転生者G-転生前はゴキブリでした-

花鳴カナリア

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 Ⅲ 竜殺しの英雄

 猫とお頭

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 時は遡り。
G達と別れて程なく洞窟に辿り着いたネムネムとブライツは、順調に迷路の中を進んでいた。

「こんなに広い洞窟なのにまったく迷わないにゃ。
ネムは感激にゃ~!」

大はしゃぎするネムネム。

「声がでけえって!
静かにしねえと化け物に見つかるだろうが。
……にしても、本当に方向音痴なんだな。
入って五秒でまた入り口に戻ろうとするなんてよ」

その時、Gの声が頭に響いた。

(セツハさん達がパエラ湖に到着したようです。
そちらの首尾はいかがですか?)
(たったいま最深部の大部屋の前に到着した。
だが、奇妙な事に室内はもぬけの殻みたいだ)
(場所が、間違っていたのでしょうか?)

ブライツは壁の光苔を指でむしると、その光で足下を照らした。

(いいや、新しい足跡が地面にくっきり残ってる。
間違いじゃねえ)

周囲を警戒しながら入室した二人は、忽然と姿を消した不死竜を捜索する事にした。

「空気がなんだかひんやりしてるにゃ~」
「石碑から出てる封印の波動のせいだろ。
それを嫌って、ここにはモンスターも滅多に寄り付かねえんだ」
「むむ、それって矛盾してないかにゃ?
そんな場所にわざわざ不死竜が来るのはおかしいにゃ」
「だが、水晶球は確かにこの場所を映していた。
いったい、どういうこった?」

突然、洞窟を揺るがす地響きと共に地面が隆起し、土色の竜が二人に襲いかかる。

「こいつ、地面と同化して?!」

巨竜の咆哮が響き、露になった口腔から血に濡れた大蛇の肉片がみえた。

「そうか、やつは封印されて弱った大蛇を喰ってやがったんだ!」
「そんな事はいいから一旦退くにゃ~‼」
(こちら洞窟班、骨っこの奇襲を受けて交戦中にゃ!)

ネムネムは直ぐに状況を知らせた。
Gから仲間達に一斉攻撃の号令が下る。

「お、おい、猫女。
お前なら一撃で倒せるとかさっき言ってたよな?!
それなのにどうして俺達は逃げてるんだよ!」

来た道を逆走し、天井から落下する石礫を払いながらブライツが叫んだ。

「ネムは酔わないと戦えないにゃ!」
「なんだそりゃ?!」

壁を斜めに走っていたネムネムは酒瓶の蓋を開けて煽ると、

「ぷは~、いい気分にゃ~♪」

たちまち足下が覚束無くなり、千鳥足で地面へと落下した。

「……一口で泥酔かよ。
おい、しっかりしろ。
こんなところで寝るんじゃねえ!」

竜の足音が二人に近付く。
食事を邪魔されて激怒した怪物が、追撃の手を緩める気配はなさそうだった。

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