みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

文字の大きさ
9 / 55
番外編 ふしぎな夜のおひなさま

9 おひなさまと…(3/5)

しおりを挟む
それからポッコロさんは、さっきとは違う、うれしそうな顔になっていいます。
「…だけど、この雛人形さん達はよっぽど大事にされてるってことだ!
オレもそんなお雛さん達に会うと、うれしくってよ」
その言葉にわたしと真美ちゃんは、またおひなさまを見ます。
そういわれてみると、みんなとってもおだやかな顔をしているのに気が付きます。
真美ちゃんとお母さんの2人が、おひなさま達をとっても大事にしていることを知っているから納得です。
あれだけ大事に思ってくれている人が2人もいるんだから、本当に幸せだよね。
そして妖精さんも気に入っちゃうくらい、立派な上に心も素敵なおひなさまなんだね。
真美ちゃんはそう聞いて、とってもうれしそうでした。
そしておひなさまの真ん前に行くと、感動している様子でいいました。
「そうなんだ。みんなに、大好きってちゃんと伝わってたんだね」
そうじーんとしている真美ちゃんの様子から、本当におひなさま達を大事に思っていたのが伝わってきます。
わたしはそんな真美ちゃんを見ていて、今やっと気が付きました。
そっか。よく考えてみるとそうなんだよね。
ポッコロさんのお話によると、みんなのお家を回っているんだよね。
だったらどのおひなさまも、毎年動いた日が必ずあるということです。
でもわたしにこうやって相談しにきたのは、真美ちゃんだけでした。
他のみんなも、そしてわたしも気が付いていなかったのに。
ううん、もしかしたら、気付いた子は他にもいるのかもしれません。
でもこうやって一生懸命考えて、夜更かしまでしてがんばったのは、真美ちゃんだけなんだもんね。
その気持ちは本当にすごいよ。
だから真美ちゃんのおひなさまは、ポッコロさんが毎日来たくなるくらい幸せなんだね。
ポッコロさんもそんな真美ちゃんの様子を見て、にっこり笑いました。
そしてまた元気に杖を振り始めます。
「じゃあ説明も終わったことだし、続きを始めるか」
すると話していた間止まっていたおひなさま達が、また動き出しました。
「今日は特別。
人間のお嬢ちゃんも一緒に踊ろうぜ♪」
そのポッコロさんの言葉に、2人でうなずきます。
「すごいね。魔法使いのわたしにとっても、こういうことってあんまりないんだよ」
そうわたしは張り切って、真美ちゃんにいいます。
おひなさま達と一緒に遊べるなんて、今までのがんばりにもお釣りが出るくらい素敵なことです。
そうしておひなさま達のパーティーに、真美ちゃんとわたしも混ぜてもらうことになりました。
おひなさま達と一緒に跳んだり跳ねたりして、とっても楽しいです。
まるでトランポリンでも使っているみたいだね。
お友達と遊ぶ時だって、普通こんなには大はしゃぎしません。
でも始めてすぐに、とっても大変なことに気が付きました。
「ああっ!夜中だから、今まで一生懸命静かにしていたんだよね。
なのにこんなに音を立てていたら、絶対真美ちゃんのお母さん達に聞こえちゃうよ」
わたしは大慌てです。
いろいろお話を聞いている間に、すっかり忘れていました。
もうこれだけ騒げば、今から静かにしても遅いんだけどね。
お母さん達が、びっくりして降りてきちゃうかなあ。
そうしたら真美ちゃんのお母さんにも、こうやって動いているおひなさま達に会わせてあげることができます。
だからそれもいいのかもしれません。
子どもの頃からずっとおひなさまを大事に思っていた人だもんね。
きっとわたし達よりももっと感動するんじゃないかなあと思います。
でもやっぱり、この状況はなんだか気まずいです。
夜中にこっそり、みんなで遊んでいたっていうことがね。
お泊まりに来たのも実はこのためだったんですって、説明することになります。
そう魔法使いとしての気持ちと、わたし自身の事情で板挟みです。
困るわたしに、ポッコロさんは落ち着いて教えてくれます。
「お雛さん達を動かしてからは、もちろん音が外に聞こえないようにしてるさ。
でないと、必ずどこかで見つかっちまうよ」
そう聞いて、わたしはほっと息をつきます。
そっか、そうだよね。よく考えれば。
こういうパーティーを見たって、誰からも聞いたことないもんね。
妖精さんはいろんな力を持っているんだなあ。
わたしも状態魔法を覚えれば、そういうこともできるようになります。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

【3章】GREATEST BOONS ~幼なじみのほのぼのバディがクリエイトスキルで異世界に偉大なる恩恵をもたらします!~

丹斗大巴
児童書・童話
 幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。  異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)とアイテムを生みだした! 彼らのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅するほのぼの異世界珍道中。  便利な「しおり」機能を使って読み進めることをお勧めします。さらに「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です! レーティング指定の描写はありませんが、万が一気になる方は、目次※マークをさけてご覧ください。

魔法使いアルル

かのん
児童書・童話
 今年で10歳になるアルルは、月夜の晩、自分の誕生日に納屋の中でこっそりとパンを食べながら歌を歌っていた。  これまで自分以外に誰にも祝われる事のなかった日。  だが、偉大な大魔法使いに出会うことでアルルの世界は色を変えていく。  孤独な少女アルルが、魔法使いになって奮闘する物語。  ありがたいことに書籍化が進行中です!ありがとうございます。

四尾がつむぐえにし、そこかしこ

月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。 憧れのキラキラ王子さまが転校する。 女子たちの嘆きはひとしお。 彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。 だからとてどうこうする勇気もない。 うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。 家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。 まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。 ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、 三つのお仕事を手伝うことになったユイ。 達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。 もしかしたら、もしかしちゃうかも? そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。 結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。 いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、 はたしてユイは何を求め願うのか。 少女のちょっと不思議な冒険譚。 ここに開幕。

突然、お隣さんと暮らすことになりました~実は推しの配信者だったなんて!?~

ミズメ
児童書・童話
 動画配信を視聴するのが大好きな市山ひなは、みんなより背が高すぎることがコンプレックスの小学生。  周りの目を気にしていたひなは、ある日突然お隣さんに預けられることになってしまった。  そこは幼なじみでもある志水蒼太(しみずそうた)くんのおうちだった。  どうやら蒼太くんには秘密があって……!?  身長コンプレックスもちの優しい女の子✖️好きな子の前では背伸びをしたい男の子…を見守る愉快なメンバーで繰り広げるドタバタラブコメ!  

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

処理中です...