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第二部 獣人武闘祭
第186話
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「でも、凄かったわよ、本当に。特にあの腕関節を極める技。もう少し最初の動きをスムーズにして、さらに今よりパワーをつけたら、簡単に防げる技じゃなくなるわ。さすがゾーダンクの娘さんね」
「ディーナ様……」
互いの健闘をたたえるように見つめ合う私とカズネ。
勝負を終え、緊張感が萎んだ道場内に、温かい空気が広がっていく。
それをぶち壊すように、甲高い笑い声が轟いた。
「ニャハハハハハハハハハ! 無様に負けてやがるニャ! いい気味ニャ! ちょっと寝技ができるからって、調子に乗るんじゃねーニャ! 先生がマジだったら、今頃お前の脳みそは床にぶちまけられてるニャ! ニャーッハッハッハッハ!」
完全に意識を取り戻したミャオが、絶好調といった様子で小躍りしていた。
本当に、いい性格をしている。
やはり、精神的な礼儀の部分も、これからキッチリ指導していかなければ。
私は小さくため息を吐いたが、カズネは気にした様子もなく微笑んだ。
「おっしゃる通りです。最後の剛拳……あれは、とても私に防げるものではありませんでした。ディーナ様が拳を止めてくれなければ、私は鼻ごと頭蓋を打ち砕かれ、死んでいたでしょう」
カズネは自らの整った鼻梁を指で撫でながら、言葉を続ける。
「そもそも、父はディーナ様を少しも恨んでいないというのに、浅ましくも娘の私が、勝手に敵愾心を持ち、あなたに挑みました。それも、勢い余って『その命、貰い受けます』などとほざき、恥ずかしい限りです。穴があったら入りたい気分です……」
「穴なら外にトイレ用のがあるニャ。貸してやってもいいけど、中に入るのは正直お勧めしないニャ」
「しかも、ディーナ様は私に傷ひとつつけることなく、実力の差を見せつけ、制圧しました。これほど圧倒的な敗北を味わっては、私は……私は……もう……!」
そう言ってわなわなと震えると、カズネは自らが背負ってきた大きなリュックサックに飛びつく。そして中から、武士が使うような短刀を取り出した。
「な、なんニャ、こいつ。もしかして切腹する気ニャ? おい、早まるニャ! 煽ったことは謝るニャ! いっぺん負けたくらいで死ぬことねーニャ!」
ミャオが慌ててカズネから短刀を取り上げようとするが、それよりも早くカズネは鞘から刀身を抜き、自らの親指の腹を軽く切った。そして、少しだけ溢れた血を、口紅のように唇に塗る。朱に染まった柔らかな唇は、不思議な色香を醸し出してた。
「にゃばばばば……こいつ、気が触れたニャ! ○○○○(書いちゃ駄目な言葉)ニャ!」
「ディーナ様……」
互いの健闘をたたえるように見つめ合う私とカズネ。
勝負を終え、緊張感が萎んだ道場内に、温かい空気が広がっていく。
それをぶち壊すように、甲高い笑い声が轟いた。
「ニャハハハハハハハハハ! 無様に負けてやがるニャ! いい気味ニャ! ちょっと寝技ができるからって、調子に乗るんじゃねーニャ! 先生がマジだったら、今頃お前の脳みそは床にぶちまけられてるニャ! ニャーッハッハッハッハ!」
完全に意識を取り戻したミャオが、絶好調といった様子で小躍りしていた。
本当に、いい性格をしている。
やはり、精神的な礼儀の部分も、これからキッチリ指導していかなければ。
私は小さくため息を吐いたが、カズネは気にした様子もなく微笑んだ。
「おっしゃる通りです。最後の剛拳……あれは、とても私に防げるものではありませんでした。ディーナ様が拳を止めてくれなければ、私は鼻ごと頭蓋を打ち砕かれ、死んでいたでしょう」
カズネは自らの整った鼻梁を指で撫でながら、言葉を続ける。
「そもそも、父はディーナ様を少しも恨んでいないというのに、浅ましくも娘の私が、勝手に敵愾心を持ち、あなたに挑みました。それも、勢い余って『その命、貰い受けます』などとほざき、恥ずかしい限りです。穴があったら入りたい気分です……」
「穴なら外にトイレ用のがあるニャ。貸してやってもいいけど、中に入るのは正直お勧めしないニャ」
「しかも、ディーナ様は私に傷ひとつつけることなく、実力の差を見せつけ、制圧しました。これほど圧倒的な敗北を味わっては、私は……私は……もう……!」
そう言ってわなわなと震えると、カズネは自らが背負ってきた大きなリュックサックに飛びつく。そして中から、武士が使うような短刀を取り出した。
「な、なんニャ、こいつ。もしかして切腹する気ニャ? おい、早まるニャ! 煽ったことは謝るニャ! いっぺん負けたくらいで死ぬことねーニャ!」
ミャオが慌ててカズネから短刀を取り上げようとするが、それよりも早くカズネは鞘から刀身を抜き、自らの親指の腹を軽く切った。そして、少しだけ溢れた血を、口紅のように唇に塗る。朱に染まった柔らかな唇は、不思議な色香を醸し出してた。
「にゃばばばば……こいつ、気が触れたニャ! ○○○○(書いちゃ駄目な言葉)ニャ!」
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