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胡散臭いが魅惑的な笑顔。
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シルヴィーは約束した通りイザベルのお茶会にウィリアムを連れてきた。
周りが第一王子のウィリアムの突然の訪問にざわついているが、全く気にもせずパライバトルマリンのような淡い青緑色の瞳とブルートルマリンの様な髪の美少女にウィリアムは内心物凄く歓喜しているが、表面上は貴公子然の笑顔でイザベルに微笑み掛けている。
シルヴィーの目が胡散臭い、と言いたげだが此処が肝心。
ウィリアムは誠実そうな顔で、真っ赤になっているイザベルに話し掛けた。
「トルマリン侯爵令嬢、無理を言って申し訳ない。ロードライト伯爵令嬢から貴女の話を聞き、是非会いたくなって……」
「いっ、いえ。ウィリアム第一王子殿下にお目に掛かれ、光栄です」
高位貴族であっても、社交会デビューもしていない令嬢が王族に会うのは本当に稀な事だ。
しかも、この国では高位貴族の令嬢、令息は幼い頃に婚約者を決める事もあるが、現国王は政略結婚であろうと、親が決める幼すぎる者たちの婚約は後の面倒が多い為、あまり認めていない。
その為、第一王子であるウィリアムもまだ婚約者候補さえ選んでいなかった。
初めて見るウィリアムの美貌の前に茹で上がる寸前のイザベルをシルヴィーは申し訳なさそうな顔で見ているが、ウィリアムのキラキラ笑顔を止める気は無さそうだ。
「差し出がましいとは思いますが、殿下が何故シルヴィーと……」
顔は茹でダコでも頭は良いようだ。
ウィリアムはシルヴィーにさり気なく目配せをし、胡散臭い(シルヴィー談)笑顔で掻い摘んで話した。
「ロードライト伯爵令嬢が画期的なアイテムを作ってくれたお陰で勇者や冒険者の負担を減らせそうだったから、ね」
「画期的なアイテム?」
首を少し傾ける仕草が可愛い。
にやけそうになるウィリアムを睨み、シルヴィーはさり気なく右手を振った。
「魅了魔法と服従魔法のアイテムです。我が家のおバカさん達とのやり取りで生まれたものです」
会話はシルヴィーの魔法で外部に漏れないようにされているからかなりあからさまな事も話せる。
「まさか、どなた様が……」
「もう、全て解決したので問題はありません」
もしもの為にイザベルは直接的な事は口にしないが、状況は理解したようだ。
「だから先日から煩い女達がロードライト家の裏門で喚いている、とメイド達が噂してたのね」
イザベルの話は本当だ。
あのおバカさん達は追い出されてからもうちの裏門で中に入れろ、と喚いている。
なんで正面じゃ無いのか、と言うと正面は既にお父様の部下の警備隊がガッチリガードしていて、強行突破などして騒げば即刻牢屋行きになるからだ。
まぁ、裏門にも配備されるのは時間の問題だけどね。
「シルヴィー、手配しようか?」
仲間に対しての気安さが出たのか、ウィリアムはあっさりとシルヴィーを呼び捨てにしている。
「ありがとうございます。ですが、既にお父様が手配してますので大丈夫です」
「落ちぶれた男爵家の出戻りじゃあ次は無いだろうからね」
「お父様に取り入ろうと男爵家の当主も自分たちの為に必死だったのでしょう」
でなきゃあんな高価なアイテムを買う訳が無い。
「シルヴィー、本当に大丈夫?」
「イザベルに心労を与えるなんて、愚か過ぎる」
一瞬、ウィリアムの顔に黒いものが走ったが幸い、シルヴィーの事を心配しているイザベルは気が付かなかった。
だが、シルヴィー同様、呼び捨てで話しかけられてイザベルが顔を赤くした。
「申し訳ない。シルヴィーが貴女のことをそう呼んでいたので」
謝っている様に見せて、距離を詰めてくるところは立派な策士だ。
「私のことよりシルヴィーの方が心配です。ですが、ご心配いただき、ありがとうございます」
綺麗な青緑色の瞳に笑みの色が広がる。
天使の笑顔だなぁ、と2人がほんわか笑ったが、おバカさん達本人と男爵家が潰されるのは決定したようだ。
周りが第一王子のウィリアムの突然の訪問にざわついているが、全く気にもせずパライバトルマリンのような淡い青緑色の瞳とブルートルマリンの様な髪の美少女にウィリアムは内心物凄く歓喜しているが、表面上は貴公子然の笑顔でイザベルに微笑み掛けている。
シルヴィーの目が胡散臭い、と言いたげだが此処が肝心。
ウィリアムは誠実そうな顔で、真っ赤になっているイザベルに話し掛けた。
「トルマリン侯爵令嬢、無理を言って申し訳ない。ロードライト伯爵令嬢から貴女の話を聞き、是非会いたくなって……」
「いっ、いえ。ウィリアム第一王子殿下にお目に掛かれ、光栄です」
高位貴族であっても、社交会デビューもしていない令嬢が王族に会うのは本当に稀な事だ。
しかも、この国では高位貴族の令嬢、令息は幼い頃に婚約者を決める事もあるが、現国王は政略結婚であろうと、親が決める幼すぎる者たちの婚約は後の面倒が多い為、あまり認めていない。
その為、第一王子であるウィリアムもまだ婚約者候補さえ選んでいなかった。
初めて見るウィリアムの美貌の前に茹で上がる寸前のイザベルをシルヴィーは申し訳なさそうな顔で見ているが、ウィリアムのキラキラ笑顔を止める気は無さそうだ。
「差し出がましいとは思いますが、殿下が何故シルヴィーと……」
顔は茹でダコでも頭は良いようだ。
ウィリアムはシルヴィーにさり気なく目配せをし、胡散臭い(シルヴィー談)笑顔で掻い摘んで話した。
「ロードライト伯爵令嬢が画期的なアイテムを作ってくれたお陰で勇者や冒険者の負担を減らせそうだったから、ね」
「画期的なアイテム?」
首を少し傾ける仕草が可愛い。
にやけそうになるウィリアムを睨み、シルヴィーはさり気なく右手を振った。
「魅了魔法と服従魔法のアイテムです。我が家のおバカさん達とのやり取りで生まれたものです」
会話はシルヴィーの魔法で外部に漏れないようにされているからかなりあからさまな事も話せる。
「まさか、どなた様が……」
「もう、全て解決したので問題はありません」
もしもの為にイザベルは直接的な事は口にしないが、状況は理解したようだ。
「だから先日から煩い女達がロードライト家の裏門で喚いている、とメイド達が噂してたのね」
イザベルの話は本当だ。
あのおバカさん達は追い出されてからもうちの裏門で中に入れろ、と喚いている。
なんで正面じゃ無いのか、と言うと正面は既にお父様の部下の警備隊がガッチリガードしていて、強行突破などして騒げば即刻牢屋行きになるからだ。
まぁ、裏門にも配備されるのは時間の問題だけどね。
「シルヴィー、手配しようか?」
仲間に対しての気安さが出たのか、ウィリアムはあっさりとシルヴィーを呼び捨てにしている。
「ありがとうございます。ですが、既にお父様が手配してますので大丈夫です」
「落ちぶれた男爵家の出戻りじゃあ次は無いだろうからね」
「お父様に取り入ろうと男爵家の当主も自分たちの為に必死だったのでしょう」
でなきゃあんな高価なアイテムを買う訳が無い。
「シルヴィー、本当に大丈夫?」
「イザベルに心労を与えるなんて、愚か過ぎる」
一瞬、ウィリアムの顔に黒いものが走ったが幸い、シルヴィーの事を心配しているイザベルは気が付かなかった。
だが、シルヴィー同様、呼び捨てで話しかけられてイザベルが顔を赤くした。
「申し訳ない。シルヴィーが貴女のことをそう呼んでいたので」
謝っている様に見せて、距離を詰めてくるところは立派な策士だ。
「私のことよりシルヴィーの方が心配です。ですが、ご心配いただき、ありがとうございます」
綺麗な青緑色の瞳に笑みの色が広がる。
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