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セレナ最強説
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「貴様、俺のセシリアに触るな。セシリアは俺の事が好きで……」
バースが抜け、意識を取り戻したマーカスの耳障りな声に眉を顰め、反論しようと顔だけを向けたシルヴァンの横をセレナがスタスタと抜ける。
「はあ?なに寝言言ってんの。どうやったら自分の大切な物を捨てたり、突き飛ばしたり暴言吐きまくる奴を好きになんのよ。巫山戯るな」
見たことの無いセレナに目を丸くしているが、バースを強制的に抜かれ腰が抜けているマーカスの胸ぐらを掴み、セレナは渾身の力を込め、拳でマーカスを殴った。
見事にヒットしたのか、バキッと鈍い音がした。
「いい音がしたな」
「ひび、入ってるね」
「そうだな。セシリア様は武芸の達人だからな」
「だから私達が居るのに」
武芸の達人は弱者には手を出さない。だからと言って愚か者達がセレナに手加減をするはずもないのでセレナを加害者にしない為、護衛としてアリスと蓮が側にいるのだ。
蓮とアリスが顔を見合わせ、肩を落としている。
そんな2人にお構い無しのセレナはぐいっとマーカスの胸ぐらを掴み直した。
「それともアンタはこうやって殴られたり詰られて興奮すんの?」
もう一発殴りそうなセレナの過激な言動にシルヴァンは少し目を見開いたが、蓮とアリスは額に手を当てハーッとため息を吐き出した。
バースを封じたガラス玉を持つラインもはっきりは見えないが、驚いている様にセレナを見ている。
「だいたい、アンタなにもん?」
「貴様……。俺はこの国の第一王子で……」
セレナの馬鹿にした顔に噛み付く様にマーカスは怒鳴っているが、セレナ達の態度は冷ややかだ。
「馬鹿なの?嫌がる女の子を無理矢理拐う王子なんて、変質者?このど変態」
激昂してて乱暴な言葉を使う者はいるが、セレナは冷静な顔でマーカスを罵倒している。
「う、うるさい。セシリアは俺に惚れてて一緒に来ると言ったんだ」
無理矢理サマーパーティーの会場から拐った事も忘れたのか、マーカスはセシリアが自分の意思で一緒に来た、と叫んだ。
「ありえない。セシリアさんは貴方になんか何の感情もない、って言ってたわ」
呆れ顔のアリスがはー、っとため息を吐きながら一歩前に出た。
「確かに。セシリア様は全く貴方に対しては無関心でした」
蓮もアリスの横に立ち、呆れた様にマーカスを見下ろした。
「知ってる?好きの反対は嫌いじゃないの。好きの反対は無関心なの。嫌いって言っててもそれは関心がある事だけど、セシリアたんはアンタなんかかけらも興味が無いのよ」
セレナが鼻で笑いながらマーカスに顔を近づけ、冷ややかに言う。
「嘘だ。セシリアはあの裏庭で俺の婚約者になりたいと泣いて言ってた」
記憶の改ざんにセレナの拳にまた力が入った。
「はあ?そんな事私が言うわけないじゃん」
「お前なんか関係ない」
「残念でした。あん時、裏庭に居たのは私で、あくび噛み殺してたのよ」
「えっ?」
セレナをマーカスが戸惑いながら見た。
「ラインの依頼でずっとセシリアたんと入れ替わってたの。だからあん時あの裏庭に居たのは私」
そう言われても、全く似ていない容姿のセレナとセシリア。
すんなり信じる事など出来る訳がない。
「アンタのハンカチ、借りなくて良かったわ。欠伸の涙でもアンタのハンカチにセシリアたんの涙、残したくなかったから、ね。もったいない」
セレナが言ったことは、セシリアとマーカス以外知らない事。
「お、お前が……」
「こんなど変態。セシリアたんが好きになるはずないわ」
愕然とするマーカスの胸ぐらから手を離し、セレナは乱れた髪をサラッと背中に戻した。
バースが抜け、意識を取り戻したマーカスの耳障りな声に眉を顰め、反論しようと顔だけを向けたシルヴァンの横をセレナがスタスタと抜ける。
「はあ?なに寝言言ってんの。どうやったら自分の大切な物を捨てたり、突き飛ばしたり暴言吐きまくる奴を好きになんのよ。巫山戯るな」
見たことの無いセレナに目を丸くしているが、バースを強制的に抜かれ腰が抜けているマーカスの胸ぐらを掴み、セレナは渾身の力を込め、拳でマーカスを殴った。
見事にヒットしたのか、バキッと鈍い音がした。
「いい音がしたな」
「ひび、入ってるね」
「そうだな。セシリア様は武芸の達人だからな」
「だから私達が居るのに」
武芸の達人は弱者には手を出さない。だからと言って愚か者達がセレナに手加減をするはずもないのでセレナを加害者にしない為、護衛としてアリスと蓮が側にいるのだ。
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「それともアンタはこうやって殴られたり詰られて興奮すんの?」
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バースを封じたガラス玉を持つラインもはっきりは見えないが、驚いている様にセレナを見ている。
「だいたい、アンタなにもん?」
「貴様……。俺はこの国の第一王子で……」
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激昂してて乱暴な言葉を使う者はいるが、セレナは冷静な顔でマーカスを罵倒している。
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呆れ顔のアリスがはー、っとため息を吐きながら一歩前に出た。
「確かに。セシリア様は全く貴方に対しては無関心でした」
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「知ってる?好きの反対は嫌いじゃないの。好きの反対は無関心なの。嫌いって言っててもそれは関心がある事だけど、セシリアたんはアンタなんかかけらも興味が無いのよ」
セレナが鼻で笑いながらマーカスに顔を近づけ、冷ややかに言う。
「嘘だ。セシリアはあの裏庭で俺の婚約者になりたいと泣いて言ってた」
記憶の改ざんにセレナの拳にまた力が入った。
「はあ?そんな事私が言うわけないじゃん」
「お前なんか関係ない」
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