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山賊討伐
3 戦火
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商隊に扮したブリクスト特別奇襲隊は臨戦態勢に入り、ゆっくりと隊列を前進させる。隊員各々で全方位を監視しているが、とくに進行方向左手側は上りの斜面で視界も悪く、敵襲があるとすればこちら側からである公算が大きい。
樹上で何かが陽光を反射したことにノアが気付いた一瞬のち、隊列の前方から複数の火箭が飛来した。矢を受けた馬たちが甲高くいななき、手綱を翻して方々へ駆け出す。
「火矢だと?! 何のつもりだ!」
左手の篭手に取り付けた小盾と長剣で矢を払い落とし、ブリクストは巧みに馬車とその身を守っている。
火矢は建物や木造船に火災を起こすことを目的に放つものであり、ブリクストの抗議は戦術論の定石に適ったものである。だが一の矢が馬車に集中し、二の矢が兵員よりも馬を優先的に狙う段になって、すぐさま意図を理解した。
矢の飛来が散発的になったのを見計らい、ブリクストは果断に対応を指示する。
「若様、馬車の外へ! ネルソンとボレリウスの隊は後退しつつ若様を守れ!」
火災を帆布や飲み水で消火しようとしたところで、部下を危険に晒すのみである。馬車そのものの防衛には見切りをつけ、大盾を持った兵を馬車の扉に集めた。
そして、ノアの下車を見計らったように、襲撃の第二波が到来した。
「若様に会えるたあ感激だな。鹿狩りなら来る場所間違えてるぜ!」
「後ろだ!」
隊列の側背めがけ、単独で切り込んでくる人影が叫ぶ。山賊団の頭領、リースベットだ。刃渡りが大きく刀身が分厚いククリナイフを両手に構え、岩や木の幹を蹴って不規則な動線で跳躍しながら距離を詰める。獣さえ凌駕するその俊敏さに、特別奇襲隊の弓兵は射撃を諦め剣に持ち替えた。
「いい判断だな!」
ブリクストが内心で下した評価と、リースベットの叫びは同じ内容だった。
その機知をあざ笑うかのように、兵士の剣はリースベットのナイフに弾き飛ばされる。あっけにとられる間もなく二人の兵が斬り伏せられ、荷馬車に赤黒い波しぶきが描かれた。倒れた兵の背後から、別の者が間髪入れずに槍を突き出す。リースベットは臆することなく前に出て穂先を躱し、槍の柄を掴んで倒れ込みながら兵の膝にかかとを叩き込んだ。砕けた膝頭の痛みに呻きながらも槍を振るおうとする兵の頭と体を、ククリナイフが無情に分断した。
「動きに迷いがねえのは訓練されてる証拠だな。だがあたしの相手をするにゃ、ちっとトロいぜ」
「三人が、一瞬で……」
「山賊……女か」
「私が相手をする。おまえたちは戦場を離れ、なんとしても若様をヘルストランドまで送り届けよ」
「了解しました。……ご武運を」
「どうした兵隊さん。動かねえハリボテじゃあたしは倒せねえぞ?」
リースベットが嘲るような笑みを浮かべ、歴戦のつわものたちを挑発する。それに受けて立ったのは、隊長のブリクストだった。
「私は隊長のトマス・ブリクストだ。すばらしい技量だな、山賊……と呼ぶのは礼儀に悖る。名を教えていただけるかな?」
「あいにく礼儀なんてもんは故郷に忘れてきちまってなあ。それにお日様の下で名乗るような名前も、とうに忘れた」
「そうか、残念だ」
「で? 早いとこ退いてくれねえか。隊長さんにゃ用はねえんだ」
「従うと思うかね?」
「だろうな!」
リースベットとブリクストが剣を交え始めると、隊列前方に複数の人影が現れた。ラルセン山賊団と呼ばれていた“ティーサンリード”、リースベットの部下たちである。彼らの参戦によって、戦場が一挙に混乱に包まれた。
「いいタイミングだ!」
「部下たちを侮るな。私の指示なしでも規律だった行動は取れる」
「そうかい、そりゃ良かったな!」
矢継ぎ早に繰り出されるリースベットの凄烈な斬撃を、ブリクストは小盾と剣を用いて巧みに受け流している。一寸先に死神が鎌を掲げているさなかに、壮年の部隊長は相手の技を見極め、勝利への端緒を探っていた。
これは確かな自信に裏打ちされた戦術だ。閃光のような突きや薙ぎ打ち、二本の武器を活かしたフェイクや剣撃に見せかけた横蹴りなど、次々に迫りくる攻撃のどれもが有効打にはならない。
だが、一見すると五分の戦いのようで、当人たちの実感は余人の所感とは異なっていた。攻め手が途切れ、二人は一旦距離を置く。
「なぜだ……こんな大振りでなぜ隙が生まれない? この疾さは何だ……?」
「大したもんだな隊長さん。あんた力は持ってねえんだろ?」
「何? 貴様は……」
二人が再び斬り結んだ。だが今度は、これまでよりリースベットの切っ先が鋭さを増している。ブリクストは持てる力のすべてを、防御に割くだけで手一杯だった。剣を交える二人と周囲で戦う兵士たちの耳孔には、かすかに耳鳴りのような高音が響いていた。
「バカな?! あれで手を抜いていたというのか」
「リーパーの力、見たことはねえか? あんまり使いたかねえんだけどな、疲れるから」
「道理で非常識な動きをするわけだな!」
「……さて、悪いがこれ以上、付き合う時間はなさそうだ。あたしは戦闘狂の気はねえしな」
「そうはいかん、いま少し付き合ってもらうぞ!」
ブリクストの反駁を意に介さず、リースベットの攻勢はますます苛烈さを増した。
リーパーの力がのった圧倒的な衝撃と無数の斬撃の波に抗いきれず、ついにブリクストは剣を取り落とす。彼は半ば死を覚悟したが、リースベットのナイフはその左手から消え、彼の後方で山賊に斬りかかろうとしていた兵士の背中に突き刺さった。
「頭領、恩に着る!」
「状況が悪ぃな。そっちに加勢するぜ」
間髪入れずに右のナイフが閃いたが、ブリクストは左前に進み出て、斬撃に力が乗る前に左腕を貫かせた。左腕一本を犠牲にして致命傷を避け、リースベットから武器を奪ったのだ。
機転で五分の状況を作り、身一つで劣勢を挽回しようとしたブリクストだったが、彼の拳が敵を捉えるよりも早く、身を翻したリースベットの左肘打ちが側頭部に叩き込まれた。己の生死を見極めるよりも先に、ブリクストは地に伏した。
「隊長?!」
「頭領が勝ったぞ!」
リースベットは脇目もふらず、周囲で続いていた乱戦に身を投じる。二人の戦いはリースベットの勝利で決したが、全体の情勢としてはブリクスト特別奇襲隊が優勢だったのだ。ティーサンリードの山賊たちは場数は踏んでいるものの、剣技や戦術は我流のものばかりで、正規軍の精鋭を相手にするには荷が勝ちすぎていた。
ブリクストの敗北を目の当たりにした兵たちに動揺が広がる。それでも統制は失っていないようだ。リースベットの凶刃が戦場を席巻し、戦況が不利に傾きつつあると見て、状況を察知した者から散発的に守勢に転じ始めていた。
「だいぶ持ち直したな」
「助かったよ頭領。奴ら、並の兵士じゃねえな」
「無理はするな。なにも皆殺しが目的じゃねえ。っと」
リースベットは周囲を見渡し、その“目的”を探す。
「やっぱりもういねえな……ヘッグ、見てねえか? 馬車の周りにいた連中だ」
「小せえ班が一つ、斜面を降りていくのが見えました」
「森に紛れてヘルストランドまで逃げるか……そいつはあたしが追う。お前らも気が済んだら退け」
「土産、待ってますぜ」
「ちょっと先になるかも知れねえけどな」
ブリクスト特別奇襲隊は六人前後の班ごとに、少しずつ撤退を始めていた。無策な逃走によって戦況が瓦解しないことが、隊長の薫陶が行き届いている証左だ。
「さあ、鹿狩りの始まりだ」
獲物を追う猟犬のように獰猛な笑みを浮かべ、リースベットは森へ分け入った。
樹上で何かが陽光を反射したことにノアが気付いた一瞬のち、隊列の前方から複数の火箭が飛来した。矢を受けた馬たちが甲高くいななき、手綱を翻して方々へ駆け出す。
「火矢だと?! 何のつもりだ!」
左手の篭手に取り付けた小盾と長剣で矢を払い落とし、ブリクストは巧みに馬車とその身を守っている。
火矢は建物や木造船に火災を起こすことを目的に放つものであり、ブリクストの抗議は戦術論の定石に適ったものである。だが一の矢が馬車に集中し、二の矢が兵員よりも馬を優先的に狙う段になって、すぐさま意図を理解した。
矢の飛来が散発的になったのを見計らい、ブリクストは果断に対応を指示する。
「若様、馬車の外へ! ネルソンとボレリウスの隊は後退しつつ若様を守れ!」
火災を帆布や飲み水で消火しようとしたところで、部下を危険に晒すのみである。馬車そのものの防衛には見切りをつけ、大盾を持った兵を馬車の扉に集めた。
そして、ノアの下車を見計らったように、襲撃の第二波が到来した。
「若様に会えるたあ感激だな。鹿狩りなら来る場所間違えてるぜ!」
「後ろだ!」
隊列の側背めがけ、単独で切り込んでくる人影が叫ぶ。山賊団の頭領、リースベットだ。刃渡りが大きく刀身が分厚いククリナイフを両手に構え、岩や木の幹を蹴って不規則な動線で跳躍しながら距離を詰める。獣さえ凌駕するその俊敏さに、特別奇襲隊の弓兵は射撃を諦め剣に持ち替えた。
「いい判断だな!」
ブリクストが内心で下した評価と、リースベットの叫びは同じ内容だった。
その機知をあざ笑うかのように、兵士の剣はリースベットのナイフに弾き飛ばされる。あっけにとられる間もなく二人の兵が斬り伏せられ、荷馬車に赤黒い波しぶきが描かれた。倒れた兵の背後から、別の者が間髪入れずに槍を突き出す。リースベットは臆することなく前に出て穂先を躱し、槍の柄を掴んで倒れ込みながら兵の膝にかかとを叩き込んだ。砕けた膝頭の痛みに呻きながらも槍を振るおうとする兵の頭と体を、ククリナイフが無情に分断した。
「動きに迷いがねえのは訓練されてる証拠だな。だがあたしの相手をするにゃ、ちっとトロいぜ」
「三人が、一瞬で……」
「山賊……女か」
「私が相手をする。おまえたちは戦場を離れ、なんとしても若様をヘルストランドまで送り届けよ」
「了解しました。……ご武運を」
「どうした兵隊さん。動かねえハリボテじゃあたしは倒せねえぞ?」
リースベットが嘲るような笑みを浮かべ、歴戦のつわものたちを挑発する。それに受けて立ったのは、隊長のブリクストだった。
「私は隊長のトマス・ブリクストだ。すばらしい技量だな、山賊……と呼ぶのは礼儀に悖る。名を教えていただけるかな?」
「あいにく礼儀なんてもんは故郷に忘れてきちまってなあ。それにお日様の下で名乗るような名前も、とうに忘れた」
「そうか、残念だ」
「で? 早いとこ退いてくれねえか。隊長さんにゃ用はねえんだ」
「従うと思うかね?」
「だろうな!」
リースベットとブリクストが剣を交え始めると、隊列前方に複数の人影が現れた。ラルセン山賊団と呼ばれていた“ティーサンリード”、リースベットの部下たちである。彼らの参戦によって、戦場が一挙に混乱に包まれた。
「いいタイミングだ!」
「部下たちを侮るな。私の指示なしでも規律だった行動は取れる」
「そうかい、そりゃ良かったな!」
矢継ぎ早に繰り出されるリースベットの凄烈な斬撃を、ブリクストは小盾と剣を用いて巧みに受け流している。一寸先に死神が鎌を掲げているさなかに、壮年の部隊長は相手の技を見極め、勝利への端緒を探っていた。
これは確かな自信に裏打ちされた戦術だ。閃光のような突きや薙ぎ打ち、二本の武器を活かしたフェイクや剣撃に見せかけた横蹴りなど、次々に迫りくる攻撃のどれもが有効打にはならない。
だが、一見すると五分の戦いのようで、当人たちの実感は余人の所感とは異なっていた。攻め手が途切れ、二人は一旦距離を置く。
「なぜだ……こんな大振りでなぜ隙が生まれない? この疾さは何だ……?」
「大したもんだな隊長さん。あんた力は持ってねえんだろ?」
「何? 貴様は……」
二人が再び斬り結んだ。だが今度は、これまでよりリースベットの切っ先が鋭さを増している。ブリクストは持てる力のすべてを、防御に割くだけで手一杯だった。剣を交える二人と周囲で戦う兵士たちの耳孔には、かすかに耳鳴りのような高音が響いていた。
「バカな?! あれで手を抜いていたというのか」
「リーパーの力、見たことはねえか? あんまり使いたかねえんだけどな、疲れるから」
「道理で非常識な動きをするわけだな!」
「……さて、悪いがこれ以上、付き合う時間はなさそうだ。あたしは戦闘狂の気はねえしな」
「そうはいかん、いま少し付き合ってもらうぞ!」
ブリクストの反駁を意に介さず、リースベットの攻勢はますます苛烈さを増した。
リーパーの力がのった圧倒的な衝撃と無数の斬撃の波に抗いきれず、ついにブリクストは剣を取り落とす。彼は半ば死を覚悟したが、リースベットのナイフはその左手から消え、彼の後方で山賊に斬りかかろうとしていた兵士の背中に突き刺さった。
「頭領、恩に着る!」
「状況が悪ぃな。そっちに加勢するぜ」
間髪入れずに右のナイフが閃いたが、ブリクストは左前に進み出て、斬撃に力が乗る前に左腕を貫かせた。左腕一本を犠牲にして致命傷を避け、リースベットから武器を奪ったのだ。
機転で五分の状況を作り、身一つで劣勢を挽回しようとしたブリクストだったが、彼の拳が敵を捉えるよりも早く、身を翻したリースベットの左肘打ちが側頭部に叩き込まれた。己の生死を見極めるよりも先に、ブリクストは地に伏した。
「隊長?!」
「頭領が勝ったぞ!」
リースベットは脇目もふらず、周囲で続いていた乱戦に身を投じる。二人の戦いはリースベットの勝利で決したが、全体の情勢としてはブリクスト特別奇襲隊が優勢だったのだ。ティーサンリードの山賊たちは場数は踏んでいるものの、剣技や戦術は我流のものばかりで、正規軍の精鋭を相手にするには荷が勝ちすぎていた。
ブリクストの敗北を目の当たりにした兵たちに動揺が広がる。それでも統制は失っていないようだ。リースベットの凶刃が戦場を席巻し、戦況が不利に傾きつつあると見て、状況を察知した者から散発的に守勢に転じ始めていた。
「だいぶ持ち直したな」
「助かったよ頭領。奴ら、並の兵士じゃねえな」
「無理はするな。なにも皆殺しが目的じゃねえ。っと」
リースベットは周囲を見渡し、その“目的”を探す。
「やっぱりもういねえな……ヘッグ、見てねえか? 馬車の周りにいた連中だ」
「小せえ班が一つ、斜面を降りていくのが見えました」
「森に紛れてヘルストランドまで逃げるか……そいつはあたしが追う。お前らも気が済んだら退け」
「土産、待ってますぜ」
「ちょっと先になるかも知れねえけどな」
ブリクスト特別奇襲隊は六人前後の班ごとに、少しずつ撤退を始めていた。無策な逃走によって戦況が瓦解しないことが、隊長の薫陶が行き届いている証左だ。
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