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第4章:選ばれた未来、ほどけない絆へ
第57話「それぞれの終章、そして新たな問い」
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物語は終わるとき、静かになるとは限らない。
それぞれの想いが収まり、
それぞれの役割が果たされたあと――
新たな問いが、また次の一歩を照らし始める。
***
学院内では、フェルティナ=セリスが正式に視察を終え、
王都へ帰還することが発表された。
滞在期間中、彼女が残したのは、
騒ぎでも衝突でもなく――“ひとつの潔さ”だった。
「素敵なお方でしたね」
そう感想をこぼしたのは、セシリアのクラスメイトの少女。
セシリアは笑って頷く。
「ええ。
正直、わたしなんかよりずっと“完成された人”だと思ったわ。
でも、“愛される準備ができてる人”より――
“愛して、学んで、傷ついても立ち上がれる人”でいたいの」
言葉にしたその想いは、すでに“迷い”ではなかった。
そしてそれは、いつしか教室の空気にも伝わり、
彼女を見る目が“同情”から“尊敬”へと変わっていくのが、ゆっくりと感じられた。
***
一方――リリアーナ=エグレアは、温室の奥でひとり佇んでいた。
蝶はもう、飾られていない。
代わりに、芽吹いたばかりの植物が、
静かに揺れている。
「結んだ糸の先が、
ちゃんと“未来”に向いていたことが……
こんなに、満たされるものなのですね」
ぽつりとこぼした声は、もう“執着”ではなかった。
“縫う手”を休めた彼女の指は、ようやく自由になり、
“誰かのため”ではなく、“自分のために微笑む”ことを覚え始めていた。
「さて、わたくしの物語も、ひとまず幕引きですわね。
でも……“次の役柄”を探すのも、悪くありませんわ」
その背に、やさしい陽が差し込む。
かつて“影”だった少女の上に――
ようやく“光”が降りてきた瞬間だった。
***
そして夜。
アレンとセシリアは、再び並んで歩いていた。
静かな石畳。
季節の花が咲く並木道。
「セシリア。……君に訊きたいことがあるんだ」
「……なにかしら?」
アレンは一歩、彼女の前に立って振り返る。
「“恋”はもう、言葉で伝えきれないと思ってる。
だから、次は“日々で証明していきたい”。
――君と、未来を歩んでいく覚悟があるか、聞かせてくれる?」
それは、まだ“求婚”ではない。
けれど、それに限りなく近い問いだった。
セシリアは一瞬だけ瞳を伏せ、
そして、微笑んだ。
「はい。
わたしも、“これからのすべて”で応えていきたい。
あなたといっしょに――迷いながらでも、歩き続けたいの」
ふたりは手を取り合い、
迷いを越えたその先へ、ゆっくりと歩き始める。
そして――物語は、静かに新たな章へと幕を開ける。
それぞれの想いが収まり、
それぞれの役割が果たされたあと――
新たな問いが、また次の一歩を照らし始める。
***
学院内では、フェルティナ=セリスが正式に視察を終え、
王都へ帰還することが発表された。
滞在期間中、彼女が残したのは、
騒ぎでも衝突でもなく――“ひとつの潔さ”だった。
「素敵なお方でしたね」
そう感想をこぼしたのは、セシリアのクラスメイトの少女。
セシリアは笑って頷く。
「ええ。
正直、わたしなんかよりずっと“完成された人”だと思ったわ。
でも、“愛される準備ができてる人”より――
“愛して、学んで、傷ついても立ち上がれる人”でいたいの」
言葉にしたその想いは、すでに“迷い”ではなかった。
そしてそれは、いつしか教室の空気にも伝わり、
彼女を見る目が“同情”から“尊敬”へと変わっていくのが、ゆっくりと感じられた。
***
一方――リリアーナ=エグレアは、温室の奥でひとり佇んでいた。
蝶はもう、飾られていない。
代わりに、芽吹いたばかりの植物が、
静かに揺れている。
「結んだ糸の先が、
ちゃんと“未来”に向いていたことが……
こんなに、満たされるものなのですね」
ぽつりとこぼした声は、もう“執着”ではなかった。
“縫う手”を休めた彼女の指は、ようやく自由になり、
“誰かのため”ではなく、“自分のために微笑む”ことを覚え始めていた。
「さて、わたくしの物語も、ひとまず幕引きですわね。
でも……“次の役柄”を探すのも、悪くありませんわ」
その背に、やさしい陽が差し込む。
かつて“影”だった少女の上に――
ようやく“光”が降りてきた瞬間だった。
***
そして夜。
アレンとセシリアは、再び並んで歩いていた。
静かな石畳。
季節の花が咲く並木道。
「セシリア。……君に訊きたいことがあるんだ」
「……なにかしら?」
アレンは一歩、彼女の前に立って振り返る。
「“恋”はもう、言葉で伝えきれないと思ってる。
だから、次は“日々で証明していきたい”。
――君と、未来を歩んでいく覚悟があるか、聞かせてくれる?」
それは、まだ“求婚”ではない。
けれど、それに限りなく近い問いだった。
セシリアは一瞬だけ瞳を伏せ、
そして、微笑んだ。
「はい。
わたしも、“これからのすべて”で応えていきたい。
あなたといっしょに――迷いながらでも、歩き続けたいの」
ふたりは手を取り合い、
迷いを越えたその先へ、ゆっくりと歩き始める。
そして――物語は、静かに新たな章へと幕を開ける。
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