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第14話
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というわけで、私はルフレンスのテントに滞在することになった。
そして、数日間ほどトラウゼンで過ごし、色々なことが分かった。
トラウゼンは、魔法王国イルスタンの大罪人が追放される流刑地だが、実は、現在住んでいる人間のほとんどは、直接罪を犯したわけではない。……彼らは、大罪人たちの子孫なのである。
イルスタンを追放された大罪人たちは、なんとかこのトラウゼンで生きていこうとし、結果、罪人同士で家族となり、子供を作り、そして、死んでいった。
その子供たちが、現在のトラウゼンの住民の大半だ。
悲しいことに、親が押された『呪いの刻印』の効果は、子供にも引き継がれるそうであり、彼らは生まれながらにして他国に行く自由がなく、この過酷な土地で生きていかなければならない。
あのノブとコラも、イルスタンで罪を犯したわけではなく、トラウゼン生まれのトラウゼン育ちだった。トラウゼンには、彼らのような若者がたくさんいる。生まれた時から巨大な外壁に未来を阻まれ、一生外には出て行くことができない若者たちが……
一度、ノブとゆっくり話す機会があり、私はこう尋ねた。
「ねえ、ノブ。あなた、トラウゼンの外に出てみたいって、思ったことないの?」
するとノブは、さして悩まずにこう答えた。
「別に思わねえぜ。やりたいことは何でもできるし、特に不自由はねぇ。それに、トラウゼンには家族も仲間もいるし、俺たちは信頼しあってる。だから、毎日楽しいぜ」
感心するほど単純明快な答えだった。なるほど、信頼できる人たちがそばにいて、特に不自由も感じないなら、わざわざ国を出る必要はない。しかも、彼らはすこぶるタフなので、過酷な環境や地震なんて、屁でもないのだろう。
私は、ノブたちが『呪いの刻印』によってトラウゼンに閉じ込められた虜囚のようだと憐れんでいたが、どうやら、余計なお世話だったらしい。トラウゼン生まれの彼らにとって、ここは地獄の流刑地などではなく、心落ち着くホームなのだ。
「信頼しあう家族と仲間がいる……か。お姉様とうまくいかなくて国を追放された私とは大違いね。イルスタンには、これと言って仲の良い友達もいなかったし、思えば私って孤独だわ」
ちょっとだけ自嘲気味に微笑み、小さくため息を漏らす私。
そんな私に、ノブは力強くこう言った。
「あんたは兄貴の知り合いみたいだし、もう、とっくに俺たちの仲間だぜ。喧嘩した姉ちゃんとも、いつか仲直りできるといいな」
それは、思わずじぃんとするような言葉だった。ノブは私とルフレンスの話を聞いていたから、私とお姉様が不仲であることを知っている。それで、私のことをずっと気にかけていてくれたのね。
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というわけで、私はルフレンスのテントに滞在することになった。
そして、数日間ほどトラウゼンで過ごし、色々なことが分かった。
トラウゼンは、魔法王国イルスタンの大罪人が追放される流刑地だが、実は、現在住んでいる人間のほとんどは、直接罪を犯したわけではない。……彼らは、大罪人たちの子孫なのである。
イルスタンを追放された大罪人たちは、なんとかこのトラウゼンで生きていこうとし、結果、罪人同士で家族となり、子供を作り、そして、死んでいった。
その子供たちが、現在のトラウゼンの住民の大半だ。
悲しいことに、親が押された『呪いの刻印』の効果は、子供にも引き継がれるそうであり、彼らは生まれながらにして他国に行く自由がなく、この過酷な土地で生きていかなければならない。
あのノブとコラも、イルスタンで罪を犯したわけではなく、トラウゼン生まれのトラウゼン育ちだった。トラウゼンには、彼らのような若者がたくさんいる。生まれた時から巨大な外壁に未来を阻まれ、一生外には出て行くことができない若者たちが……
一度、ノブとゆっくり話す機会があり、私はこう尋ねた。
「ねえ、ノブ。あなた、トラウゼンの外に出てみたいって、思ったことないの?」
するとノブは、さして悩まずにこう答えた。
「別に思わねえぜ。やりたいことは何でもできるし、特に不自由はねぇ。それに、トラウゼンには家族も仲間もいるし、俺たちは信頼しあってる。だから、毎日楽しいぜ」
感心するほど単純明快な答えだった。なるほど、信頼できる人たちがそばにいて、特に不自由も感じないなら、わざわざ国を出る必要はない。しかも、彼らはすこぶるタフなので、過酷な環境や地震なんて、屁でもないのだろう。
私は、ノブたちが『呪いの刻印』によってトラウゼンに閉じ込められた虜囚のようだと憐れんでいたが、どうやら、余計なお世話だったらしい。トラウゼン生まれの彼らにとって、ここは地獄の流刑地などではなく、心落ち着くホームなのだ。
「信頼しあう家族と仲間がいる……か。お姉様とうまくいかなくて国を追放された私とは大違いね。イルスタンには、これと言って仲の良い友達もいなかったし、思えば私って孤独だわ」
ちょっとだけ自嘲気味に微笑み、小さくため息を漏らす私。
そんな私に、ノブは力強くこう言った。
「あんたは兄貴の知り合いみたいだし、もう、とっくに俺たちの仲間だぜ。喧嘩した姉ちゃんとも、いつか仲直りできるといいな」
それは、思わずじぃんとするような言葉だった。ノブは私とルフレンスの話を聞いていたから、私とお姉様が不仲であることを知っている。それで、私のことをずっと気にかけていてくれたのね。
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