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第1章
《番外編》 さぁ呑みゲーを始めましょう
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「さぁ! パーティも4人になったことだし、お祝いを兼ねて飲み会をやりましょう!」
お祝いでなくともずっと飲み会しかしてなくないか? と俺は思ったが口にはしなかった。
いつものギルドに、俺、サナ、アサ、シーナの4人は各々好きなお酒や食べ物をたくさん注文していた。
「今日はめでたい日だし、たくさん頼みましょう!」
「そうだな、また呑み勝負でもするか? サナ」
「乗った! ならとりあえずお酒は30杯は頼まないとね、待ち時間が勿体無いわ!」
「そうだな。アサとナリカズももちろん参加するだろ?」
「ああいいぜ、侍の力を見せてやるよ」
「…………参加したくねぇ」
「…………そうかナリカズも参加したいのか。ツンデレだな」
まるで大学に入ったばかりの若者のような会話だ。知ってるか? 俺含めてここにいる全員、社会人の年齢だぞ。アホすぎる。
B時間後
なんやかんや楽しいとは思ってしまう。アイツらと呑み始めてどれくらい経っただろうか。少なくとも俺はトイレに5回入って5回吐いている。
さて今も吐いてなんとか胃をリセットしたところで、机に戻ると問題が発生していた。
「…………サナさんいい加減に今日は支払ってくださいよね」
見ればギルドの受付嬢が辞書くらい分厚い紙束を持って、俺たちの机に来ていた。
あまり関わりたくないから俺は遠くからそのやりとりを聞くことにした。
「…………あーそーいえばそうだったわねー。あらわたしったら、支払うのを忘れていたわてへ」
26歳がてへするのはキツイだろ。
「またそう言って支払い何回バックれてるんですか! もうダメです今日という今日は支払ってもらいます。払わないなら…………警察に突き出します」
「なっ…………」
てへ顔していたサナは急に動きを止めて、額に汗を出していた。
「それでもいいなら払わなくてもいいですよ!」
「払う! 払うわ! だからお願い! 警察だけは勘弁して!」
一体どんなトラウマがあるのやら、彼女はなかなかに慌てていた。
その様子を分析しながら俺は思う。
うん。これはこのまま帰ろう。絶対に支払いをかけた勝負だなんだの展開が目に見える。
と俺は決めると、他のパーティメンバーにバレないようにそろりそろりとギルドから出ようとする。が。
「待ちなさいアホカズ。アンタ、この巨額な請求を置いてどこに行く気よ」
「チッ。脳筋め。こそこそ動きを速攻で察知しやがって」
「何か言ったかしら? まぁいいわ。アンタもここに座ってとりあえずこの後の作戦を考えましょう」
「嫌だよ。そもそもお前の借金だろ? お前がなんとかするのが筋だろ」
「リーダーの私に従いなさい!」
なんだこのクソアマ。はっ倒してやろうかと思ったが、俺がはっ倒されることに気づいて渋々座る。
「さてここに巨額の請求があるわけだけど、もちろん私は払えないわ」
「何を自信満々に。それにアサとシーナはなんでこれに従ってるんだよ」
「…………まぁ借金はこいつのせいだが、警察は怖いからな」
「アーシは酒友達を失いたくないだけよ。あと警察怖いし」
この世界の警察はなんなんだ。世界政府か何かか?
「それでこの請求をゼロにする方法があるわ」
「…………ほう」
「それは呑みゲーをして負けた人に全請求を負わせるの!! おっほほほほほほ」
悪徳王女の如く、高笑いするサナを俺は本気で引いた目で見た。
ダメだこいつ。ノリがFラン大学生だ!!
そして最悪なことに。
「「いいね、それ。面白そう」」
それにアグリーしちゃうアホ2人がセットでいた。
「さぁ呑みゲーを始めましょう」
呑みゲーは至ってシンプル。
環状線ゲーム。リズムに合わせてお題に合った単語を言っていくゲームだ。
シンプルだが、酔いが回っていると難しい。
「何回もやっても興醒めだからね。ここは一発勝負と行きましょう。お題はそうね……金管楽器の名前」
「…………は?」
「右拳回りで」
ちょっと待て! と俺が声をかける間も無く、サナは手拍子を始める。
右拳回り。順番はサナ→シーナ→アサ→俺だ。
てか金管楽器って何があるんだよ!
パンパン
「トランペット」
パンパン
「トロンボーン」
パンパン
「ホルン」
パンパン
「え、ちゅ、チューバ!」
なんとか一巡目はクリア。
おいもう思いつかねぇぞ。そもそも楽器なんてリコーダーと鍵盤ハーモニカしか触ったことねぇぞ俺!
パンパン
「バグル」
なにそれ?
パンパン
「アルトホルン」
それはホルンでは?
パンパン
「フリューゲルホルン」
なんだって?
あ、次俺…………。
パンパン
次の言葉なんて当然思いつかなかった。当たり前だ、トランペット言われた時点でもう負けてるわ。
だから俺は負けを分散させる手段を考えた。
この方法しかねぇ…………!!
「トランペット」
「「「は…………???」」」
俺以外の3人の思考と手拍子が止まった。
刹那、俺は立ち上がり大きな声で叫ぶ。
「トランペット! トランペット! トランペット!」
手を叩きながらサナを指差す。
「はいお前、俺に被られた!」
「はい?」
「呑みゲーやるアホなら知ってんだろ。環状線ゲームでは他の人と被ったらアウト。被った人は当然、被られた人も連帯責任で……アウト!!!」
「なっ…………アンタ……まさかわざと?!」
「元はテメェの借金だクソ野郎! 一緒に返済しようぜ! ガハハハハ!!!」
ゲームに負けて勝負に勝った瞬間だった。
お祝いでなくともずっと飲み会しかしてなくないか? と俺は思ったが口にはしなかった。
いつものギルドに、俺、サナ、アサ、シーナの4人は各々好きなお酒や食べ物をたくさん注文していた。
「今日はめでたい日だし、たくさん頼みましょう!」
「そうだな、また呑み勝負でもするか? サナ」
「乗った! ならとりあえずお酒は30杯は頼まないとね、待ち時間が勿体無いわ!」
「そうだな。アサとナリカズももちろん参加するだろ?」
「ああいいぜ、侍の力を見せてやるよ」
「…………参加したくねぇ」
「…………そうかナリカズも参加したいのか。ツンデレだな」
まるで大学に入ったばかりの若者のような会話だ。知ってるか? 俺含めてここにいる全員、社会人の年齢だぞ。アホすぎる。
B時間後
なんやかんや楽しいとは思ってしまう。アイツらと呑み始めてどれくらい経っただろうか。少なくとも俺はトイレに5回入って5回吐いている。
さて今も吐いてなんとか胃をリセットしたところで、机に戻ると問題が発生していた。
「…………サナさんいい加減に今日は支払ってくださいよね」
見ればギルドの受付嬢が辞書くらい分厚い紙束を持って、俺たちの机に来ていた。
あまり関わりたくないから俺は遠くからそのやりとりを聞くことにした。
「…………あーそーいえばそうだったわねー。あらわたしったら、支払うのを忘れていたわてへ」
26歳がてへするのはキツイだろ。
「またそう言って支払い何回バックれてるんですか! もうダメです今日という今日は支払ってもらいます。払わないなら…………警察に突き出します」
「なっ…………」
てへ顔していたサナは急に動きを止めて、額に汗を出していた。
「それでもいいなら払わなくてもいいですよ!」
「払う! 払うわ! だからお願い! 警察だけは勘弁して!」
一体どんなトラウマがあるのやら、彼女はなかなかに慌てていた。
その様子を分析しながら俺は思う。
うん。これはこのまま帰ろう。絶対に支払いをかけた勝負だなんだの展開が目に見える。
と俺は決めると、他のパーティメンバーにバレないようにそろりそろりとギルドから出ようとする。が。
「待ちなさいアホカズ。アンタ、この巨額な請求を置いてどこに行く気よ」
「チッ。脳筋め。こそこそ動きを速攻で察知しやがって」
「何か言ったかしら? まぁいいわ。アンタもここに座ってとりあえずこの後の作戦を考えましょう」
「嫌だよ。そもそもお前の借金だろ? お前がなんとかするのが筋だろ」
「リーダーの私に従いなさい!」
なんだこのクソアマ。はっ倒してやろうかと思ったが、俺がはっ倒されることに気づいて渋々座る。
「さてここに巨額の請求があるわけだけど、もちろん私は払えないわ」
「何を自信満々に。それにアサとシーナはなんでこれに従ってるんだよ」
「…………まぁ借金はこいつのせいだが、警察は怖いからな」
「アーシは酒友達を失いたくないだけよ。あと警察怖いし」
この世界の警察はなんなんだ。世界政府か何かか?
「それでこの請求をゼロにする方法があるわ」
「…………ほう」
「それは呑みゲーをして負けた人に全請求を負わせるの!! おっほほほほほほ」
悪徳王女の如く、高笑いするサナを俺は本気で引いた目で見た。
ダメだこいつ。ノリがFラン大学生だ!!
そして最悪なことに。
「「いいね、それ。面白そう」」
それにアグリーしちゃうアホ2人がセットでいた。
「さぁ呑みゲーを始めましょう」
呑みゲーは至ってシンプル。
環状線ゲーム。リズムに合わせてお題に合った単語を言っていくゲームだ。
シンプルだが、酔いが回っていると難しい。
「何回もやっても興醒めだからね。ここは一発勝負と行きましょう。お題はそうね……金管楽器の名前」
「…………は?」
「右拳回りで」
ちょっと待て! と俺が声をかける間も無く、サナは手拍子を始める。
右拳回り。順番はサナ→シーナ→アサ→俺だ。
てか金管楽器って何があるんだよ!
パンパン
「トランペット」
パンパン
「トロンボーン」
パンパン
「ホルン」
パンパン
「え、ちゅ、チューバ!」
なんとか一巡目はクリア。
おいもう思いつかねぇぞ。そもそも楽器なんてリコーダーと鍵盤ハーモニカしか触ったことねぇぞ俺!
パンパン
「バグル」
なにそれ?
パンパン
「アルトホルン」
それはホルンでは?
パンパン
「フリューゲルホルン」
なんだって?
あ、次俺…………。
パンパン
次の言葉なんて当然思いつかなかった。当たり前だ、トランペット言われた時点でもう負けてるわ。
だから俺は負けを分散させる手段を考えた。
この方法しかねぇ…………!!
「トランペット」
「「「は…………???」」」
俺以外の3人の思考と手拍子が止まった。
刹那、俺は立ち上がり大きな声で叫ぶ。
「トランペット! トランペット! トランペット!」
手を叩きながらサナを指差す。
「はいお前、俺に被られた!」
「はい?」
「呑みゲーやるアホなら知ってんだろ。環状線ゲームでは他の人と被ったらアウト。被った人は当然、被られた人も連帯責任で……アウト!!!」
「なっ…………アンタ……まさかわざと?!」
「元はテメェの借金だクソ野郎! 一緒に返済しようぜ! ガハハハハ!!!」
ゲームに負けて勝負に勝った瞬間だった。
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