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セレナサイド 皆んなでシナリオ潰しに動きます。
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セレナサイド
「すみません、話を戻します」
スマホを一旦手元から離し、王家とのやり取りや、シルヴァン卿と婚約について話し合いを始めた。
「汚い大人の裏話の側面から見ると」
そんな事を言って仮説を説明した。
アマルファ王国の王家は今、ちょっと面倒くさい事になっている。
アマルファ王には正式な婚約者が居たが、学生の頃身分の低い女子生徒バーバラと関係を持ってしまったため彼女をザガリン侯爵の養女にし、王妃に迎えバーバラ王妃はマーカスの母親になった。
正式な婚約者だったアウロラはアマルファ王の強い要望で第二妃となり、第二王子アーロン殿下の母になった。
まるでどっかの乙女ゲームの裏設定のような状態だ。
「セシリアたんと婚約すれば後ろ盾が弱いマーカスの王位継承は確実になりますし成り上がりのバーバラ妃も王国での地位は盤石になりますね」
セレナの言葉に一同が頷く。
「でも、未来予知ではマーカス殿下はヒロインとか言う男爵令嬢の為セシリアを断罪し、幽閉するのでしょ?娘を幽閉した男の支持なんてしないわ」
ラフィーネの言葉にも皆、頷いた。
「では、セシリアたんを人質に、と考えたら如何です?殺されたくなかったら言う事を聞け、って」
「あり得るな」
ナルサスの言葉にマティウスも頷く。
ラフィーネやアレシアが青い顔でセレナを見た。
「それにウィンストン公爵家の力を削げれば、ザガリン侯爵が幅を利かせられるでしょう」
マティウスの意見にウィンストン家は戦闘態勢になったようだ。
「旦那様、シルヴァン卿が婚約を内諾されましたら、わたくし王妃に許可を、貰いに行きますわ」
「同席しよう」
ラフィーネの黒い微笑みにナルサスがいい笑顔で答えた。
美貌の夫婦の黒い笑みは背筋が寒くなるほど綺麗で、怖かった。
怖いけど味方であればどれほど心強いか。セレナは徹底的に乙女ゲームの設定を壊そうとセシリアの家族達と計画を練った。
当然だが、ナルサスが婚約の話を持っていくと、もとから乗り気だったセシリアとの婚約をシルヴァン卿はもちろん、ロードハイド侯爵家も二つ返事で承諾したのでラフィーネ達はすぐに国王との面談を取り付けた。
王宮にて
「陛下、本日はお願いに上がりました」
王宮の、アマルファ王が個人的に使う執務室でナルサス達が真面目な顔でアマルファ王に臣下の礼をとった。
「まずは座りたまえ。で、ウィンストン公爵が願いとは珍しいな」
漆黒の髪に知的な青い瞳をしたアマルファ王にラフィーネが一枚の紙を渡す。
「陛下がわたくし達の願いを叶えて下さるなら、わたくし達も陛下の切望する情報を提供致しますわ」
ラフィーネから渡された紙を読んだ途端、アマルファ王が驚いた顔でラフィーネ達を見る。
「願いとは?」
「セシリアとシルヴァン卿の婚約を王命で認めて頂きたいのです」
ラフィーネの笑みにアマルファ王が一瞬見惚れた。
「ロードハイド侯爵令息との婚約。それは願ってもない事だが。何故王命だ?」
アマルファ王が首を傾げる。
「ある方が待ったを掛けています」
ナルサスがニヤリと笑う。
「あれ程拒否したのにまだ騒いでいるのか。無様な足掻きだ。ウィンストン公爵家とロードハイド侯爵家が縁続きになれば、王家に取ってこの上もない吉報」
アマルファ王もニヤリと笑う。
「では、婚約許可書は最速で」
「無論だ。これほど喜ばしい命令は滅多にない」
アマルファ王とウィンストン公爵家の者達は和かな笑みと握手を交わした。
「すみません、話を戻します」
スマホを一旦手元から離し、王家とのやり取りや、シルヴァン卿と婚約について話し合いを始めた。
「汚い大人の裏話の側面から見ると」
そんな事を言って仮説を説明した。
アマルファ王国の王家は今、ちょっと面倒くさい事になっている。
アマルファ王には正式な婚約者が居たが、学生の頃身分の低い女子生徒バーバラと関係を持ってしまったため彼女をザガリン侯爵の養女にし、王妃に迎えバーバラ王妃はマーカスの母親になった。
正式な婚約者だったアウロラはアマルファ王の強い要望で第二妃となり、第二王子アーロン殿下の母になった。
まるでどっかの乙女ゲームの裏設定のような状態だ。
「セシリアたんと婚約すれば後ろ盾が弱いマーカスの王位継承は確実になりますし成り上がりのバーバラ妃も王国での地位は盤石になりますね」
セレナの言葉に一同が頷く。
「でも、未来予知ではマーカス殿下はヒロインとか言う男爵令嬢の為セシリアを断罪し、幽閉するのでしょ?娘を幽閉した男の支持なんてしないわ」
ラフィーネの言葉にも皆、頷いた。
「では、セシリアたんを人質に、と考えたら如何です?殺されたくなかったら言う事を聞け、って」
「あり得るな」
ナルサスの言葉にマティウスも頷く。
ラフィーネやアレシアが青い顔でセレナを見た。
「それにウィンストン公爵家の力を削げれば、ザガリン侯爵が幅を利かせられるでしょう」
マティウスの意見にウィンストン家は戦闘態勢になったようだ。
「旦那様、シルヴァン卿が婚約を内諾されましたら、わたくし王妃に許可を、貰いに行きますわ」
「同席しよう」
ラフィーネの黒い微笑みにナルサスがいい笑顔で答えた。
美貌の夫婦の黒い笑みは背筋が寒くなるほど綺麗で、怖かった。
怖いけど味方であればどれほど心強いか。セレナは徹底的に乙女ゲームの設定を壊そうとセシリアの家族達と計画を練った。
当然だが、ナルサスが婚約の話を持っていくと、もとから乗り気だったセシリアとの婚約をシルヴァン卿はもちろん、ロードハイド侯爵家も二つ返事で承諾したのでラフィーネ達はすぐに国王との面談を取り付けた。
王宮にて
「陛下、本日はお願いに上がりました」
王宮の、アマルファ王が個人的に使う執務室でナルサス達が真面目な顔でアマルファ王に臣下の礼をとった。
「まずは座りたまえ。で、ウィンストン公爵が願いとは珍しいな」
漆黒の髪に知的な青い瞳をしたアマルファ王にラフィーネが一枚の紙を渡す。
「陛下がわたくし達の願いを叶えて下さるなら、わたくし達も陛下の切望する情報を提供致しますわ」
ラフィーネから渡された紙を読んだ途端、アマルファ王が驚いた顔でラフィーネ達を見る。
「願いとは?」
「セシリアとシルヴァン卿の婚約を王命で認めて頂きたいのです」
ラフィーネの笑みにアマルファ王が一瞬見惚れた。
「ロードハイド侯爵令息との婚約。それは願ってもない事だが。何故王命だ?」
アマルファ王が首を傾げる。
「ある方が待ったを掛けています」
ナルサスがニヤリと笑う。
「あれ程拒否したのにまだ騒いでいるのか。無様な足掻きだ。ウィンストン公爵家とロードハイド侯爵家が縁続きになれば、王家に取ってこの上もない吉報」
アマルファ王もニヤリと笑う。
「では、婚約許可書は最速で」
「無論だ。これほど喜ばしい命令は滅多にない」
アマルファ王とウィンストン公爵家の者達は和かな笑みと握手を交わした。
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