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第4章:選ばれた未来、ほどけない絆へ
第42話「恋人たちの距離は、時に試される」
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恋は、選びとるもの。
けれど、選んだ先が平坦であるとは限らない。
むしろ、選んだからこそ――
ふたりの距離が、静かに試されることもある。
***
学院の講義棟。
窓からは春の陽光が差し込み、教室は穏やかな空気に包まれていた。
けれど、アレン=ヴァルフォードの机には、
一通の封筒が置かれていた。
『王宮より召喚通達』
内容:外政懇談会への臨席要請
日時:今週末、三日間
それは王太子としての義務であり、
同時に――“学院を離れる”という宣告だった。
「……三日、か」
彼は封筒を見つめたまま、ため息を漏らした。
ちょうどそのとき、セシリア=ロートベルクが教室に入ってきた。
「アレン様? どうかしました?」
彼女の笑顔は変わらず、優しくて、あたたかくて。
だからこそ、アレンは口を噤んだ。
けれど――
「……少しだけ、会えない日が続くかもしれない」
セシリアの動きが止まる。
「王宮、ですか?」
「うん。外政懇談会っていう名目だけど……
実際は、次代に向けての“査定”みたいなものらしい」
彼は視線を逸らすことなく、静かに言った。
「本当は、君に隠そうと思ってた。
でも、そういうことをしたくないって、
“選んだ”はずだったから」
その言葉に、セシリアの目がゆっくりと細められる。
「……ありがとう。
わたしに話してくれて、すごく嬉しい」
彼女はそう言って、彼の袖に手を添える。
「三日間って、長いようで短いけど――
“会えない”って思うと、やっぱり寂しいわね」
「僕も、同じ気持ちだよ」
そのまま、ふたりは黙って手を繋ぐ。
恋人同士にとっての“距離”は、ただの物理的な隔たりではない。
“心がどれだけ揺れても、ほどけないかどうか”――
それが、今まさに試されようとしていた。
***
その夜。
学院外、貴族街の一角。
ロイ=フィエルノートの手元には、新たな報告書が届いていた。
【アレン=ヴァルフォード、王宮滞在予定】
―対象人物:セシリア=ロートベルク
―観察指標:日常行動・交友関係・精神安定度
彼は報告書を指で叩きながら、低く呟く。
「……“王子が不在の隙間”に何が起きるか。
それが“本物の恋”かどうかを、見せてもらおうか」
その声は、あくまで淡々としていた。
けれどその瞳は、どこか深く――冷えていた。
蝶が舞わぬ平穏な日々。
その裏で、別の“針”が静かに光りはじめる。
けれど、選んだ先が平坦であるとは限らない。
むしろ、選んだからこそ――
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「アレン様? どうかしました?」
彼女の笑顔は変わらず、優しくて、あたたかくて。
だからこそ、アレンは口を噤んだ。
けれど――
「……少しだけ、会えない日が続くかもしれない」
セシリアの動きが止まる。
「王宮、ですか?」
「うん。外政懇談会っていう名目だけど……
実際は、次代に向けての“査定”みたいなものらしい」
彼は視線を逸らすことなく、静かに言った。
「本当は、君に隠そうと思ってた。
でも、そういうことをしたくないって、
“選んだ”はずだったから」
その言葉に、セシリアの目がゆっくりと細められる。
「……ありがとう。
わたしに話してくれて、すごく嬉しい」
彼女はそう言って、彼の袖に手を添える。
「三日間って、長いようで短いけど――
“会えない”って思うと、やっぱり寂しいわね」
「僕も、同じ気持ちだよ」
そのまま、ふたりは黙って手を繋ぐ。
恋人同士にとっての“距離”は、ただの物理的な隔たりではない。
“心がどれだけ揺れても、ほどけないかどうか”――
それが、今まさに試されようとしていた。
***
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「……“王子が不在の隙間”に何が起きるか。
それが“本物の恋”かどうかを、見せてもらおうか」
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その裏で、別の“針”が静かに光りはじめる。
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