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第19話
しかし、互いに好き合っていることを理解していても、一歩先の関係に進むためには、ちょっとしたきっかけというか、はずみのようなものが必要である。
……その『はずみ』が、今だった。
私もルフレンスも、この機会を逃すまいとするように、想いを燃え上がらせる。そして私とルフレンスの関係は、壁をひとつ、ふたつ、みっつと、一気に超えてしまった。
その日は本当に、素晴らしい一日だった……
・
・
・
それから数日後のこと。
予想もしていなかった騒動が起こった。
トラウゼンの入り口に、大勢の人が訪れたのである。
……いや、『訪れた』というのは、ちょっと違う。彼らは好きでトラウゼンを訪れたのではなく、イルスタンから追放されて、ここに連れてこられたからだ。
驚くべきことに、追放者たちの中には、国の運営に携わっていた大臣たちがたくさんいた。……魔法王国イルスタンは、独特な政治体制の国であり、民衆の中から投票で選ばれた数名の代表者と、昔からずっと政治に携わってきた大臣たち、そして王族が協力して国を回している。
政治実務において、もっとも力を発揮しているのは、経験豊富な大臣たちであり、その大臣たちを追放してしまったら、国はまともに運営できなくなると思うのだが……
そんな私の疑問に対し、大臣の一人が回答してくれた。
「リーリエル様。イルスタンは現在、とんでもないことになっています。あなたの姉上――第一王女ランセリア様が政治の実権を握り、彼女を諫めた我々は皆、こうして追放されました。このトラウゼンには、これからも続々と追放者が送られてくるでしょう」
やっぱり、ランセリアお姉様のせいか。
私は、それほどショックは受けなかった。
この私――実の妹を、策略を用いて国外追放するくらいなのだ。血のつながりのない他人相手なら、もっとやりたい放題しても不思議ではない。
大臣はゲッソリとした顔で、『もう疲れた』と主張するように、弱々しく言葉を紡いでいく。
「少し前までは、王妃様がランセリア様の横暴を抑えてくれていましたが、王妃様は最近になって、急に体調を崩し、保養地に移られたので、もう誰もランセリア様を止められません。逆らえば追放。抵抗したところで、魔法の天才であるランセリア様にかなうはずもない……」
……その『はずみ』が、今だった。
私もルフレンスも、この機会を逃すまいとするように、想いを燃え上がらせる。そして私とルフレンスの関係は、壁をひとつ、ふたつ、みっつと、一気に超えてしまった。
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それから数日後のこと。
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トラウゼンの入り口に、大勢の人が訪れたのである。
……いや、『訪れた』というのは、ちょっと違う。彼らは好きでトラウゼンを訪れたのではなく、イルスタンから追放されて、ここに連れてこられたからだ。
驚くべきことに、追放者たちの中には、国の運営に携わっていた大臣たちがたくさんいた。……魔法王国イルスタンは、独特な政治体制の国であり、民衆の中から投票で選ばれた数名の代表者と、昔からずっと政治に携わってきた大臣たち、そして王族が協力して国を回している。
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そんな私の疑問に対し、大臣の一人が回答してくれた。
「リーリエル様。イルスタンは現在、とんでもないことになっています。あなたの姉上――第一王女ランセリア様が政治の実権を握り、彼女を諫めた我々は皆、こうして追放されました。このトラウゼンには、これからも続々と追放者が送られてくるでしょう」
やっぱり、ランセリアお姉様のせいか。
私は、それほどショックは受けなかった。
この私――実の妹を、策略を用いて国外追放するくらいなのだ。血のつながりのない他人相手なら、もっとやりたい放題しても不思議ではない。
大臣はゲッソリとした顔で、『もう疲れた』と主張するように、弱々しく言葉を紡いでいく。
「少し前までは、王妃様がランセリア様の横暴を抑えてくれていましたが、王妃様は最近になって、急に体調を崩し、保養地に移られたので、もう誰もランセリア様を止められません。逆らえば追放。抵抗したところで、魔法の天才であるランセリア様にかなうはずもない……」
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