[完結]18禁乙女ゲームのモブに転生したら逆ハーのフラグを折ってくれと頼まれた。了解ですが、溺愛は望んでません。

紅月

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調査開始です。

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次の日には優秀な執事のダドリーがユーノと連絡を取り、怨霊の出現場所を特定して来た。

以前の様に、出現場所はまちまちで、統一性はなかったが洞窟や森では無かった。

「今回は市井と下級貴族街がほとんどですね」
「騎士団の報告もほぼ同じだ」
「イザベル、何か感じる?」

イザベルの魔力は、他人の魔力を感じ取ることに長けている。

「直接触れてみないと読みきれないけど、街に行く事は可能かしら?」
「イザベルとウィリアムを市井に向かわせるのは、警備上難しいけど、貴族街なら大丈夫だと思います」
「行った方が早いだろうし、正確な情報が得られるだろう」
「では、貴族街の方はお二人に任せますのでよろしく」

そう言って、授業の後ウィリアムとイザベルは貴族街へ、シルヴィーはダドリーと市井の出現場所に向かった。


市井の怨霊が出た場所は、少し寂れた商店が並ぶ所で、活気がない。

「此処なら出てもおかしくない気がする」

シルヴィーが嫌だなぁ、と言う顔で辺りを見回している。

「此処は違法性の高い商売をしている店が多いので、油断は禁物です」

ダドリーの言葉に頷きながらシルヴィーが路地裏に目を向けると、視界の端に小さな魔獣の子供が見えた。

「ダドリー、あれ」

シルヴィーが視線だけでダドリーに魔獣の子供を教えると、ダドリーがさりげなく目眩しの魔法を掛け、2人はゆっくりと近づいてみた。

路地の隅に、紺色の金魚のような魔獣が黒い鎖で雁字搦めになっている。
拾い上げ、シルヴィーは泣きそうになった。
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