神聖なる悪魔の子

らび

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28. 真実の鎖

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 「どうかなさいました?」
少女は穏やかに微笑みかけてくる。私が名を呼んだことで彼がカインであり、侵入者や不審者ではないとわかったのか、この上なく落ち着いている様子である。
「あっ、その…あなたは、」
「誘拐されたという娘さんでは?」
しどろもどろの私の代わりにカインが単刀直入に切り出す。少しの沈黙を置いて、少女は口元の笑みを崩すことなく告げた。
「そうですが、何か?」
あっさりと。
「君、帰らなくていいのかい?それとも、この屋敷に閉じ込められているのかい?」
「いいえ、そんなことはありません」
「じゃあらなぜ、」
「いたいた、もう見つけちゃったんだ~」
エウローペーを問い詰めるカインの言葉を遮るようにしてゼウスが部屋に入ってくる。
 すると、カインは私とエウローペーを隠すように立ちはだかる。飄々としているゼウスに比べて、カインは触れただけでヒビの入りそうな張り詰めた空気を滲み出していた。妙な緊張感が部屋を覆い、私は行く末を見守るしかなかった。
「まったく、カイン。お前は相変わらず警戒心が強い。まるで猫みたいだ。」
「…お前、この少女を誘拐したのか?」
「あぁ、エウローペー?うーん、まぁ、そんなところ。でも無理矢理じゃあないよ?」
「だとしてもっ!」
「だってさぁ、その子は別に監禁してる訳じゃないし、出たければここを出てもいいって言ってある。彼女は好きでここにいるんだよ?」
「だが、ノアを攫ったことも含めてお前は立派な犯罪者だ」
「うーん、なんて言ったらいいんだろう?俺の能力っていうかなぁ…ざっくり言うと、女の子連れてくれば勝手に惚れてくれるんだよ。」
「…はい?」
「最初こそ、言葉巧みに連れてきたわけだけど、連れてきて【お茶】を交わしただけだよ。」
「薬か。」
「まぁね。」
「!!」
威嚇するように言葉を連ねてきたカインが喉を鳴らす。そして、背後にいる私に片手を回してきた。その手は器用に私を引き寄せ、されるがままに傍らに寄る。
「そんなに驚くことじゃないよ。君のお姉さんと同じように、俺も薬を扱う機会が多かったんでね。いろいろ試していたのさ。別に、違法ドラッグではない…はず。なんせ、俺が1から手作りしてるからねぇ。」
「…まさか、」
「うん、君の溺愛するその子にも、少しばかり投与してみたよ。残念ながら、結果は出ていないけどね。…まだ。」
「ふざけるな」
「ふざけてないよ。まったく、初めて聞いたような目をするけどね、この御時世、媚薬でも催淫役でも、惚れ薬なんてものはいくらでもある。それこそ、誰にでも作れるくらい簡単に手に入る。でも、俺はちょっと器用だから、作り方を凝らしてみたのさ。」
パチン、と軽く指を鳴らしてみせるゼウス。少しからかったような笑みを浮かべて、弾いた指先をこちらに向けた。
 何事かとそれから目を離せないでいると、まるで貧血のようにくらりと視界が揺れた。
「ふ、」
「ノア?」
意味もない音が息とともに口から漏れてゆく。自分の意識と身体が別々に離れてしまうような感覚だった。
「あ…は、…くっ、」
自分の声が少し遠く聞こえ、誰か別の人の声を聞いているようだった。しっかりと立っているはずなのに、感覚的にはベッドに横たわっているような、そんな不安定な状態に無意識に恐怖を覚えた。
「…だめだ、」
がっくりと、四肢から力が抜ける。地面にぶつかる前に、カインが支えてくれたらしい。だが、触れられているだろう事は予測的にわかるのに、触られている感触が身体中どこにもない。気がつけば、全身が炭酸風呂に入ったようにピリピリと痺れている。
「あちゃぁ、失敗か。やっぱり呪われた異端児って体の構造が違うのかなぁ?」
「失敗?何の話だ!何を投与したんだ!?」
「うん?ヒュギエイアの杯。杯の中身は水か薬って言われてるんだけど…ブルードの一族に、ヒュギエイアのら魂を持つ娘がいるのを知っているかい?まぁ、彼女は旅をして暮らしてるから今どこにいるかも知らないんだけど…一ヶ月くらい前に、彼女に呪いの杯をもらったんだよ。それで作った薬が一昨日完成したから。ちょっと飲ませてみた。」
ゼウスは、脱力しきった私の方に歩み寄ってきた。そして、低いところにいる私の顔をのぞき込んで首筋に触れて、言った。
「…毒になった、かも?」

 次の瞬間、刹那。銀色の毛を靡かせる大きな狼がゼウスを組み敷いていた。その白く鋭い牙は、今にも彼の首筋を引き裂こうとしていて、赤い舌が生々しく覗いていた。その鋭い爪は、ぎりぎりと音を立てて胸にくい込み、今にも肉を引き裂こうとしていた。押さえつけられたことでゼウスの顔が歪み、その狼の言葉が軽々しい冗談などではないことを全身で物語っていた。
『解毒剤はどこだ。早く答えねば、我が右の首と同じくお前の首が飛ぶと思え』
低く地を鳴らすような声に、私は聞き覚えがある気がした。しかし、このような狼を私は見たことがない。というか、この世にこんな生き物が存在していたことに驚きを隠せないでいることも事実だった。
「オルトロスか」
『質問に答えろ』
「解毒剤ねぇ…あるにはあるけど、今回の薬は特殊だから効くかどうかは、」
『偽りは無いな?』
「無いよ。エウローペー、解毒剤の一番強いのをもってこい」
ゼウスが命じると、今まで存在をわすれさせるほどおとなしくしていたエウローペーが部屋から駆け出していった。その間も、私は首の向きすら変えられずに床に横たわっていた。
(オルトロス…どこかで聞いたことがある名前。でも、どこだったかな)
数秒後、一分もかからずに彼女は瓶を片手に戻ってきた。それを、未だに押さえつけられているゼウスに見せる。
「うん、間違いないね。ノア様に飲ませなさい。」
「はい」
彼女は屈んで私の頭をだき抱えると、瓶のふたを取って私の口に液体を注いだ。無味無臭のそれは、ドロドロとした感触を伴って喉を伝っていく。不思議と噎せ返ることもなく。やがて、全身の痺れが弱まっていき、手足の感覚が元に戻ってくる。30秒もかからなかっただろう。いつの間にか目に貯めていた涙を一筋の粒として頬に流すと、朦朧としていた意識がはっきりした。
…………………………………………はっきりした。
「えっ、カイン!?」
銀色の毛を靡かせ、真紅色の瞳を鋭く燃やしている大きな狼。首の付け根の右側には大きな傷跡があって、でもその眼差しは優しいカインそのものだった。鼻にしわを寄せていた表情が和らぎ、ゼウスの上に乗せてあった前足を退ける。すると、まるで花びらを散らす桜のように、シャラシャラと音を立てて狼の姿が崩れていった。そして、瞬きをするくらいの間で、いつもの彼の姿に戻っていた。
「とうとうバレちゃったか。驚いた?ノア。」
「えっ、…え?」
私は夢でも見ているのだろうか。人間が、動物に姿を変えるなどファンタジーの世界の話でしか聞いたことがない。それなのに、今、目の前で、痛みを感じられるこの世界、現実でその事象は起こったのだ。
「まぁ、詳しい事は後で話すからさ。」
屈みこんで私のことを立たせると、私の顔をしたからのぞき込んで両手をとったカイン。ニコッと笑って見せて、でもその反面、私は無性に泣きたくなった。
「ほらほら、そんな顔しないで。話つけて帰ろう?」
「うん」
何がという訳では無いが、怖くてたまらないのだった。もう何も見たくないし、聞きたくない。そんな感情を押し隠すように、しゃがんだままの彼の右の肩口に顔を埋めた。無意識に震えていたことに彼は気づいていたのかそうでないのか、そのまま軽く抱き上げられる。
「大丈夫、大丈夫」
いつかと同じ言葉をかけられる。何年経っても、変わらないのだろう…彼も、私も。
「さて、そんなわけで、ゆっくりしていられないんだよ。こちらの要件だけ伝えるから、うまく飲み下してくれるかな?ゼウス」
「なんだよ、お前。捨てられそうになったのに、レアの方を持つのか?」
「…」
一瞬、カインの表情から余裕が失われた気がした。核心を突かれたような、苦虫を噛み潰したようなその面持ちを、私は見逃すことが出来なくて。
「どういうこと、カイン」
「いや、きにするな」
至極小さな声で会話していたのに、静かな部屋の中ではそれさえも反響して全てのものに音を届けてしまう。
「あれ~?カイン。俺のところに来るつもりでいたくせに、話してないの~?」
「うるさい、そんなことは関係ないだろう」
「ないわけ無いじゃ~ん?君の数少ない地雷なんだからさぁ、ノアちゃんが間違って踏んじゃう前に教えてあげなきゃ。」
先程までの劣勢を覆して調子を取り戻してきたゼウスが、ヘラヘラと相手を苛立たせるような態度で言葉を紡ぐ。
 カインの、地雷。そんなことは何も聞いていないし、彼だってほんの少しもそのことを匂わせていない。追い詰められている状況の彼を見守るしかできない中、重苦しい沈黙が私たちを取り巻く。
「…そうだね。話しておくべきだったかもしれない。でも、話したところで単なる思い出話にしかならない。俺が自分で覚えていたことではないから、どこで捏造された話かもわからないし。」
張り詰めた空気が和らぎ、ふっと息をついて彼が私を横目に見る。そして、御伽噺を語るような体で重かった口を開いた。
「まぁ、お察しのとおりさ。俺は、生まれてすぐに捨てられそうになったことがある。…レア様に。」
「えっ…」
「神話のとおりなら、捨てられるのはゼウスだった。でも、子供を無差別に殺していたクロノス様から子供を守るためには、代わりを飲み込ませるしかなかったんだ。当時の女神は石を飲ませたんだけどね、現代ではそううまくは行かないよ。だから、生贄が必要だった。それが俺だったのさ。でも結局バレて、ゼウスをこうして遠くに逃がすしかなくなったんだけどね。」
「じゃあ、恨んでるんじゃないの?」
「恨みがなかったとは言わないよ。でも、それは俺がまだ言葉を持たない赤ん坊の頃だよ?それに、後になって聞かされた話にそこまで腹を立てられるほど器用じゃない。」
なんでもない、というように小さく微笑む。しかし、幾度となく見てきたその笑顔には沢山の本心が隠れているのだろうと思うと温かみは感じられない。一体いくつの感情を押し殺してきたというの?
「それだけさ。隠すほどのことじゃなかったけど、君は優しいから心を痛めるだろう?だから気負いさせたくなかったんだよ。…ほら、話は済んだぞ。ゼウス、俺達の要件は一つだ。どんな手段を使ったか知らないが、クロノス様に果し状を送り付けたそうじゃないか。それを今すぐ取り消せ。実の両親をその手で殺すなんて間違っている。今は神話の時代じゃないんだ、つまらない家庭内争いなど今すぐにやめろ」
カインの淡々とした言葉に、ゼウスはつまらなそうに舌打ちすると、私たちの方を睨みつけた。
「お前には関係ないだろう。別に殺すことが目的じゃない、一族の長の座を奪えればそれでいいんだよ。神話が、そうしろっていうんだよ…俺の魂が、何度もそう呼びかけてきやがるんだ…!」
強気だったのが一変、彼は一言ずつ言葉を重ねるごとに頭を抱え、苦悩を顕にしていった。
「お前らは無いのかよ!?自分の意思に逆らってなにかに引き寄せられるんだ…」
遂には涙さえも流しながら彼は訴える。私たちはそれを哀れとさえ思い始めてしまう。もしこれが本心からの叫びならば、こんなに怖いことは無い。
「もう耐えられねぇんだよ。抑えるには従わなければならない。だから親父を下ろさなければならないんだ。そこに血が流れたとしても、だ。出なきゃこっちが壊れちまうよ」
いつの間にか彼に寄り添っていたエウローペーが肩に手を置いた。少女なりの気遣いだろうか、馴れ馴れしいなどと跳ね除けられることを恐れはしない。
 開け放たれたままの窓からは、鴉の鳴き声だけが響いている。窓の外が暗い、と思うと、明かりのない部屋の中もかなり暗いことに気づいた。しかし、ものを見るのに差し支えがないのは何故だろう。
 ねぇ、と声をかけようとしてカインの顔を見ると、双眸が紅色に静かに燃えていた。
「えっ」
「うん?」
「…いいぇ」
一瞬、何故だろうと考えてしまったが、先程の情景を目にした以上、何が起きてもおかしくないのだと悟る。
「俺たちには、そんな体験はない。お前は魂に執着しすぎなんだ、ゼウス。お前の体はお前のものだろう?宗教も度がすぎれば狂気になりかねない、程よく信仰されるからこそ人々の心に安らぎを生むんだ。」
カインは私を、赤ん坊をあやすように少し揺すった。
「深い愛情と子育ては紙一重だね、ノア。」
「…え?」
抱きしめるようにして私の胸元に顔をうずめるカイン。彼の前髪が鎖骨に触れてくすぐったい。
「じゃあ、僕はどうすればよかったんだよ」
不意に、枯れかけた声を掠れさせながらゼウスがつぶやく。薄闇の中で彼は力無く佇んでいた。
「『よかった』?それは甘えだね、まったく。義弟に教えられて、恥やプライドを捨てた君はさっきまでとは別人のようだね。でもまぁ、俺にわかる範囲で答えを提供するとしたら」
可愛がっているペットの猫でも扱うように私の頬にカインが自らの頬を寄せた。その一つ一つの行動が、私の全身を探って傷がないか確認しているように思えたのは気のせいだろうか?
「公私を分けろってことかな。どんな魂が入っていようと、第三者から見れば俺もお前もただの人間なんだよ。話しかけられる?断ればいいじゃんか。お前が話に乗って付き合ってやる必要は無いんだ。」
少し挑戦的な彼の口調は、あまり聞き慣れたものではなかった。控えめな性格だと思っていたので、だれかの前でこんなに饒舌に語っているのを見るのも初めてだ。
「そうか…そうかよ。僕は…ハハッ、でもよ、やっぱりどうしようもないんだ。殺しはしない。ただ、争うくらいはいいだろう?こっちは生まれてこの方育児放棄されたも同然なんだ。家柄がなんだ、身分がなんだ。僕が息子として父親を一発殴って単純に親子喧嘩をしようと勝手だよな」
「まぁ、いいんじゃないのか。分かってるじゃないか、無力ぶりやがって。」
「お前だけには言われたくねぇっつーの、カイン」
頭に手を当てて照れたように笑ったゼウスは、目の前のエウローペーの髪をふわふわと撫でてから、部屋の扉まで向かって行った。そして、静かに扉を開けると、ゆるりとこちらを振り向いて言った。
「今回は素直に感謝しとくよ。彼女も帰りたいと言われれば返すさ。でも、実はこいつもワケありなんだよ。親から虐待受けてたんだ、世間には一言もそんなこと漏らさずにな。笑えるだろう?今朝の新聞なんて、見たか?『早く愛しい娘が見つかればいいわ』なんて。どうせ建前なんだ。似たような境遇の一族の端くれを、放置できなかったんだ。誘拐っていう汚名を僕がかぶるだけなら安いもんだ。だから連れてきた。」
ゆっくりと丁寧に言葉を紡ぐようにゼウスは言った。その間、エウローペーはずっと俯いたまま顔をあげることは無かった。
「泊まっていけよ。散々仕掛けておいてなんだけど、なんか戦意喪失しちゃったっていうか…もう、お前達になにかする気にはなれない。せめてもの詫びだけど、宿替わりくらいにはなるだろう。この部屋は空き部屋なんでね。綺麗にはしてあるから好きに使え。」
「えっと、ありがとうございます…ゼウスさん?」
「よせよせ。俺はお前の実の兄だってのにこの有様だ。当主のお前とは雲泥の差だ。改まる必要なんてない」
そうだ。彼は私の実兄に値するのだ。生まれて初めて出会って実感はないけれど、私のことを彼は知っているのだろうか?
「お兄ちゃん…」
「まぁな。」
彼はそう言い残すと部屋を去ろうとした。そして再び、出しかけたその足を留める。そして、ゆるりと手を伸ばして俯いたままの少女の手を取った。
 今度こそ本当に部屋を出ていく。扉が閉まると、部屋には沈黙と夜の帳だけが降りる。
 神聖な夜は、どこまでも黒くて美しい。思いのほか疲れきっている自分に気がついた時には私はもう眠っていたようで、扉が閉められたあとの記憶は何も残らなかった。

●●●

 おお、可愛い子。
 ゆるりゆるりと歌っておくれ。
 鳥のさえずりをかき消さないよう
 優しく優しく口ずさんで。

 あの子達が近くに来ている。そろそろ声をかけてみようかしら?でも、まだ聖夜は訪れていないまま。去年は少女の方が眠姫だったから諦めたけれど、今年こそはほころびを紡がなくては。
 おいで、私の愛しい双子。例え同じ腹から生まれなくても、お前達は運命共同体、全ての母たる私の子なんだもの。

 またいつか、私の腕の中で、膝の上で、お眠りなさい。
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