87 / 102
アミュレットとメダル
85
しおりを挟む
ゆっくりと馬車に揺られながら、生家へと道を進む。
当分は王都へと戻ることはないだろう。真帆はあれもこれもと、王都を出るまで何度も馬車を止めさせて買い物をしている。
「悠理も行こう。何か必要な物とかないの?」
馬車を降りる度に誘われるが、必要な物は生家に行けば揃っているし、特に買い揃えておくものはない。
「いや、わたしはいい。ここが最後だぞ。これ以上足止めばかりされては、先に進めない。」
わかったよ、と口を尖らせながら真帆は付き添いの騎士一人を引き連れて、華やかな店へと駆けて行った。
ルドルフ様に付き添いは必要ないと申し出たが、遠慮するなと二人の騎士を付き従えてくれた。
「…ユリウス様、いいんですか?あいつと行かせて。」
残った騎士が心配そうに声を掛けてくる。
「何か問題が?」
「いや、あいつ、ユリウス様には結構反発していたし…それに、、、」
「確かに反発していたが、この付き添いに自分から志願したんだろう?」
「…それは、マホ様が、」
「真帆が何か?」
「…いや、ユリウス様がいいんなら、いいんです。余計な心配でした。」
この騎士は、わたしを慕ってくれた数少ない騎士の中の一人だ。
マホに付き従って行った騎士は伯爵家の次男で、団長になってからは何度も反発されていた。
騎士を辞めることにしたからか、わたしへの反発もなくなったのだろう。
馬車は王都を出て、いくつかの街を通り過ぎていく。
隣にいる真帆はずっと何かを話しかけてきたが、気のない返事ばかりしていると、終いには諦めたのか、買って来た物を出し始め、並べて眺めては満足そうに頷いている。
『俺も、子を産める身体だ。』
ノア様の最後の言葉が、頭の中で反芻される。
本人から直接その事実を耳にするのは、初めてのことだ。
いずれ、ノア様はシオンの子を…
わたしを想い慕っていると言ったノア様をあのまま連れ出したら、今目の前にいたのは、外を見ながらはしゃぐノア様だったのだろうか。
『ユリウス、あれを見てみろよ!あんなの初めて見るな!面白いな!』
ノア様の言う想いが、ノアール様の記憶のせいだと、何故言い切れたのだろう。
その想いが、本当にノア様自身の…
「悠理?どうしたの?」
目の前にいるのは真帆だ。
選択したのはわたしだ。
…余計なことを考えるべきではない。
わたしはもう、ノア様の護衛ではないのだから。
夕刻前に宿に着くと、慣れない馬車旅で疲れたのか、夕飯まで少し休みたいと真帆は寝台に潜り込んだ。
別々の部屋をとっていたことに不服そうだったが、それよりも疲れの方が勝ったのだろう。横になるとすぐに目を閉じてしまった。
ここは古びた宿ではあるが、子綺麗で広さもある。
この辺りでは他に大きな宿はないので、いつも混み合っているのに、今日は他に数組の団体しか見ていない。
階下の食堂に降りてみると、夕飯前のせいでもあるが、人影はまばらだ。
宿に着くとすぐに飲み始める客もいるはずなのに、酒を飲んでいる客が一人もいない。
「何かお作りしましょうか?」
声を掛けて来たのは、この宿の主人だ。
「ああ、飲み物を。酒以外で。」
カウンターに座り、出された飲み物を口にする。
「今日は随分と人がいないな。」
「ええ、そうなんですよ。急に大口の団体さんが来れなくなったそうで。でもまあ、先払いしてもらっていたのでね。返金もしなくていいそうですから、今日はのんびりやらせて貰いますよ。」
がらんとした食堂を見回すと、何人かの客と目が合う。
「あ、ユリウス様も来てたんですね。」
一人の騎士が食堂まで降りて来ると、カウンターで酒を注文する。
「…悪いが、今晩は駄目だ。酒以外の物を。」
酒を準備しようとする主人を制すると、騎士は少しだけ不服そうにした。
「えええ、ユリウス様、今日は任務じゃないからいいって、さっきまで言っていたじゃないですかあ!」
「…さっきまではな。」
もう一度店の中を見回すと、騎士に耳打ちする。
「…嫌な予感がする。予感だけならいいんだが。悪いが、今晩は任務同様の警戒を頼む。」
騎士は顔色を変えずに、笑顔で頷いた。
「もう、ユリウス様ってば、わかりましたよ!酒はほどほどにしておきますから!」
察しがいい部下の対応に笑みが出る。
「あいつにも飲み過ぎるなよって、伝えておきますか?」
「いや、それはいい。」
「あいつばっかり、ずるいなあ。」
そう言って笑いながら、騎士は一瞬だけ当たりを見回した。
何事もなければ、それでいい。
身に付いた習性か、嫌な予感がするときは気のせいにせず、前もって念入りに準備しておくほうが得策だ。
これ以上何も言わなくとも、目の前の騎士は理解しているだろう。
もう一人の騎士は、部屋に入ったまま出てくる気配がない。
宿に到着してから、疲れてぐったりとした真帆が馬車から降りようとした時に、手を差し伸べたのを振り払われた、あの時の目つき…。
真帆はあの騎士の手を振り払って、わたしに身を預けてきた。
一人で歩けと言ったのに、無理だと言うから仕方なく抱き上げた時の鋭い視線…。
つつがなく夕飯を食べ終わると、真帆はお腹を抱えてわたしの部屋へとやって来た。
「悠理、一緒に寝よう。一人じゃ寂しいから。」
わたしは、真帆を部屋へと招き入れた。
当分は王都へと戻ることはないだろう。真帆はあれもこれもと、王都を出るまで何度も馬車を止めさせて買い物をしている。
「悠理も行こう。何か必要な物とかないの?」
馬車を降りる度に誘われるが、必要な物は生家に行けば揃っているし、特に買い揃えておくものはない。
「いや、わたしはいい。ここが最後だぞ。これ以上足止めばかりされては、先に進めない。」
わかったよ、と口を尖らせながら真帆は付き添いの騎士一人を引き連れて、華やかな店へと駆けて行った。
ルドルフ様に付き添いは必要ないと申し出たが、遠慮するなと二人の騎士を付き従えてくれた。
「…ユリウス様、いいんですか?あいつと行かせて。」
残った騎士が心配そうに声を掛けてくる。
「何か問題が?」
「いや、あいつ、ユリウス様には結構反発していたし…それに、、、」
「確かに反発していたが、この付き添いに自分から志願したんだろう?」
「…それは、マホ様が、」
「真帆が何か?」
「…いや、ユリウス様がいいんなら、いいんです。余計な心配でした。」
この騎士は、わたしを慕ってくれた数少ない騎士の中の一人だ。
マホに付き従って行った騎士は伯爵家の次男で、団長になってからは何度も反発されていた。
騎士を辞めることにしたからか、わたしへの反発もなくなったのだろう。
馬車は王都を出て、いくつかの街を通り過ぎていく。
隣にいる真帆はずっと何かを話しかけてきたが、気のない返事ばかりしていると、終いには諦めたのか、買って来た物を出し始め、並べて眺めては満足そうに頷いている。
『俺も、子を産める身体だ。』
ノア様の最後の言葉が、頭の中で反芻される。
本人から直接その事実を耳にするのは、初めてのことだ。
いずれ、ノア様はシオンの子を…
わたしを想い慕っていると言ったノア様をあのまま連れ出したら、今目の前にいたのは、外を見ながらはしゃぐノア様だったのだろうか。
『ユリウス、あれを見てみろよ!あんなの初めて見るな!面白いな!』
ノア様の言う想いが、ノアール様の記憶のせいだと、何故言い切れたのだろう。
その想いが、本当にノア様自身の…
「悠理?どうしたの?」
目の前にいるのは真帆だ。
選択したのはわたしだ。
…余計なことを考えるべきではない。
わたしはもう、ノア様の護衛ではないのだから。
夕刻前に宿に着くと、慣れない馬車旅で疲れたのか、夕飯まで少し休みたいと真帆は寝台に潜り込んだ。
別々の部屋をとっていたことに不服そうだったが、それよりも疲れの方が勝ったのだろう。横になるとすぐに目を閉じてしまった。
ここは古びた宿ではあるが、子綺麗で広さもある。
この辺りでは他に大きな宿はないので、いつも混み合っているのに、今日は他に数組の団体しか見ていない。
階下の食堂に降りてみると、夕飯前のせいでもあるが、人影はまばらだ。
宿に着くとすぐに飲み始める客もいるはずなのに、酒を飲んでいる客が一人もいない。
「何かお作りしましょうか?」
声を掛けて来たのは、この宿の主人だ。
「ああ、飲み物を。酒以外で。」
カウンターに座り、出された飲み物を口にする。
「今日は随分と人がいないな。」
「ええ、そうなんですよ。急に大口の団体さんが来れなくなったそうで。でもまあ、先払いしてもらっていたのでね。返金もしなくていいそうですから、今日はのんびりやらせて貰いますよ。」
がらんとした食堂を見回すと、何人かの客と目が合う。
「あ、ユリウス様も来てたんですね。」
一人の騎士が食堂まで降りて来ると、カウンターで酒を注文する。
「…悪いが、今晩は駄目だ。酒以外の物を。」
酒を準備しようとする主人を制すると、騎士は少しだけ不服そうにした。
「えええ、ユリウス様、今日は任務じゃないからいいって、さっきまで言っていたじゃないですかあ!」
「…さっきまではな。」
もう一度店の中を見回すと、騎士に耳打ちする。
「…嫌な予感がする。予感だけならいいんだが。悪いが、今晩は任務同様の警戒を頼む。」
騎士は顔色を変えずに、笑顔で頷いた。
「もう、ユリウス様ってば、わかりましたよ!酒はほどほどにしておきますから!」
察しがいい部下の対応に笑みが出る。
「あいつにも飲み過ぎるなよって、伝えておきますか?」
「いや、それはいい。」
「あいつばっかり、ずるいなあ。」
そう言って笑いながら、騎士は一瞬だけ当たりを見回した。
何事もなければ、それでいい。
身に付いた習性か、嫌な予感がするときは気のせいにせず、前もって念入りに準備しておくほうが得策だ。
これ以上何も言わなくとも、目の前の騎士は理解しているだろう。
もう一人の騎士は、部屋に入ったまま出てくる気配がない。
宿に到着してから、疲れてぐったりとした真帆が馬車から降りようとした時に、手を差し伸べたのを振り払われた、あの時の目つき…。
真帆はあの騎士の手を振り払って、わたしに身を預けてきた。
一人で歩けと言ったのに、無理だと言うから仕方なく抱き上げた時の鋭い視線…。
つつがなく夕飯を食べ終わると、真帆はお腹を抱えてわたしの部屋へとやって来た。
「悠理、一緒に寝よう。一人じゃ寂しいから。」
わたしは、真帆を部屋へと招き入れた。
164
あなたにおすすめの小説
主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい
発光食品
BL
『リュミエール王国と光の騎士〜愛と魔法で世界を救え〜』
そんないかにもなタイトルで始まる冒険RPG通称リュミ騎士。結構自由度の高いゲームで種族から、地位、自分の持つ魔法、職業なんかを決め、好きにプレーできるということで人気を誇っていた。そんな中主人公のみに共通して持っている力は光属性。前提として主人公は光属性の力を使い、世界を救わなければいけない。そのエンドコンテンツとして、世界中を旅するも良し、結婚して子供を作ることができる。これまた凄い機能なのだが、この世界は女同士でも男同士でも結婚することが出来る。子供も光属性の加護?とやらで作れるというめちゃくちゃ設定だ。
そんな世界に転生してしまった隼人。もちろん主人公に転生したものと思っていたが、属性は闇。
あれ?おかしいぞ?そう思った隼人だったが、すぐそばにいたこの世界の兄を見て現実を知ってしまう。
「あ、こいつが主人公だ」
超絶美形完璧光属性兄攻め×そんな兄から逃げたい闇属性受けの繰り広げるファンタジーラブストーリー
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる
kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。
かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。
そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。
「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」
おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる