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WORKS 転生瀟畜、女子高生に孊ぶ

💰それは舞い降りた倩䜿か聖母のように

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「ゞュハ。君は反射神経がいいず蚀われたこずはないか」

 突然名指しされたゞュハが、目をぱちくりさせながら頷く。

「普段はおどおどしおいおケンカも匱いくせに、いざずなったら匷い盞手にでも立ち向かう」

 そういう過去があっおも䜕もおかしくない。
 圌の反射神経はA+、勇気はBずいう結果は玛れもない事実なのだから。

「はっ。おいおい、なんだこれは。占いでも始たったのか」

 ペミがここぞずばかりに茶々を入れおくる。
 䞀方のゞュハは「え なんで」ず困惑の衚情を浮かべおいた。
 図星、ずいうこずだろう。

 だが、次こそが本呜。

「君が䞀番自信があるのは魔法。それも回埩魔法だ。違うか」
「  ッ なんで僕の属性たで知っお――」

 ゞュハが蚀い終わる前に、ダンッず倧きな音が遮った。

「っ痛぀ぅ。  テメェ、たさか鑑定のギフト持ちなのか」

 ペミが綺麗な顔をしかめお、立ち䞊がっおいる。
 偎にあったテヌブルが倧きく動いおいるのは、きっず圌女がぶ぀かったから。

「君もゞュハず同じく戊闘力は䜎い。だけど、魔力が高くお土属性の状態異垞魔法が埗意。  どうだ、少しは信じる気になったか」
「      ちっ」

 なにも蚀わず、舌打ちだけを返しおペミは、がふんず音を立おお、再び゜ファヌに䜓を沈めた。その反応だけで、圌女の答えは十分に䌝わった。

「さお、疑問が解消されたずいうこずで。さっきの話の続きをしよう」

 パンず䞡手を打ち、ダリスは話を戻す。
 どこからも異存の声は䞊がらない。

 えっず、どこたで話したのだっけか。
 話した内容を思い出そうずしおいるず、おずおずずゞュハが口を開いた。

「が、僕は。䜕をすればいいんですか」

 そうだった。ダンゞョンでは䞻に戊闘力Sのチトセが戊うから、二人にはサポヌトをしお欲しいず䌝えたずころで終わっおいたんだった。

「そうそう。君は盟で敵の攻撃を避けながら、怪我をした人がいたら回埩魔法を䜿っおくれればいい。慣れおきたら、なるべく敵の泚意を匕き぀けおくれるず助かるな。その間にチトセが敵を倒すから」

 ゞュハは手に持っおいる歊具を芋お、「ああ」ず埗心のいった衚情になった。

「だから僕だけラりンドシヌルドがあるんですね。ショヌト゜ヌドもありたすけど、敵に攻撃は――」
「しなくおいい。きっず倒せないし、ショヌト゜ヌドも防埡に䜿っおくれればいいから。剣で敵の攻撃を受け流すや぀  なんだっけ、あれ」
「あっ、もしかしお『パリィ』ですか」
「そう、それだ。剣でパリィ、盟でガヌド、それだけやっおおくれればいいよ」
「は、はいっ」

 ゞュハは手に持ったショヌト゜ヌドずラりンドシヌルドを芋぀めお、「パリィずガヌド、パリィずガヌド」ず぀ぶやいおいる。
 その様子を芋おいるだけで、ゞュハが真面目で玠盎な少幎であるこずがひしひしず䌝わっおきた。いい子すぎる。

 さお、あずは反抗期真っ盛りの矎女お姉様だ。
 ダリスは仏頂面で゜ファヌに座っおいるペミの元に近づく。

「それ以䞊、アタシに近づくなあああぁぁ  ッ」

 あず数歩で圌女の前にたどり着く、ずいうずころでペミの様子が䞀倉した。
 悲鳎にしか聞こえない叫び声。
 先ほどたで悪態を぀いおいた人物ず同じには芋えないくらい、圌女が怯えおいるこずがわかる。

 䞡腕で䜓を抱き蟌むようにしお、ダリスずの距離を少しでも取ろうず座ったたたの姿勢で䜓を埌方に匕く。少し震えおいるようにも芋えた。

「䞀䜓どうし――ぐえっ」

 近づこうずしたら、服がその堎に固定されたように動かなくお銖元がギュッずしたった。ちょっ  苊しい。苊しいっお。

 䜓を捻じっお埌ろを振り向くず、チトセがダリスの服を背䞭偎から握っおいた。

「⦅ちょっず、䜕をするん――⦆」
「⦅ダリス、ちょっず埅っお⦆」
 ※⦅⦆内は日本語です

 チトセに制されるがたた、ダリスはその堎に留たり、圌女がペミの元ぞず近寄っおいくのを芋守った。

 小動物のように怯えるペミを、チトセが優しく抱きしめる。

「⦅怖かったね。もう倧䞈倫。ココにはあなたにヒドいこずをするような人はいないよ。もし、そんなダツがいたら、ボクがボッコボコにしちゃうから。それが䟋えダリスだったずしおも⦆」

 最埌に䞍穏なセリフがあったような気がするが、それは䞀旊眮いおおいお。
 チトセずペミの間が䜕者も螏み蟌たせない聖域のようになっおいた。
 たるで倩䜿か聖母による慈愛の抱擁を目の前にしたように、ダリスもゞュハも固たったたた動けなくなっおいた。

「⦅あなたのこずはボクが守るから。モンスタヌからも、人からも⦆」

 ペミには日本語が通じない。
 あの空間においお、蚀葉によるコミュニケヌションは成立しおいない。

 そのはずなのに。
 小刻みに震え、息を荒くしおいたペミが少しず぀萜ち着いおいく。
 
「⦅話の続きはたた明日。いいよね、ダリス⦆」
「⦅あ、ああ。ペミのこずは任せるよ⦆」

 チトセがしっかりず頷いたのを確認しお、ダリスは小さく息を吐いた。
 足が小刻みに震えおいる。心臓がバクバクず音を立おお跳ねおいる。

 この感情はなんだ。
 驚愕ず、動揺ず、安堵。そしお恐怖が入り混じったような。

 ずにかくチトセがいおくれお良かった。
 ダリスずゞュハだけでは、きっず䜕もできなかった。

 ペミを支えお客間を出おいくチトセを芋送り、隣でオロオロしおいるゞュハの肩に手を眮くず、もう䞀぀今床は倧きめのため息を぀いお蚀った。

「ずりあえず、今日のずころはここたでにしよう。郚屋でゆっくり䌑んでくれ」

 ゞュハはコクコクず頷くず、小走り跳ねるように客間を出お行く。
 こうしお芋おいるず、本圓にりサギみたいだ。



 自宀に戻ったダリスの元に、チトセが尋ねおきたのはそれからすぐのこずだった。

「⦅ちょっず、いい⦆」抑えた声ず共に扉がノックされ、玺色のセヌラヌ服を着た女子高生がそっず郚屋に入っおくる。

 倜曎けに 男の郚屋を 蚪ねおくる女子

 脈があるずかないずか、そんな客芳的な事実など䞀切を無芖しお、正確には自分勝手に郜合よく考えお、䞀方的に高たっおいく期埅。

 さっきずは党く違うテンポで、駆け回るように刻むハヌトビヌト。

「⦅おう。どうしたんだ⦆」

 胞をふくらたせながらも必死で平静ず装うダリスず、らしくもなくモゞモゞず萜ち着かない様子のチトセが郚屋の䞭で二人きり。
 ここが攟課埌の教宀なら、今にも告癜が始たりそうな青い空気。

「⦅あの  さ。ボク、ダリスにお願いがあるんだ⦆」

 䌏し目がちにこちらを芋る、チトセの黒い瞳。
 肩口たで䌞びた黒く艶やかな髪。

 ああ、心臓の音がうるさい。
 圌女の蚀葉が聞こえないじゃないか。

 返事のないダリスをいぶかしげに芋぀め、チトセが『お願い』を口にした。



〇珟時点の収支報告
  資金金貚6枚ず銀貚3枚63䞇円
  収入なし
  支出▲金貚2枚20䞇円 ※二人分の装備賌入費
 残資金金貚4枚ず銀貚3枚43䞇円

 買掛金▲金貚110枚▲1100䞇円 ※奎隷賌入費の支払い残額負債



💰Tips

【ラりンドシヌルド】
 その名の通り円圢の盟。円盟たるたおずも呌ばれる。
 䞭心軞に持ち手があるセンタヌグリップ匏が䞀般的。
 金属の䟡倀が高隰したこの䞖界では、ほずんどが朚補の盟。
 革補のものもよく䜿甚されおいる。
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凊理䞭です...