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四章 遺跡探索
遺跡探索 14
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「何も怖がることはないぞ、胸の大きな者たちよ! 我輩は女性の扱いには慣れておる。さあさあ! 遠慮せずに胸の大きな者から順番に、我輩の背中に乗るとよい。どうしても怖いと言うなら、我輩の背中にその大きな胸を擦り付け、鱗に掴まるとよいぞ」
「「「……」」」
それはもう完璧に、女性陣はドン引きだった。
勿論僕もだけど……。
コイツ、神父とかよりヤバい。
シュナがバカ竜のことを女性が絡むとヤバいって言ってたけど、今その片鱗を僕らは見た!
「しょ、しょうがない……。僕がバカ竜に触れないようにシートを作るよ。再現魔法で」
「ニートちゃん!」
「ぐぇっ!」
ガバッとナスカが僕を引ったくるように抱き締めた。
気持ちは分かるけど、お願いだからヤメテ!
今日僕これで窒息しそうになるの、何回目なんだろう?
「以外と気が利くじゃないの」
「ニート君。偉いですわぁ」
僕が苦しそうにナスカの胸の中でもがいているにも関わらず、ハルカとウェンディが僕の頭をナデナデしてくる。
ねぇ、気付いてる!? 僕窒息しそうなの!!
お願い! 誰か助けて!!
「な、何てことを言い出すのだ! 小さき獣よ! 貴様は我輩の友達として恥ずかしくないのか!? 友達が折角女性たちと肌と肌のお付き合いをしようというのに、それを率先して邪魔するとは! 貴様はそれでも我輩の親友か!!」
「「「……」」」
あまりの言いようにナスカの腕の力が緩んだ。
バカ竜のせいで死にそうになってるのに、コイツに助けられるとは、何て皮肉なんだ!
「いつから親友になったんだよ!?」
僕は負けじとナスカの腕から声を荒げる。
「親友であろう! 貴様も我輩と同じく、女性の肌に触れて喜んでおるではないか!」
「撫でられたら気持ちいいんだよ!」
「何と!? 貴様はもうその女性たちとそのような仲になっておるのか!? 羨ましい……。我輩に分けてくれてもバチは当たらぬぞ、小さき獣よ」
「バッッッッカじゃないの!! ナスカたちのことを物みたいに扱うな!」
「に、ニートちゃん!?」
ちょ、ま……!? く、苦しい……。
僕の言葉に感動したのか、ナスカの抱き締める力がさっきよりも一層強くなる。
「な、なす、か……。く、くび、が……」
「ニート。あんたいい奴だよね……」
「ニート君。本当にいい子ですねぇ」
僕は彼女の胸の間から片腕と顔だけ出して、ギリギリ呼吸をしている。
それにも関わらず周りにいたハルカとウェンディは僕の頭と顎を撫でてくる。
いやいやいや! そんなことより助けてよ!
「な、な、な、な、な、な!? なんて羨ましいんだ!! 親友よ! 我輩と代わってくれ! お願いだ! 頼む!」
「うっさい! バカは黙ってなさいよ!」
「そうですわよ! 薄らハゲ!!」
「え……。う、うすら……、ハ、ゲ……」
それまで殆どの言葉に動じなかったバカ竜が、ウェンディの言葉に目に見えて落胆している。
それはもう、竜化が解けて人型に戻り四つん這いになって俯くくらい。
ちょっと可哀想に見えるけど、女の敵となるような発言をあれほどしていたのだ。今更同情する余地はない。
ナスカの腕の中で呼吸困難に陥っていた僕は、薄れ行く意識の隅で『ウェンディ、グッジョブ!』と声をあげた、ような気がする。
「お、気が付いたのじゃな」
僕はシュナの膝の上で目を醒ました。
最初の数秒くらいはキョロキョロと辺りを見回しながら、何で僕は眠っていたんだろうと考えていたが「ニートちゃん!」と引ったくるようにナスカに抱かれたことによって思い出した。
「まったく……! 貴様は懲りん奴じゃのぉ」
「いたっ! ご、ごめんなさい……」
シュナの手刀がナスカの頭部に打ち込まれたことによって、彼女は唇を尖らせて謝っていた。
「我ではなく、その謝罪はニートにするべきじゃろ」
「に、ニートちゃん。ゴメンね」
シュナに指摘されたナスカは僕の頭を優しく撫でながら謝ってきた。
そんな彼女に僕はペチペチと彼女の頬を肉球で叩きながら「気にしなくていいよ」と話した。
「それにしてもさ、なんか静か過ぎない?」
僕がナトゥビアに転生して彼女たちに出会ってから、何だかんだと騒がしい日々が続いていた。
しかし今、僕の周りにいるのはシュナとナスカの二人だけだった。
「それはじゃな。ウェンディに打ちのめされたジンバラエが、大声で泣きじゃくりながら逃げ出したからじゃ」
えぇぇ!? そんなに“薄らハゲ”発言で心に傷負ったの!?
「だからシュナさんにニートちゃんを見てもらっている間、私たちは一回この遺跡を出て、あの変態竜人を探しに行ってたんだ」
「アイツ……。どれだけ皆に迷惑かけるんだよ……」
僕はため息混じりに呆れた調子で言葉を発した。
「まぁそう言うな。あ奴もずっと一人で孤独だったのじゃ。心が弱いのも道理じゃろうて」
「むぅ……。分かったよ……」
ぽんぽんと優しく頭を叩かれ、僕は渋々納得する。
「ん? あ! ハルカ! いた?」
アトラスデルタの壊した入り口からとぼとぼと歩いてくるハルカに気付いたナスカが声をかける。
「全然。そっちは?」
疲れたように話すハルカにナスカは首を振りながら「こっちも」と落胆する。
「後は、ウェンディと……、神父は役に立たぬじゃろうから、ウェンディだけが頼りじゃのぉ」
ため息を吐き出しながらシュナは首を振る。
「何かウェンディがあのバカ竜を見付けたら、後ろから射殺さないかな?」
何となくそんな気がした僕がポロっとそんな発言をすると、ナスカとハルカが顔を青くして互いに見つめ合った。
「ウェンディなら……」
「やりかねない、でしょうね……」
そうだよね。
だって出会ってからそんなに月日は経ってないけど、ウェンディがバカ竜みたいなタイプの男が大嫌いだというのは、何となく分かるもん。
「ウェンディ、一番怒ってたもんね……」
「そもそもあ奴の“薄らハゲ”と言ったのが原因なのじゃ。そのくらいの責任は取ってもらわんとな」
「そ、それはそうなんでしょうけど……。ウェンディは、トラウマのせいで、ああいう好色男子は大嫌いなんですよ」
「ほう。初耳じゃの。どういうのじゃ、それは?」
ナスカの発言に興味を示したシュナが、好奇心を疼かせて先を促す。
「……。どうしよっか、ハルカ」
「自分から言っちゃったんじゃない。ナスカが責任持ちなさいよ」
「だ、だって……」
「もう……。しょうがないわね」
狼狽えるナスカに業を煮やしたハルカがシュナに訳を話し始めた。
「ウェンディは元々、子爵家のお嬢さんだったんだけど、彼女の家では跡継ぎがいなかったらしいのよ。それで彼女が十五歳の成人を迎えた日から、お家を潰さないための“お見合い地獄”が始まったそうよ。それで、その時の相手が……」
「なんの、お話しなのでしょうか? ハルカさん?」
「う、ウェンディ!?」
ニッコリと背後で微笑むウェンディに、僕たちはビクッと身体を震わせた。
「な、な、な、何でもないんだよ! だ、誰もウェンディの、男運の悪い話しなんかしてないよ!!」
「ちょっとナスカさん! 今のは聞き捨てなりませんね……」
「ちょ、ちょっとナスカ! あんたはなんでいつも……!」
「ハルカさん。貴方も同罪ですよ……」
「「う、うぅ……」」
ウェンディの前で項垂れる二人を見て、僕はナスカの腕から逃げ出した。が……。
「ねー、ニート君。貴方もそう思いますわよね」
その背中をすかさずウェンディがだきあげて、腕の中で僕を仰向けにしてお腹を撫でながら語りかけてくる。
「み、みぃ……」
「あら、ニート君たら。何を猫被ってるのかしら?」
笑顔が怖いよぉ……。
そもそも僕は猫ですよ、ウェンディさん。
「そもそもあなたたちは、なんで私のお見合いの話しをしていたのかしら? あの話しは絶対に口外しないように、私は言いましたわよね? ねえ、ナスカさん?」
「は、はい……」
いつの間にか二人はウェンディの醸し出す雰囲気にやられ正座をしていた。
「じゃあどうして勝手に話したのかしら? ハルカさん。ちゃんと答えて、くれますわよね?」
「そ、それは……、先生が、聞きたいって……」
「それは嘘じゃぞ」
「「「えぇぇぇ!?」」」
間髪入れずに答えたシュナは、自分に関わるなという感じで背中を向け、自分のポーチに入れていたジャンクフードに齧り付いた。
「だ、そうですわよ。ハルカさん。ナスカさん」
「ちょ、ちょっと待ってよウェンディ! 嘘じゃないのよ! 本当に先生が……」
「ダメですわよ、ハルカさん。いくら貴方の恩師でも、やっていいことと悪いことがあるでしょ?」
「で、でも、本当なんだよ、ウェンディ……!」
「もう……。困りましたわね……。どうするべきだと思いますか? ニート君」
僕に振らないでくれるかな?
できる限り関わり合いになりたくないんだ。
そう思った僕は喉をゴロゴロ鳴らしながら、僕のお腹を撫でている彼女の手に甘噛みした。
「ちょ、ちょっとニート君たら。くすぐったいですわ。ふふふ」
僕が気を逸らしたことによってナスカとハルカの二人がホッと息を吐き出していた。
そんな時……。
「遅くなりました、女神様。このフェデリコ・ビアンコ、女神様のご要望通り竜の子を連れて参りました」
マジで!?
全然期待してなかったけど、タイミング的にナイスだぞ、しん、ぷ……!?
「「「「「……」」」」」
「我輩、目が覚めたのだ。親友のお陰で、真の愛に気付くことができた。礼を言うぞ、神に遣えし人の子よ」
そう言いながら現れた二人は、片方は分かるがもう片方まで全裸になっていた。
「「「……」」」
それはもう完璧に、女性陣はドン引きだった。
勿論僕もだけど……。
コイツ、神父とかよりヤバい。
シュナがバカ竜のことを女性が絡むとヤバいって言ってたけど、今その片鱗を僕らは見た!
「しょ、しょうがない……。僕がバカ竜に触れないようにシートを作るよ。再現魔法で」
「ニートちゃん!」
「ぐぇっ!」
ガバッとナスカが僕を引ったくるように抱き締めた。
気持ちは分かるけど、お願いだからヤメテ!
今日僕これで窒息しそうになるの、何回目なんだろう?
「以外と気が利くじゃないの」
「ニート君。偉いですわぁ」
僕が苦しそうにナスカの胸の中でもがいているにも関わらず、ハルカとウェンディが僕の頭をナデナデしてくる。
ねぇ、気付いてる!? 僕窒息しそうなの!!
お願い! 誰か助けて!!
「な、何てことを言い出すのだ! 小さき獣よ! 貴様は我輩の友達として恥ずかしくないのか!? 友達が折角女性たちと肌と肌のお付き合いをしようというのに、それを率先して邪魔するとは! 貴様はそれでも我輩の親友か!!」
「「「……」」」
あまりの言いようにナスカの腕の力が緩んだ。
バカ竜のせいで死にそうになってるのに、コイツに助けられるとは、何て皮肉なんだ!
「いつから親友になったんだよ!?」
僕は負けじとナスカの腕から声を荒げる。
「親友であろう! 貴様も我輩と同じく、女性の肌に触れて喜んでおるではないか!」
「撫でられたら気持ちいいんだよ!」
「何と!? 貴様はもうその女性たちとそのような仲になっておるのか!? 羨ましい……。我輩に分けてくれてもバチは当たらぬぞ、小さき獣よ」
「バッッッッカじゃないの!! ナスカたちのことを物みたいに扱うな!」
「に、ニートちゃん!?」
ちょ、ま……!? く、苦しい……。
僕の言葉に感動したのか、ナスカの抱き締める力がさっきよりも一層強くなる。
「な、なす、か……。く、くび、が……」
「ニート。あんたいい奴だよね……」
「ニート君。本当にいい子ですねぇ」
僕は彼女の胸の間から片腕と顔だけ出して、ギリギリ呼吸をしている。
それにも関わらず周りにいたハルカとウェンディは僕の頭と顎を撫でてくる。
いやいやいや! そんなことより助けてよ!
「な、な、な、な、な、な!? なんて羨ましいんだ!! 親友よ! 我輩と代わってくれ! お願いだ! 頼む!」
「うっさい! バカは黙ってなさいよ!」
「そうですわよ! 薄らハゲ!!」
「え……。う、うすら……、ハ、ゲ……」
それまで殆どの言葉に動じなかったバカ竜が、ウェンディの言葉に目に見えて落胆している。
それはもう、竜化が解けて人型に戻り四つん這いになって俯くくらい。
ちょっと可哀想に見えるけど、女の敵となるような発言をあれほどしていたのだ。今更同情する余地はない。
ナスカの腕の中で呼吸困難に陥っていた僕は、薄れ行く意識の隅で『ウェンディ、グッジョブ!』と声をあげた、ような気がする。
「お、気が付いたのじゃな」
僕はシュナの膝の上で目を醒ました。
最初の数秒くらいはキョロキョロと辺りを見回しながら、何で僕は眠っていたんだろうと考えていたが「ニートちゃん!」と引ったくるようにナスカに抱かれたことによって思い出した。
「まったく……! 貴様は懲りん奴じゃのぉ」
「いたっ! ご、ごめんなさい……」
シュナの手刀がナスカの頭部に打ち込まれたことによって、彼女は唇を尖らせて謝っていた。
「我ではなく、その謝罪はニートにするべきじゃろ」
「に、ニートちゃん。ゴメンね」
シュナに指摘されたナスカは僕の頭を優しく撫でながら謝ってきた。
そんな彼女に僕はペチペチと彼女の頬を肉球で叩きながら「気にしなくていいよ」と話した。
「それにしてもさ、なんか静か過ぎない?」
僕がナトゥビアに転生して彼女たちに出会ってから、何だかんだと騒がしい日々が続いていた。
しかし今、僕の周りにいるのはシュナとナスカの二人だけだった。
「それはじゃな。ウェンディに打ちのめされたジンバラエが、大声で泣きじゃくりながら逃げ出したからじゃ」
えぇぇ!? そんなに“薄らハゲ”発言で心に傷負ったの!?
「だからシュナさんにニートちゃんを見てもらっている間、私たちは一回この遺跡を出て、あの変態竜人を探しに行ってたんだ」
「アイツ……。どれだけ皆に迷惑かけるんだよ……」
僕はため息混じりに呆れた調子で言葉を発した。
「まぁそう言うな。あ奴もずっと一人で孤独だったのじゃ。心が弱いのも道理じゃろうて」
「むぅ……。分かったよ……」
ぽんぽんと優しく頭を叩かれ、僕は渋々納得する。
「ん? あ! ハルカ! いた?」
アトラスデルタの壊した入り口からとぼとぼと歩いてくるハルカに気付いたナスカが声をかける。
「全然。そっちは?」
疲れたように話すハルカにナスカは首を振りながら「こっちも」と落胆する。
「後は、ウェンディと……、神父は役に立たぬじゃろうから、ウェンディだけが頼りじゃのぉ」
ため息を吐き出しながらシュナは首を振る。
「何かウェンディがあのバカ竜を見付けたら、後ろから射殺さないかな?」
何となくそんな気がした僕がポロっとそんな発言をすると、ナスカとハルカが顔を青くして互いに見つめ合った。
「ウェンディなら……」
「やりかねない、でしょうね……」
そうだよね。
だって出会ってからそんなに月日は経ってないけど、ウェンディがバカ竜みたいなタイプの男が大嫌いだというのは、何となく分かるもん。
「ウェンディ、一番怒ってたもんね……」
「そもそもあ奴の“薄らハゲ”と言ったのが原因なのじゃ。そのくらいの責任は取ってもらわんとな」
「そ、それはそうなんでしょうけど……。ウェンディは、トラウマのせいで、ああいう好色男子は大嫌いなんですよ」
「ほう。初耳じゃの。どういうのじゃ、それは?」
ナスカの発言に興味を示したシュナが、好奇心を疼かせて先を促す。
「……。どうしよっか、ハルカ」
「自分から言っちゃったんじゃない。ナスカが責任持ちなさいよ」
「だ、だって……」
「もう……。しょうがないわね」
狼狽えるナスカに業を煮やしたハルカがシュナに訳を話し始めた。
「ウェンディは元々、子爵家のお嬢さんだったんだけど、彼女の家では跡継ぎがいなかったらしいのよ。それで彼女が十五歳の成人を迎えた日から、お家を潰さないための“お見合い地獄”が始まったそうよ。それで、その時の相手が……」
「なんの、お話しなのでしょうか? ハルカさん?」
「う、ウェンディ!?」
ニッコリと背後で微笑むウェンディに、僕たちはビクッと身体を震わせた。
「な、な、な、何でもないんだよ! だ、誰もウェンディの、男運の悪い話しなんかしてないよ!!」
「ちょっとナスカさん! 今のは聞き捨てなりませんね……」
「ちょ、ちょっとナスカ! あんたはなんでいつも……!」
「ハルカさん。貴方も同罪ですよ……」
「「う、うぅ……」」
ウェンディの前で項垂れる二人を見て、僕はナスカの腕から逃げ出した。が……。
「ねー、ニート君。貴方もそう思いますわよね」
その背中をすかさずウェンディがだきあげて、腕の中で僕を仰向けにしてお腹を撫でながら語りかけてくる。
「み、みぃ……」
「あら、ニート君たら。何を猫被ってるのかしら?」
笑顔が怖いよぉ……。
そもそも僕は猫ですよ、ウェンディさん。
「そもそもあなたたちは、なんで私のお見合いの話しをしていたのかしら? あの話しは絶対に口外しないように、私は言いましたわよね? ねえ、ナスカさん?」
「は、はい……」
いつの間にか二人はウェンディの醸し出す雰囲気にやられ正座をしていた。
「じゃあどうして勝手に話したのかしら? ハルカさん。ちゃんと答えて、くれますわよね?」
「そ、それは……、先生が、聞きたいって……」
「それは嘘じゃぞ」
「「「えぇぇぇ!?」」」
間髪入れずに答えたシュナは、自分に関わるなという感じで背中を向け、自分のポーチに入れていたジャンクフードに齧り付いた。
「だ、そうですわよ。ハルカさん。ナスカさん」
「ちょ、ちょっと待ってよウェンディ! 嘘じゃないのよ! 本当に先生が……」
「ダメですわよ、ハルカさん。いくら貴方の恩師でも、やっていいことと悪いことがあるでしょ?」
「で、でも、本当なんだよ、ウェンディ……!」
「もう……。困りましたわね……。どうするべきだと思いますか? ニート君」
僕に振らないでくれるかな?
できる限り関わり合いになりたくないんだ。
そう思った僕は喉をゴロゴロ鳴らしながら、僕のお腹を撫でている彼女の手に甘噛みした。
「ちょ、ちょっとニート君たら。くすぐったいですわ。ふふふ」
僕が気を逸らしたことによってナスカとハルカの二人がホッと息を吐き出していた。
そんな時……。
「遅くなりました、女神様。このフェデリコ・ビアンコ、女神様のご要望通り竜の子を連れて参りました」
マジで!?
全然期待してなかったけど、タイミング的にナイスだぞ、しん、ぷ……!?
「「「「「……」」」」」
「我輩、目が覚めたのだ。親友のお陰で、真の愛に気付くことができた。礼を言うぞ、神に遣えし人の子よ」
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