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第113話
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「そうだったわね。あなた、戦いを挑んだ相手が致命的な大怪我をした場合は、あの奇跡の復活薬――『エルフの秘薬』を使って、傷を完璧に治してあげていたのよね」
エリスは静かに顎を引き、頷いた。
「しかし、いずれは薬もなくなります。それでもあんな無茶なことを繰り返していたら、私はそのうち、人を殺していたでしょう。あるいは、私自身が、誰かに叩きのめされ、死んでいたと思います。そうならなかったのは、すべて、お師匠様のおかげです。初めて私を倒してくれたのがお師匠様で、本当に良かった……」
さっきから、何度も『お師匠様のおかげです』と言われ、ちょっぴり照れてしまう。その照れくささをごまかすように、私は話題を変えた。
「ところで、マッギロウさんはどうするの?」
「どう、とは?」
「いや、三日後の『エルフ式魔術ボクシング』の競技大会に、出場するのかどうかってことよ。あの体格だから、マッギロウさんも、あなたに負けないくらい強いんでしょ? あなたと二人で出れば、優勝の確率がグッと上がるじゃない」
「そう……ですね。それができたら素晴らしいと思いますが、えっと、お兄ちゃんは、エルフと魔物の混血ですから、出場資格がないんです」
「えっ、混血だと駄目なの?」
「はい。チラシの、この隅っこの部分を見てください」
言われて、私は先程見たチラシの、隅の隅に書いてある、小さな文字を読む。
そこには、こう書かれていた。
『※出場資格は、エルフの里出身の、純血のエルフに限る』
私は、小さくため息を漏らし、言う。
「ケチねぇ」
「エルフ族は、どうしても純血主義的な考え方が強いですから。こういう催し物は、基本的に混血の人は出場できないんです。観客として見に行くだけなら、大丈夫でしょうけど……」
「うーむ……ケチくさいというか、あまりにも差別的だと思うけど、『血の掟』みたいに、純粋なる血族にこだわりのあるエルフ族にとっては、こういうのは、絶対にゆずれないところなのかしらね」
「それに、お兄ちゃんは、そもそも人前に出るのが好きじゃありませんから、どっちにしても、出場することはなかったと思います」
「そっか。まあ、あなた一人でも、心配いらないでしょうけどね。里に籠ってるようなエルフたちとは、何といっても、実戦経験が違うもの」
エリスは静かに顎を引き、頷いた。
「しかし、いずれは薬もなくなります。それでもあんな無茶なことを繰り返していたら、私はそのうち、人を殺していたでしょう。あるいは、私自身が、誰かに叩きのめされ、死んでいたと思います。そうならなかったのは、すべて、お師匠様のおかげです。初めて私を倒してくれたのがお師匠様で、本当に良かった……」
さっきから、何度も『お師匠様のおかげです』と言われ、ちょっぴり照れてしまう。その照れくささをごまかすように、私は話題を変えた。
「ところで、マッギロウさんはどうするの?」
「どう、とは?」
「いや、三日後の『エルフ式魔術ボクシング』の競技大会に、出場するのかどうかってことよ。あの体格だから、マッギロウさんも、あなたに負けないくらい強いんでしょ? あなたと二人で出れば、優勝の確率がグッと上がるじゃない」
「そう……ですね。それができたら素晴らしいと思いますが、えっと、お兄ちゃんは、エルフと魔物の混血ですから、出場資格がないんです」
「えっ、混血だと駄目なの?」
「はい。チラシの、この隅っこの部分を見てください」
言われて、私は先程見たチラシの、隅の隅に書いてある、小さな文字を読む。
そこには、こう書かれていた。
『※出場資格は、エルフの里出身の、純血のエルフに限る』
私は、小さくため息を漏らし、言う。
「ケチねぇ」
「エルフ族は、どうしても純血主義的な考え方が強いですから。こういう催し物は、基本的に混血の人は出場できないんです。観客として見に行くだけなら、大丈夫でしょうけど……」
「うーむ……ケチくさいというか、あまりにも差別的だと思うけど、『血の掟』みたいに、純粋なる血族にこだわりのあるエルフ族にとっては、こういうのは、絶対にゆずれないところなのかしらね」
「それに、お兄ちゃんは、そもそも人前に出るのが好きじゃありませんから、どっちにしても、出場することはなかったと思います」
「そっか。まあ、あなた一人でも、心配いらないでしょうけどね。里に籠ってるようなエルフたちとは、何といっても、実戦経験が違うもの」
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