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第46話
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とんでもない話だった。
しかしここで俺は、ずっと疑問に思っていたことを口にせずにはいられなかった。
「あのさ。その、お前の見た未来の映像が、本当に起こるって証拠は別にないよな? 超リアルなインチキ映像を見せられただけなのかもよ?」
「私もそう思いたいところだけど、あれは特別な魔力のこもった、特別な映像だった。たぶん、古代の偉大な予言者が作ったものね。実際に見ないとわからないでしょうけど、疑う余地のない現実感があったわ。だから未来は、絶対に映像の通りになる」
「いや、でもなあ……そう言われてもなあ……」
いまだに半信半疑の俺に、ルイーズは何も言葉を返さす、空を見上げる。
そして、ぽつりと言った。
「今から一分後。夜空を流れ星が横切るわ。それも二つ。一つは青白い光。もう一つは、うっすら赤い光よ」
いきなり何を言ってるんだ?
そう思いつつ、俺も黙って空を見上げる。
すると、きっかり一分後。
夜空を二つの流れ星が横切った。
……一つは青白い光。
もう一つは、うっすら赤い光だった。
愕然とする俺に、ルイーズは淡々と言う。
「あの隠し部屋で、断片的にだけど、これから起こる未来の映像が一気に頭に流れ込んできたの。今の流れ星も、その時見たのよ。これで、私の言ってることが真実だってわかったかしら?」
「じゃ、じゃあ本当に、未来のこと、全部分かるのか?」
「断片的にって言ったでしょ。分かるのは、世界の終わりに関することだけよ」
「でも今、流れ星のことを言い当てたじゃないか」
「あの流れ星も、世界の終わりに関係しているの。もう少ししたら、二つの流れ星は西のベルキア王国の端っこに落下するわ。そして、落下点からうじゃうじゃと新種のモンスターが出てくるの。それで、300年続いた大国ベルキアの平和はおしまい。たったの三日ほどで、皆死んでしまうのよ」
「ま、まるで見てきたみたいに言うんだな……」
「そうよ。だってさっき、映像で見せられたんだもの」
俺はもう、何も言うことができなかった。ルイーズも何も言わず、俺たちはどちらからともなくテントに入り、寝る準備に入る。
小さなテントの中。ルイーズと肩を並べて横になりながら、俺は考えをまとめていた。……しかし、あと4ヶ月で世界が終わるのに、考えをまとめて何になるのか?
これから、どうすればいいのだろう?
そんな思いが、そのまま口から出た。
「なあ、ルイーズ。これからどうする?」
しかしここで俺は、ずっと疑問に思っていたことを口にせずにはいられなかった。
「あのさ。その、お前の見た未来の映像が、本当に起こるって証拠は別にないよな? 超リアルなインチキ映像を見せられただけなのかもよ?」
「私もそう思いたいところだけど、あれは特別な魔力のこもった、特別な映像だった。たぶん、古代の偉大な予言者が作ったものね。実際に見ないとわからないでしょうけど、疑う余地のない現実感があったわ。だから未来は、絶対に映像の通りになる」
「いや、でもなあ……そう言われてもなあ……」
いまだに半信半疑の俺に、ルイーズは何も言葉を返さす、空を見上げる。
そして、ぽつりと言った。
「今から一分後。夜空を流れ星が横切るわ。それも二つ。一つは青白い光。もう一つは、うっすら赤い光よ」
いきなり何を言ってるんだ?
そう思いつつ、俺も黙って空を見上げる。
すると、きっかり一分後。
夜空を二つの流れ星が横切った。
……一つは青白い光。
もう一つは、うっすら赤い光だった。
愕然とする俺に、ルイーズは淡々と言う。
「あの隠し部屋で、断片的にだけど、これから起こる未来の映像が一気に頭に流れ込んできたの。今の流れ星も、その時見たのよ。これで、私の言ってることが真実だってわかったかしら?」
「じゃ、じゃあ本当に、未来のこと、全部分かるのか?」
「断片的にって言ったでしょ。分かるのは、世界の終わりに関することだけよ」
「でも今、流れ星のことを言い当てたじゃないか」
「あの流れ星も、世界の終わりに関係しているの。もう少ししたら、二つの流れ星は西のベルキア王国の端っこに落下するわ。そして、落下点からうじゃうじゃと新種のモンスターが出てくるの。それで、300年続いた大国ベルキアの平和はおしまい。たったの三日ほどで、皆死んでしまうのよ」
「ま、まるで見てきたみたいに言うんだな……」
「そうよ。だってさっき、映像で見せられたんだもの」
俺はもう、何も言うことができなかった。ルイーズも何も言わず、俺たちはどちらからともなくテントに入り、寝る準備に入る。
小さなテントの中。ルイーズと肩を並べて横になりながら、俺は考えをまとめていた。……しかし、あと4ヶ月で世界が終わるのに、考えをまとめて何になるのか?
これから、どうすればいいのだろう?
そんな思いが、そのまま口から出た。
「なあ、ルイーズ。これからどうする?」
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