秘密の多い令嬢は幸せになりたい

完菜

文字の大きさ
40 / 105
第二章 貴族としての生活

2-12

しおりを挟む
 今日は、アイリーンからお誘いを受けた。アイリーンからは、淑女教育と言うよりもコーンフォレス家に嫁ぐ花嫁の心得を教えてもらった。なんでも、アイリーンとジェラルドの婚姻は何人かの令嬢を招いて行うお見合いだったそう。両親が一方的に決めるのは良くないと判断して、両親が選んだ令嬢の中からジェラルドが自分で選んだ。しかも、両親はわりと幅広いタイプの女性を選んでいたらしい。それを聞いたキャスティナは、驚いた。侯爵家の跡取りの結婚相手を、本人に選ばせるって凄いなと。だいたい、侯爵家ともなるとそれなりの相手を親同士で話し合って決めるもので、本人の意思なんて関係ない事がほとんどだからだ。それを素直にアイリーンに告げると、アイリーンもそうでしょ?と笑っていた。

 そもそも、アイリーンはそのお見合いで自分が選ばれるなんて全く考えていなかったらしい。数合わせに呼ばれたんだろうと思ってたんだって。キャスティナは、またしても驚く。えぇぇぇぇー。こんなに素敵な令嬢が数合わせなわけないでしょうが‼とキャスティナは、心の中で叫ぶ。だって確か、お義姉様って我が国が誇る4大公爵家の一つ、グランウィル家のご令嬢なのよ。そんな方が、数合わせのわけないだろー。

 驚きを隠せないキャスティナを見て、アイリーンは笑っている。アイリーン曰く、こんなパッとしなくて美人でもなくて細くて儚くもない娘を、あの誰もが憧れるジェラルドが選ぶはずないと思ってたらしい。当時のジェラルドは、名家のコーンフォレス家の跡継ぎで見目麗しくそれはそれは人気があったんだって。それには、キャスティナもうんうんと首肯く。だが、前半のアイリーンについては全否定だ。

「アイリーンお義姉様は、素敵です。私、皆様に自慢したいくらいですのに。それにしても、ジェラルドお義兄様は流石です。やっぱり、素敵な男性は好みの女性も超一流ですね」

 キャスティナは、ジェラルドの事を改めて尊敬した。確かにアイリーンは、華やかな美人とは言えない。でも優しさが滲み出るほんわかした雰囲気の持ち主だ。体型もどちらかと言うと、ふくよかな体型だけど肌がキレイでさわり心地は最高なんじゃないかと思っている。

「まあ、キャスティナったら。聞いてる私の方が恥ずかしいわよ」

 そう言ってアイリーンは、頬を赤らめている。お義姉様が可愛い。こう言う所です。こう言う所!とニマニマしてしまうキャスティナだった。

 そして本題に話がうつる。かなり早い段階でアイリーンがジェラルドの婚約者に決まったそうだが、決まってからが大変だった。他の令嬢もまさか、アイリーンにその座を奪われると思ってなかったそうで、それから妬みや嫉妬の標的にされかなり苦労したらしい。夜会やお茶会でかなりの嫌がらせや誹謗中傷を受けたらしい。

 アイリーンは、当時はまだ若くてただの小娘だったため対応の仕方がわからずにあたふたするのみだった。それでも、ジェラルドが気付いて庇ってくれるようになってからだんだんと嫌がらせがなくなっていったそう。コーンフォレス家としても、そんな底意地の悪い家を相手にする必要ありませんとお義母様もおっしゃってくれて、コーンフォレス家関連のお茶会や夜会でアイリーンを悪く扱う家の者を招かなくしたら、コロッと態度を変えてきたらしい。

 何だそれは!っとキャスティナは、怒りを露にする。そもそも、公爵家のご令嬢に対してなんて事なの。どれだけ、みんな自分に自信があるのよ。これだから貴族令嬢ってやつは理不尽なんだと·····キャスティナは、空を仰いだ。

 でも、だからこそキャスティナは気を付けなさいとアイリーンは言う。きっとキャスティナも同じ目に合う。申し訳ないけど、子爵令嬢であるキャスティナはもっと分が悪い。だから、始めが肝心よと。何かやられたら二度とやらせないように、受けて立ちなさい。売られた喧嘩は、完膚なきほどに勝って来なさいと。私の時みたいに、何もわからない小娘でいるとどんどんエスカレートするだけだからと。

 キャスティナは、改めてアイリーンのような義姉がいて良かったと思った。こんなに毎日、幸せで大丈夫なのかと心配するぐらいだ。

「アイリーンお義姉様。私、お義姉様みたいな方の妹になれて本当に嬉しいです。ずっとずっと上の兄弟に憧れてて」

「キャスティナ。私こそ嬉しいのよ。私は、姉と兄がいるんだけど公爵家の長女と長男だからやっぱりどこか遠い存在で。別に仲が悪い訳ではないのよ。でも、仲良く遊べる妹がいたら素敵だなぁーってずっと思ってたの。だから、エヴァンが早く素敵な子を連れて来ないか楽しみにしてたのよ。なかなか連れて来ないから待ちくたびれてたわ」

 アイリーンは、くったくない笑顔で笑っている。キャスティナも、つられて笑った。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

幸せな政略結婚のススメ【本編完結】

ましろ
恋愛
「爵位と外見に群がってくる女になぞ興味は無い」 「え?だって初対面です。爵位と外見以外に貴方様を判断できるものなどございませんよ?」 家柄と顔が良過ぎて群がる女性に辟易していたユリシーズはとうとう父には勝てず、政略結婚させられることになった。 お相手は6歳年下のご令嬢。初対面でいっそのこと嫌われようと牽制したが? スペック高めの拗らせ男とマイペースな令嬢の政略結婚までの道程はいかに? ✻基本ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。 ・11/21ヒーローのタグを変更しました。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜

川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。 前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。 恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。 だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。 そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。 「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」 レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。 実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。 女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。 過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。 二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

君といるのは疲れると言われたので、婚約者を追いかけるのはやめてみました

水谷繭
恋愛
メイベル・ホワイトは目立たない平凡な少女で、美人な姉といつも比べられてきた。 求婚者の殺到する姉とは反対に、全く縁談のなかったメイベル。 そんなある日、ブラッドという美少年が婚約を持ちかけてくる。姉より自分を選んでくれたブラッドに感謝したメイベルは、彼のために何でもしようとひたすら努力する。 しかしそんな態度を重いと告げられ、君といると疲れると言われてしまう。 ショックを受けたメイベルは、ブラッドばかりの生活を改め、好きだった魔法に打ち込むために魔術院に入ることを決意するが…… ◆なろうにも掲載しています

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

【完結】灰かぶりの花嫁は、塔の中

白雨 音
恋愛
父親の再婚により、家族から小間使いとして扱われてきた、伯爵令嬢のコレット。 思いがけず結婚が決まるが、義姉クリスティナと偽る様に言われる。 愛を求めるコレットは、結婚に望みを託し、クリスティナとして夫となるアラード卿の館へ 向かうのだが、その先で、この結婚が偽りと知らされる。 アラード卿は、彼女を妻とは見ておらず、曰く付きの塔に閉じ込め、放置した。 そんな彼女を、唯一気遣ってくれたのは、自分よりも年上の義理の息子ランメルトだった___ 異世界恋愛 《完結しました》

妃殿下、私の婚約者から手を引いてくれませんか?

ハートリオ
恋愛
茶髪茶目のポッチャリ令嬢ロサ。 イケメン達を翻弄するも無自覚。 ロサには人に言えない、言いたくない秘密があってイケメンどころではないのだ。 そんなロサ、長年の婚約者が婚約を解消しようとしているらしいと聞かされ… 剣、馬車、ドレスのヨーロッパ風異世界です。 御脱字、申し訳ございません。 1話が長めだと思われるかもしれませんが会話が多いので読みやすいのではないかと思います。 楽しんでいただけたら嬉しいです。 よろしくお願いいたします。

処理中です...