二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ

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第二部 獣人武闘祭

第335話(シルヴァ視点)

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 ぷるるるる。
 ぷるるるる。

 なんや。
 こんな朝はように電話かいな。

 ぷるるるる。
 ぷるるるる。

 おっとっと、これは独り言やけどな。電話っちゅうても、この世界の電話は、皆がよう知っとる電話とは、もちろん違うもんや。詳しい理屈はよう知らんけど、魔法の力を使って、音声を電気の信号に変えて、通信しとるらしいで。以上、説明終わりっ。

 ぷるるるる。
 ぷるるるる。

 はいはい、今出ますって。

 ふぁ~……ねむ。

 がちゃ。

「はい~、こちら、シルヴァ・レーンのおうち~。おたく、どなたさん? えっ、あっ、本部長! お、おはようございます」

 びっくりしたわ。
 J1グランプリ主催委員会本部長やないか。
 うちのとこに直接連絡してくるやなんて、初めてやないか?

 眠気も吹っ飛んだで。
 なんやろ、いったい。

「はい、あー、はい、へえ、えっ? それ、ほんまですか? はぁ~、足首の怪我。なるほど、なるほど。せやったら、仕方ありませんなあ。はい、はい、あ~、あはは、はいはいはい、わかりました。ほな、そういうことで。はい、お疲れさんです。失礼します~」

 がちゃ。

 びっくりしたわ。
 今日予定されとった、ハツネ・ゾーダンクと狐仮面の試合、中止やって。

 原因は、ハツネ・ゾーダンクが練習中に足首捻ったから、試合に出られへんそうや。ほんで、棄権する、と。なんや、つまらん。せっかく、ハツネ・ゾーダンクと、狐仮面――カズネ・ゾーダンクの、姉妹対決が見られる思とったのに。

 テレビの前のJ1グランプリファンもガッカリやで。兄弟とか姉妹の争いっちゅうんは、血肉沸き立つもんがあるさかいな。ほんま、ウチも直接見たかったわ。

 ……ま、やる前から、結果はわかっとるけどな。
 勝つんは、100%、狐仮面――カズネ・ゾーダンクや。

 ハツネも、まあ、強い。

 スピード、パワー、テクニック、すべてが高次元でまとまっとるし、打撃・組み技共に穴はない。せやけど、それだけや。優秀やけど、目を見張るようなものが何もない選手。それが、ハツネ・ゾーダンク。

 まあ、外見の綺麗さだけなら、今大会ナンバーワンかもな。ほんま、格闘家なんかやめて、女優さんか、モデルさんでもやったらええのに。
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