神聖なる悪魔の子

らび

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31. 花の舞う楽園とは

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 カインside

 薄く目を開けると、見慣れた天井が視界に入った。部屋の中は薄暗く、冬特有の冷たい光が遮光カーテンを縁取るように部屋へ入ろうと静かに潜めいている。そっと隣を見ると、無防備に眠る少女の姿があった。黒い包帯がよれて隙間を作り、髪と同じ色をした睫毛が除いていた。しかし、常日頃から押し付けられているせいでくせっ毛のように曲がってしまっているように見える。
(無用心だなぁ。俺だって襲いたくなることくらいあるんだぞ?)
そんなことを心のどこかで思いつつ、しかし、そんなこと言ったところで彼女は静かに笑って受け流すのだろうと想像して小さくため息をついた。
 何だかんだで、彼女は既に17歳。記憶をなくしてから二年もたったというのに、あっという間にすぎてしまったように思うのは俺たちの寿命が異常だからなのだろうか。異端児は千年の時を超えると言われているが、実際にはどのくらい生きたのか細かい資料は残っていない。なぜなら、異端児はめったに生まれなくなってきているからだ。事実、リリノアを生んだレア様だって、異端児である訳では無い。彼女の代には異端児は生まれなかったとされている。力が分散してしまったようだ。だから、一族の長の息子であるクロノス様、そして彼の惚れ込んだレア様が奇跡的にも神話通りに結ばれた。…いや、一族が仕組んだのかもしれないが。
 そんなことを思いながらモサモサと彼女の頭を撫でる。とても触り心地の良い絹のような髪が、指にからんではするりと梳かれてゆく。あまりの愛おしさにどうして良いかわからない。そうこうしている間にも日の光はその強さを増していった。この季節、太陽はそう高くは上がらない。だが、白熱灯のような冷ややかな色の光は夏の赤々としたそれとは別の意味でこの身体を痛めつける。
(さて、ノア。俺たちの時間は終わってしまったよ。せっかくの時間なのに眠ってしまったね…このまま夜までこうしているのもいいけれど、どうもそうはいかないようだよ。)
頭を撫でていた手で彼女の肩をそっと叩く。
「うん…」
「ノア、起きて?」
「むぅ…あさ?」
「そう。」
「はれ?」
「そうだね。」
「…そっか。」
少し残念そうな少女。こんなとき、どんな言葉をかけてやればいいのだろうか?何を言っても薄っぺらな言葉としてしか響かないような気がしてならない。しかし、黙っていれば彼女はちゃっかり二度寝体勢に入ろうとする。
「ほら起きろ~って。場合によっちゃ、今日は出かけなければならないからね。」
「えっ、昨日の今日じゃないの。カイン疲れてないの?」
「いや、もちろん疲れはあるよ。でも、最優先事項はそこじゃないからね。」
そこまで言うと、敏感な彼女はある程度悟ったらしく、ただでさえ小さな背中をキュッと丸めた。
「何も心配はいらないよ。ちゃんと調べて、何もなければそれでいいし、何かあるなら治療して直せばいいんだ。」
「…うん」
「それに、幸か不幸か…この場合は幸かな?俺たちには時間がたっぷりとあるだろう。ゆっくり時間をかけたって罰は当たらないって。」
そういって微笑んで見せるも、彼女は全てを透かしみるようにして目を細め、不安を捨てきれないと言わんばかりに瞳を揺らした。
 事実、いつまで悠長にしていられるのかは俺にも分からなかった。彼女がアルテミスの毒矢で打たれてから早くも2年、しかしその記憶は未だ蘇らない。そして矢を射た真犯人も掴めていないのだから、再襲がいつくるかもわからないのだ。警戒心は強まるばかりで、二人しかいないこの無駄なまでに豪勢な屋敷の中の空気はどこかピンと張り詰めている。一瞬の均衡の崩れが全てに亀裂を入れて破壊してしまうだろうことは簡単に予測がつくのだ。彼女は、今の幸せを最後と思って諦めて噛み締め続けるか、明日の不幸を考えて怯えを忘れずにひっそり生き延び続けるか、どちらを選ぶのだろうか。きっと、俺のことを気にして微笑みを返すのみだろう。これはおそらく自惚れではない。
 どこでもない空を見つめて呆然としていると、暖かい手の感覚が頬に触れた。
「カイン、どうしたの?」
先程までとは違う…比にならないほどの不安を堪えた表情は、俺の瞳を通じて心の奥深く、真髄にそっと指をなぞらせているようで一瞬ゾクッとした。そのせいで小さく身震いしたのを、彼女は見逃さない。
「本当にどうしたの?震えているの?寒い?」
「いや、いいんだ。なんでもない」
「嘘。カインは嘘をついていると…ううん、なんでもない」
途中まで勢いよく話していた彼女の小さな口が閉ざされる。俺は弱みでも握られているのか?
「何を言いかけたんだい?」
「言わない。だって、それを言ったらきっとカインはポーカーフェイスを確立させちゃうでしょ?」
「まぁ、俺の隠し事スキルが上がるだろうね。…おっと、これは失言したなぁ。上手く誘っておびき出そうとした獲物に作戦を丸明したみたいじゃないか。」
冗談めかしてそういうと、ノアは小さく息を漏らして笑った。俺が話をそらしたことなど、彼女はお見通しだ。しかし、それ以上に彼女は悲しいくらいに察しがいいのである。問い詰めるべきではない、触れるべきではないと思ったことの核心を突こうとはせずに、一歩下がって傍観者を決めてしまう。いつもの俺ならそれを寂しく思うものだろうが、今日に関してはそれに甘えざるを得なかった。

 背負うものが多すぎる。彼女がすべてを背負うのならば、それは今の俺の数百倍の負担になるだろう。正直なことを言えば、俺だって軽いものではない。でも、それが使命だというのなら、彼女が遠慮してもそれを無理に奪い取ってでも背負いきってみせる。絶対に、何があっても失敗の道を歩むわけには行かないのだから。
 海を越えた異国の地での俺のプロポーズには、それらの意味も込められていた。
「2人で、ずっと笑っていられたらいいね。」
そう答えたリリノアは、その本意に気づいていたのかどうかは分からない。けれど、俺の片思いはまだまだ続くようだった。

●●●

リリノアside

 車にゆられること数時間。今となっては見慣れた高速道路の景色を、私はいつも通り何も考えずに眺めていた。…いや、何も考えていなかったといえば嘘になる。しかし、何を考えていたかと聞かれても、正直なことを言うとモヤモヤした何かが心と頭を埋め尽くしているだけであって自分自身よくわからない。けれど、不安だったのは確かだった。それも、何がなのかは明確ではない。ただ、ひたすらにこれからどうなるのだろうという不安だけが、私の指先でかすかに渦巻いていた。
「ノア、起きてる?」
「…寝てる」
「あのさぁ」
「スルー?」
「かまってちゃんか。」
運転しているカインは顔を前に向けたまま、片手で私を座席に沈めるようにして頭をぐしゃぐしゃと撫でた。私は膝にかけていた毛布を手繰り寄せてぎゅっと抱きしめる。
「欲求不満なの?」
「むぅ~」
「お家に帰ったら嫌という程に甘やかしてやる」
「…怖いから遠慮しとこうかな。」
「次はツンデレか。」
「ちが、…で、何?」
「うーんと、さ。」
カインが言葉を探して選ぶように声を漏らす。それは嬉しそうとも悲しそうとも取れない色を含み、ゆっくりと流れる吐息が優しさを目一杯に孕んでいた。車窓から見える風景は、家を出た田舎から都心を超えてまた田舎に戻っている。ぽつりぽつりと雑木林が目に入り、目的地が近いことを悟った。
「君は今、幸せかい?」
在り来りな質問に、その裏をかいてみる。そこには、瞬時には計り知れない深い闇があるのだろうことを想像する。
「…そうだね。でも、幸せの前提って何だろうって考えると…なんとも言えないよね。」
「前提なんて、形のないあやふやなものだよ。例えば…君は幸せの前提をなんとする?君が決めていいんだ。この世は広くも狭くもあるけれど、そのうちのひとり、一欠片としてその前提を決める権利があるとしたら…」
「…そうね。大切な人の隣に、心置き無くいられることかな。そして、そこにいてもいいよって本心から大切な人が言ってくれて…私にとっての大切な人はカインで、それで…」
私の拙い言葉を彼はゆっくりと待っていてくれる。あの日、彼のプロポーズを受けて、私は私のことを大切にしてくれるカインを受け入れるように自分を操作してきた。本能に逆らって、自分の身体に刃を向けて脅すような強行手段にでていることを彼は知らない。けれど、努力は認めてくれるだろうと、過信ではないことを願いつつ信じている。気づいていないはずはない。
「幸せに溺れた、愚か者にならないこと。」
カインを心から愛し、信じていたいと思っているのに、本能に邪魔されるジレンマをどうして良いかわからない。彼に隠れて自傷行為に走ることも無い訳ではない。もっと私の経験が豊富なら…私にまともな知恵があったら、もっとどうにか昇華できたのかもしれない。でも、その点において私は無知だ。幸せに溺れずとも私は既に愚か者なのだ。しかし、それを今恨んでもそれこそ仕方のない事である。
 せめて、もう少しこの口下手がどうにかなってくれればよかったのに…そう思って口を閉ざす。
「そっか…君は賢いね。」
「…そんな」
「おや、謙遜するのかい?ウブなことをするねぇ。いいじゃないか、俺がそう思ったんだ。」
「…どうして?」
「だって、俺なんかよりずっと、しっかりと前を見定めている。君を理由に逃げようとしていたのは、俺の方だったみたいだね。」
彼は相変わらず前を向いたまま、困ったようにふにゃりと笑った。その目元には、呆れ果てたような感情さえ感じられる。
 愚者はどっちか、と言いたいのだろうか。でも、私は彼を愚者だなんて思わない。それを口にすればいいのだろうか…いや、でもそれは彼が望むことじゃない。
「可愛げのないことを言うわね、私も。」
「どうしたの、急に。」
「…なんか、自分を客観的に見ようとすると落胆するなって。」
「そりゃ、誰だってそうだよ。」
彼はいつも私を肯定する。普通の人だったら「そんなことないよ」っていうようなことでも、カインは決してそうではなかった。それが嬉しかった。むやみに、根拠もなく否定して慰められるよりも、前向きに受け入れてくれる方がずっといい。そうなんだ、って信じられるから。
「落胆したって死ぬわけじゃないんだ。せいぜい気が済むまで落ち込むといいんじゃない?ノアの場合はそうでもしないと納得いかないんだろうし。」
「…まぁね。」
気がつくと、湖沿いを走っていた。アンさんの家の近くの小さな湖。ここまでくると、あと数分で目的地に到着する。なぜなら、対岸に可愛らしいウッディな家が見えるから。
「アンさん、久しぶりだな。元気かな?」
「まぁ、アイツのことだからくたばっちゃいないだろうな。」
「…カイン、何だかあたりが強くない?」
「どうだかね。姉さんは俺のトラウマ全ての根源だと言っても過言じゃないからね。」
彼が唯一恐れる存在と言えるほどに、アンさんはカインに色々と施してきたようだ。カインは病院が嫌いだと言ったが、病院という名のお姉さんを恐れているのだと思う。正直、私とて怖いことが何も無かった訳では無い。空港での出産はかなりのトラウマとなって私の心にどーんと居座っている。

 そんなことを思い返していると、ふと今回の訪問の意味を思い出して怖くなる。私の体に何が起こっているのかを、どうして私が知らないのだろうか。痛みも何も伴わずに静かに何かが進行していたら?調べてわかるこのご時世は、まだマシかもしれない。でも、もう手遅れだと言われたら?
「ノア、着いたよ?」
「あ、うん」
気がつけば、先ほど対岸に見ていた家の前に停車していた。突然黙り込んだ私を不思議に思ったのか、ずっと前を向いていた彼がやっと顔をこちらに向ける。
「大丈夫?酔った?」
「いえ、ううん。なんでもないの。」
そう誤魔化してシートベルトを外し、車を降りようとすると、カインにそっと止められた。
「残念だけど、姉さんまだ帰ってきてないみたいなんだ。というか、俺達がちょっとばかり早くついてしまったようでね。外は寒いから、まだ此処で待っていようか。」
「分かった。」
私はもう一度シートに寄りかかって脱力した。妙な安心感と、少し増えた不安が心を揺らす。それを誤魔化すように思考を放棄して、ただ流れることをやめた景色をぼんやりと眺めた。

●●●
 ミニカーのように可愛らしい赤の外国車が、私たちの目の前に停車した。少し乱暴に、しかし慣れたハンドルさばきでバックで庭に駐車するアンさん。1発でピタリと止めると、私の視線に気づいてウインクしながら親指を立てて見せた。
「…アホだな。」 
「お姉さんにそういう事言うのやめなよ」
「…アホはアホだ。」
呆れ果てていかにも嫌そうな顔をしながらカインが車を降りる。すると、アンさんも車を降りてきて、私が座っている助手席の扉を開けた。
「いらっしゃい、リリノア。カインも。」
「お久しぶりです、アネモネさん」
「ノアは相変わらず可愛らしいね。それに比べてこの愚弟は…あんな仏頂面はほっといて、寒いんだから早くあがって!」
急かすようにして手を引いてくれる。私も抵抗することなく、履きなれない冬用のブーツを履いた足を地面に下ろした。ずっと同じ体勢で座っていたためか、少しふらりと立ちくらみがした。すると、それを見逃さなかったアンさんが私のウエストを手で挟むように掴んだ。
「相っ変わらず細いなぁ。カイン、ちゃんと食べさせてるの?」
「食べさせてるよ!」
トランクから荷物をろしていたカインが呆れ果てたように困り顔でこちらに来る。その手には、1泊分くらいの荷物が抱えられていた。
「…部屋の用意はしてあるから、いつものところ使って。あ、でもこまめには掃除してないから少しホコリ溜まってるかな~。」
「そのくらいは勝手に掃除させてもらうよ。ノアは姉さんの部屋でいい?」
「おう、ベッド買ったからいつでもどうぞ」
「わざわざ私のために買ったんですか!?」
「まぁね~それもだいぶ前のお話で、お客さん用も兼ねてたから、気兼ねする必要は無いわよ?とは言ってもお客さんなんてほとんど来ないわ~」
「姉さん、どうやって生計立ててるの?」
「え~それ聞いちゃう?えっとねぇ、夜バイトで、「ごめん聞いた俺が間違いだった」」
何を言おうとしたのか全く予測がつかないまま、片手でアンさんの口を覆う。彼女は背が高いが、いつの間にか成長期真っ盛りのカインより小さくなっていた。そのせいか、力ではカインの方が圧倒的優位であった。
「んもぅ、いつからレディにそんな無礼不躾になったの?」
「どこにレディがいるって?」
「まぁひどい!ノアちゃん聞いた?私たちをレディと認めてくれない野獣がいるわ」
いつもより少し高い声で、可愛らしく拗ねたように私の肩を抱くアンさん。私の背に合わせて少し屈んで頬をムニッと寄せてきた。二人の茶番はどこまでも微笑ましいように思う。…半ば漫才のようでもあるが。
「ノアは別枠だっつーの!俺のフィアンセから離れろ!!」
ニヤッといたずらに口元を歪めたカイン。もう完全に2人とも遊びモードである。そんな彼は私からアンさんを引っぺがした。
「ロミオにでもなったつもり?」
「『貴女は僕のもの…おぉ、私の恋人!』」
博識な彼は何故かロミオの台詞を面白半分に口にする。しかし少しばかりぶっきらぼうで、私の背後について、私の頭に顎を乗せた。しかし、ロミジュリであるなら大切なことを忘れている。
「ってことは、私とカインは最後、愛のために自殺するのね?」
「「あ」」
気が付かなかったというような顔をするアンさん。ふたりして同じリアクションをして、アンさんの唖然とする顔を私の頭の上でカインもしているのだろうと思うと、さすが姉弟だなぁ、なんて頬が緩んでしまう。
「ノアってさ…」
「うん?」
カインがおもむろに口を開く。
「…唐突に残酷だよね」
「えっ」
「でもって無自覚なのね~、怖い子。」
アンさんも目頭を抑えて呆れたように微笑む。
「まぁいいわ、茶番も済んだしそろそろいい加減に上がって?2人とも風邪ひいちゃうわ」
「誰のせいだと…」
「うるさいわよカイン。」
そういいながら玄関を通してもらう。相変わらず中は大きな医療機器で溢れている。散らかっている、と言えばそうかもしれない。だが、容易に片付けられるようなものでもないのも分かる。
「じゃあカインは荷物置いてらっしゃい。ノア、貴女はこれに着替えて~。」
ぽす、と渡されたのは手術着のような薄いピンクのパジャマ。前がボタンになっている、ワンピース型の簡易着である。
「身体のこと、調べに来たんでしょ?私にも全く検討つかないものを診断するのはさすがに無理があるの。だから、とりあえず何年か経ったし健康診断でもしておきましょ?」
「…はい」
ふわふわと頭を撫でられる。彼女の撫で方はカインとよく似ていて、彼もこうして彼女の愛を受けていたのかと思うと、少し不思議な気持ちになった。

 午後の昼下がり、少しだけ傾いた暖かい光が小さな窓いっぱいに広がって部屋に差し込んでいるこの家で、私は不意に懐かしいような寂しいような感情を抱いた。決してそうではないのに、急に一人ぼっちになったような気分である。放っておいてほしい、一人にしてほしい。そう思っているはずなのに、誰かの温かさに触れていたいという矛盾もある。それをうまく処理しきれない私の身体は呆然と立ち尽くす。
(あぁ、そうだった。明るい場所を私は受け入れない。明るい場所が、私を受け入れない。そんなこと分かりきっていたはずだ。)
例外は明るみに出さずに、そっと隠して死ぬのを待てばいい。隠滅なんて、世間が認めれば簡単なんだ。消えろって望まれた生命なら、消えるのがこの世の道理なわけで、つまり私の生きやすい時間は一筋の光も刺さない暗闇。そんなの、一日の三分の一くらいにしか満たない。

『ごめんね』

「えっ?」
懐かしい声を聞いた。最近ではめっきり聞かなくなっていたその声。
 腕を通しかけた検査着の袖を握る。そっと耳を澄ますと、空気の流れがただひたすらに耳をかすめた。

『✕✕✕✕して、ごめんね』

「…ルリア?」
「ん、どうかしたの、ノア?」
ぽん、と方に手を置かれる。振り向くと、不思議そうに見下ろしてくるアンさんの顔があった。
「い、いぇ…なんでも。」
 空耳にしてははっきりしていた。久しぶりに現れて、何かを口にするということは、きっと何かの警告。何が来るかもわからないのに、身構え路というのは無理な話である。しかし、私は心の隅に覚悟を据えた。
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