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Ⅵ 反旗
キジェットへ
しおりを挟む「私達も共に戦いたいところだが、復興の目処も立たない現状では割ける人手がない。
力になれず、面目ない」
口惜しげに下を向くファランの後ろには、セツハとディガロ、マリエッタが控えている。
物資の確保や人員の手配、家を失った人々への住居の斡旋、倒壊による二次被害の防止等、彼らがなさねばならない事はとにかく山積みだった。
「顔を上げて下さい、ファラン様。
今のマラカーンには貴女方の力が必要です。
それに、Gには頼もしい味方がちゃんと居ますし」
「らいりょうぶにゃっ。
ネムがついてるにゃよ~う、ひっく!」
食事を終えてさっそく一杯ひっかけたネムネムの体を、Gが後ろから掴む。
「フライング、G」
背中の羽が震動し、二人の体がゆっくりと地上から離れてゆく。
「では、G達は行きます」
「うむ、成功を祈っているぞ」
「なんだか、ふわふわしてるにゃ。
空を飛んでるような気分にゃ~」
「姉ちゃん、それは本当に飛んでるッスよ。
落っこちないように気を付けるッスーッ!」
「行ってらっしゃいませ」
Gに抱えられて空を飛ぶネムネムは、あっと声をあげた。
「ところでゴキブリさん。
ネム達はこれからどこに行くのにゃ?」
「あれれ?
さっきお伝えしませんでしたか?」
「う~ん、よく覚えてないにゃ。
おしゃけが入ると色々記憶が飛んじゃうにゃよ」
Gは飛行を続けながら、これから向かうキジェットの村の事を簡単に説明した。
「……とまぁ、こんな感じですかね。
小さな村ですが、それは表向きで、って……」
「ぐがー、すぴー」
「おやすみですね。
ふふ、さすがは猫さんです」
G達はそれから一日と数時間を費やし、マラカーン北西のベルン山脈の間を抜けて山奥の村へと降り立った。
村の名産品である意匠を凝らした紋章旗が、家々の軒先を鮮やかに彩っている。
「これは何やら、大忙しのようですね」
「……おや?
ジーク、あんたジークじゃないか。
いつ帰ってきたんだい」
すれ違ったふくよかな婦人から呼び掛けられ、
「こんにちは、ナタリーさん」
Gは自然に挨拶を返した。
「むむ、ジークって誰にゃ?」
地面に下ろされて目を覚ましたネムネムが、聞き慣れない名に首をかしげる。
「Gの偽名です。
反乱軍は身元が特定されないように、偽名で活動するんですよ」
「にゃるほど~。
カッコいいにゃ。
じゃあ、ネムの偽名も考えるにゃ」
「あ、ダメです、自分で勝手に決めちゃ。
偽名は反乱軍のリーダーが、あみだくじで決める事になってますから」
「元気でやってたかい?
そっちの女の子は初めて見る顔だねえ」
ナタリーはGを肘で小突くと、ひそひそ声で言った。
「あんたの彼女?」
「ち、違いますよ!
この女性は職人志望の方です」
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