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WORKS1 転生社畜、女子高生を買う
💰異世界で女子高生を買った
しおりを挟む「それ、どこの国の言葉なんですか?」
首を十五度くらい傾けた奴隷商に声を掛けられ、ダリスは愛想笑いを返す。
そんなことを聞かれても、「この世界にはない国の言葉ですよ」なんて言うわけにもいかないし。
「ずっとずっと東の方にある、島国に住む原住民たちの言葉です」
なんだか昔のヨーロッパの人がジパングを紹介するみたいになってしまった。
原住民はさすがに言い過ぎた。
「はあ。なんでそんな辺鄙な場所の言葉をご存知なんですか?」
奴隷商の首はさらに十度くらい横に傾いた。
仰ることはごもっとも。だけど、今はこんな話よりも大事なことがあるはずだ。
「そんなことより、この娘を俺に売って貰えませんか?」
そう。売買だ。
ダリスは奴隷を買うためにココに来ているし、奴隷商は奴隷を売るのが仕事なのだから。
「コレを!? いいんですかい? うちは助かりますけど……。それじゃ金貨40枚でどうです?」
高い……。先ほどの使用人クラスの奴隷より少しだけ安いけど、意思疎通ができず使用人として使うには大きな問題を抱えた見切り品なのだから、もっと安くしてくれもいいじゃないか。
ダリスも価格交渉だけは素人ではない。
前世で馬車馬のように働かされていた会社では、オフィスに『半値半掛け』という標語が掲げられていた。
社長曰く、『外注先から見積もりを提示されたら、まず半額になるように交渉しなさい、その結果を受けて、さらに半額になるように交渉しなさい』という、コストカットのための標語だ。
あの頃は何度も何度も頭を下げて、原価を抑えることに必死だった。
執拗なまでに値下げ交渉をするせいで、外注先からは蛇蝎のごとく嫌われていたが、そのおかげもあって会社の業績は伸びていた……らしい。
非上場のオーナー企業だったし、会社の業績を従業員に開示するような透明性があるような立派な会社じゃなかったから「らしい」としか言えないのだけど。
「見切り品、でしたよね? 金貨1枚」
グッと下げた金額を提示する。
この金額がお話にならないようなら、奴隷商は交渉を打ち切るはずだ。
まずは相手の出方を伺ってみることにする。
「それは流石にそれじゃ大赤字ですよ。金貨20枚」
乗ってきた。しかも、いきなり半分になった。
彼女はただの見切り品ではない。言語の一切が通じず、得体の知れない黒髪黒瞳。
東洋人の肌の色もこの世界では奇異に映っているはず。
奴隷商もそんな商品を取り扱ったことなど無いだろうし、おそらく本人の中でも売価が定まっていないに違いない。
「俺以外に“辺鄙な場所の言葉”がわかる買い手がいますかね? 金貨2枚」
「言葉が通じなくとも、女奴隷の役目は果たせますから。金貨10枚」
「不気味な黒髪黒瞳、ついでに貧相な身体の女奴隷でも? 金貨2枚と銀貨5枚」
「髪を染めてしまえば問題ありませんよ。金貨8枚」
「瞳は染められないからバレますよ。金貨3枚」
商品であるチトセに難癖をつけながら、金額交渉を続けること五分。ついに奴隷商が折れた。最終価格は金貨5枚。最初の提示額の八分の一。半値半掛けのさらに半分だ。
こうしてダリスは、異世界で女子高生を買った。
〇現時点の収支報告
資金:金貨30枚(300万円)
支出:▲金貨5枚(50万円)※奴隷購入費
残資金:金貨25枚(250万円)
💰Tips
【勇気】
恐ろしいものに立ち向かう、勇ましく強い心。
ダリスのスキル『真・鑑定』によって、戦闘力と同じく10段階で表される。
敵を前にして戦うということは、とても勇気のいることである。
いかに戦闘力が高くても、勇気がなくては前衛で活躍することはできない。
【おねがい】
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