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何時かの時代の二人。
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蒼く澄んで見事なまでの快晴の中に浮かんでいるのは、夏という季節の景色には欠かすことの出来ない入道雲だ。ソフトクリームの上のクリームの部分の様に白くそして綿菓子のその空気感を彷彿とさせる、それはもうもはや姿と言ってもいい程に見事なものだ。しかし、夏とはそんな爽やかな景色という視覚的な情報と共に五月蝿いくらいに賑やかに鳴いている蝉の声という聴覚的情報も感じることが出来る。そしてなんと言っても夏と言えば暑さだ。その暑さたるや夏を除く、春、秋、冬が束になっても敵うことの無い暑さを誇る。しかし、その暑さが故に雨が多く降るというのも事実だ。
「じゃあ、次の問題ね!」
「えっ、まだ続けるの??」
「当たり前でしょ、京子まだ一問も正解してないでしょ?」
「それは、そうだけど、どうせ出すならさ、次からもう少しだけ簡単な問題にしてくれない?」
「うーん、簡単な問題かぁ、さっきのも簡単な方だったと思うけど、じゃあ世界最大の生物はなんでしょう!どう?これなら簡単でしょ?」
「世界最大の生物ねぇ、なんだろ象?アフリカゾウ?」
「残念ちがいまぁ~す。」
「象じゃないならクジラ?」
「惜しいなぁ、動物種の中だったらシロナガスクジラが一番大きいけど、世界最大の生物ではないかなぁ。」
「う~ん、何かヒントはないの?生物ってことは植物とかも入るってことだよね?」
「そうそう!目の付け所はバッチリだよ!ヒントは割と身近な存在ってことかな?」
「身近ねぇ、他にヒントはないの?」
「これ以上は答えになっちゃうからなぁ~。」
「あ~、もう降参!で?答えは何?」
「もう降参なの?もう少し頑張ってよ~。」
「早く答え教えてよ。」
「もう、しょうがないなぁ、答えはオニナラタケでしたー。」
「ん?待って、おに?なんて?」
「だから、オニヒラタケだよ!」
「そのオニなんとかって何?」
「キノコだよ!山を一つ挟んで見つかった個体のDNAが同じだったのが発見されたキノコだよ、ちなみに地表面積は約8.903k㎡だよ!」
「なんかそれちょっとズルくない?」
「えっ?ズルくないよ!菌だってちゃんとした生物だよ!」
「う~ん、なんか納得いかないんだよね。」
「京子が納得いかなくてもこの問題の正解はオニヒラタケだからね。」
「ふ~ん、まぁ別になんでもいいけど、まだ修理終わらないの?」
「待って、あと少しだから!」
「早くしないとまた、総司令の有り難いお言葉を夜通し聞く羽目になるよ?」
「そんなこと言われても、こんなアナログな型を持って来られても困るよ、今どきこんなの研修センターでも使ってないよ。」
「別になにを使って仕事しようと私の勝手でしょ、それに最近のタイムマシンは安全性を重視してるか何かしらないけど目的地だけセットして後は自動運転でしょ?それじゃ、少しも楽しくないじゃん、やっぱり自分で運転してこそのタイムマシンでしょ?」
「でも今回はその手動運転のミスでこんな時空の外れに不時着したんでしょ?いい加減、新型機に替えないといつか取り返しのつかない大きな事故になるかもよ?」
「大丈夫だよ、確かに何度も故障はしてるけどかすり傷一つしたことないんだから大丈夫!」
「ねぇ京子、これが直ったらまたしばらく会えなくなるんんだよね?」
「うん、そうだね一応、それなりに重要な任務を任されてるからね!それで、どう?もう直った?」
「うん、直ったよ。」
「ありがとう!!さすが若き天才!頼りになる!じゃあ、私はもう行くね!」
「待って!」
「ん?何?」
「私実は、本部への異動が決まったんだ。」
「えっ!?本当に?」
「うん。」
「良かったね!夢が叶ったってことでしょ?」
「うん、それはそうなんだけど。」
「どうしたの?あんまり、嬉しそうじゃないけど?」
「ううん、嬉しくないことはないんだけど。」
「けど何?」
「本部に異動になったら、今までみたいに京子に会えなくなる。」
「まぁ確かに、忙しくなるだろうけど昔からの夢が叶うんならいいんじゃないの?」
「京子は、私と会えなくても寂しくないの?」
「それは、私だって寂しいに決まってるけど別に一生、会えなくなる訳じゃないでしょ?」
「それはそうだけど。」
「あのさ、私からも言っておきたいことがあるんだけど聞いてくれる?」
「な、何?」
「私がいつまでも旧型機にこだわってる理由って実は、メイなんだよね。」
「えっ?わ、私?!どういうこと?」
「そうかぁ、やっぱり覚えてないかぁ、私達がまだ訓練生だった頃に旧型機の展示会に行ったことがあったでしょ?」
「うん、私が一人じゃ心細いからって京子に付いてきてもらった。」
「そうそう、その時には私はまだ具体的にどこに所属したとかって考えてなかったんだけど、メイがいつか整備部に入ってこの機を整備してみたいって言ってるメイの姿を見て、公安部に入ることを決めたんだよ、だから今の私があるのはメイのお蔭なんだ、だからメイの夢が叶ったことも自分の事の様に嬉しいよ。」
「でも、離れ離れになっちゃうんだよ?」
「大丈夫!メイは強いから一人でも十分やっていけるよ!それに私もすぐに偉くなって本部所属まで上がってみせるよ!だからさ、そんな悲しい顔しないで?私はメイの笑顔が大好きだよ!」
「ちょっ、痛いって、それに私、オイルまみれだし、、。」
「そんなこと気にしなくていいよ、好きだよメイ。」
「私も好き、京子お願いがあるんだけどいい?」
「何?」
「やっぱり、安全の事を考えて制御装置だけでも新型に替えない?」
「え?」
「大好きな京子の安全の為にはその方がいいと思うんだけど?どう?」
「あぁもう、せっかくいい雰囲気だったのに機械の事になると昔からマイペースだよね、これは私にとって凄く大切な思い出も詰まってるの!もう、整備終わったなら私は行くからね!」
そう言って京子はマシンに乗り込みワープした。メイほ静かに微笑んだ。
「じゃあ、次の問題ね!」
「えっ、まだ続けるの??」
「当たり前でしょ、京子まだ一問も正解してないでしょ?」
「それは、そうだけど、どうせ出すならさ、次からもう少しだけ簡単な問題にしてくれない?」
「うーん、簡単な問題かぁ、さっきのも簡単な方だったと思うけど、じゃあ世界最大の生物はなんでしょう!どう?これなら簡単でしょ?」
「世界最大の生物ねぇ、なんだろ象?アフリカゾウ?」
「残念ちがいまぁ~す。」
「象じゃないならクジラ?」
「惜しいなぁ、動物種の中だったらシロナガスクジラが一番大きいけど、世界最大の生物ではないかなぁ。」
「う~ん、何かヒントはないの?生物ってことは植物とかも入るってことだよね?」
「そうそう!目の付け所はバッチリだよ!ヒントは割と身近な存在ってことかな?」
「身近ねぇ、他にヒントはないの?」
「これ以上は答えになっちゃうからなぁ~。」
「あ~、もう降参!で?答えは何?」
「もう降参なの?もう少し頑張ってよ~。」
「早く答え教えてよ。」
「もう、しょうがないなぁ、答えはオニナラタケでしたー。」
「ん?待って、おに?なんて?」
「だから、オニヒラタケだよ!」
「そのオニなんとかって何?」
「キノコだよ!山を一つ挟んで見つかった個体のDNAが同じだったのが発見されたキノコだよ、ちなみに地表面積は約8.903k㎡だよ!」
「なんかそれちょっとズルくない?」
「えっ?ズルくないよ!菌だってちゃんとした生物だよ!」
「う~ん、なんか納得いかないんだよね。」
「京子が納得いかなくてもこの問題の正解はオニヒラタケだからね。」
「ふ~ん、まぁ別になんでもいいけど、まだ修理終わらないの?」
「待って、あと少しだから!」
「早くしないとまた、総司令の有り難いお言葉を夜通し聞く羽目になるよ?」
「そんなこと言われても、こんなアナログな型を持って来られても困るよ、今どきこんなの研修センターでも使ってないよ。」
「別になにを使って仕事しようと私の勝手でしょ、それに最近のタイムマシンは安全性を重視してるか何かしらないけど目的地だけセットして後は自動運転でしょ?それじゃ、少しも楽しくないじゃん、やっぱり自分で運転してこそのタイムマシンでしょ?」
「でも今回はその手動運転のミスでこんな時空の外れに不時着したんでしょ?いい加減、新型機に替えないといつか取り返しのつかない大きな事故になるかもよ?」
「大丈夫だよ、確かに何度も故障はしてるけどかすり傷一つしたことないんだから大丈夫!」
「ねぇ京子、これが直ったらまたしばらく会えなくなるんんだよね?」
「うん、そうだね一応、それなりに重要な任務を任されてるからね!それで、どう?もう直った?」
「うん、直ったよ。」
「ありがとう!!さすが若き天才!頼りになる!じゃあ、私はもう行くね!」
「待って!」
「ん?何?」
「私実は、本部への異動が決まったんだ。」
「えっ!?本当に?」
「うん。」
「良かったね!夢が叶ったってことでしょ?」
「うん、それはそうなんだけど。」
「どうしたの?あんまり、嬉しそうじゃないけど?」
「ううん、嬉しくないことはないんだけど。」
「けど何?」
「本部に異動になったら、今までみたいに京子に会えなくなる。」
「まぁ確かに、忙しくなるだろうけど昔からの夢が叶うんならいいんじゃないの?」
「京子は、私と会えなくても寂しくないの?」
「それは、私だって寂しいに決まってるけど別に一生、会えなくなる訳じゃないでしょ?」
「それはそうだけど。」
「あのさ、私からも言っておきたいことがあるんだけど聞いてくれる?」
「な、何?」
「私がいつまでも旧型機にこだわってる理由って実は、メイなんだよね。」
「えっ?わ、私?!どういうこと?」
「そうかぁ、やっぱり覚えてないかぁ、私達がまだ訓練生だった頃に旧型機の展示会に行ったことがあったでしょ?」
「うん、私が一人じゃ心細いからって京子に付いてきてもらった。」
「そうそう、その時には私はまだ具体的にどこに所属したとかって考えてなかったんだけど、メイがいつか整備部に入ってこの機を整備してみたいって言ってるメイの姿を見て、公安部に入ることを決めたんだよ、だから今の私があるのはメイのお蔭なんだ、だからメイの夢が叶ったことも自分の事の様に嬉しいよ。」
「でも、離れ離れになっちゃうんだよ?」
「大丈夫!メイは強いから一人でも十分やっていけるよ!それに私もすぐに偉くなって本部所属まで上がってみせるよ!だからさ、そんな悲しい顔しないで?私はメイの笑顔が大好きだよ!」
「ちょっ、痛いって、それに私、オイルまみれだし、、。」
「そんなこと気にしなくていいよ、好きだよメイ。」
「私も好き、京子お願いがあるんだけどいい?」
「何?」
「やっぱり、安全の事を考えて制御装置だけでも新型に替えない?」
「え?」
「大好きな京子の安全の為にはその方がいいと思うんだけど?どう?」
「あぁもう、せっかくいい雰囲気だったのに機械の事になると昔からマイペースだよね、これは私にとって凄く大切な思い出も詰まってるの!もう、整備終わったなら私は行くからね!」
そう言って京子はマシンに乗り込みワープした。メイほ静かに微笑んだ。
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