった。

『ゼスか⋯さっき宇賀野⋯農協の⋯土田さんから連絡が⋯あって⋯五日後に⋯来てく⋯れと言っていた⋯』

「わかった。五日後だな」

『ああ⋯よろしく頼む⋯』

どうやら宇賀野の土田さんから話し合いの件で連絡があったようだ。

「父様、五日後は酪農園の契約の日ですよ?」

「ああ⋯それならばヘル、アポロ、プロメスが行けば十分だろう。契約内容は決まっているからな」

「はい、かしこまりましたゼウスナー様」

このあと⋯我々の人生がまた大きく動き出した。
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