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二人の始まりの夏。
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空がオレンジ色に染まりカラス達は、誰もが一度は聞いたことのある童謡のように山へと帰っていく。夏の夕暮れは酷く暑く額から流れた汗が頬を伝って滴り落ちる。時折、吹く風が汗を冷やす。
放課後の図書室は、冷房がきいていて外よりも涼しく居心地の良い空間となっている。そこでは、本の整理をする図書委員や勉強をする生徒など時間の過ごし方は、人それぞれ。
読んでいた本を閉じて席を立って本を元あった場所へと戻しに行く。静かな図書室に自分の足音が小さく響く。手に持っていた本の場所を忘れてしまい本の背表紙に貼ってあるシールの番号を見ながら本棚の橋から数字を照らし合わせていく。しかし、全然見つからない。
「あの、、、良かったら、戻しましょうか?」
突然聞こえたその声に体が一瞬、ビクッと反応してしまった。人がいたなんて全く気がつかなかった。本を戻すのに夢中でいつからそこにいたのかは、分からないけれど小脇に何冊か本を抱えてこちらを見ている子がそこにいた。鎖骨の辺りにかかる焦げ茶色のと片手で持てるんじゃないかという程に小さくてすこし丸い顔に黒縁の四角いメガネを掛けていて落ち着いた雰囲気の素朴な天使のような女の子。
しばらく互いに顔を見つめあってから天使が口を開いた。
「あの、聞いてます?本、戻しておきますから貸してください。」
「あっ、す、すみません、場所わからなくなっちゃって。」
可愛い過ぎて見つめてしまっていたことがすこし恥ずかしくなってきて、笑って誤魔化しながら慌てて持っていた本を渡す。
本を受け取りタイトルと著者名を見る天使。少しずれたメガネを本を持った手の甲で上に押し上げる。なんて可愛いのだろうか、心の奥底の方にある母性を目一杯にくすぐられた。顔全体の筋肉を緩ませながら天使を眺めていると。
「この人の作品、好きなんですか?」
「え?あっはい、読んでて展開が読めないから好きなんですよねー」
天使に話しかけられたことに一瞬、動揺しながらも自分の正直な気持ちを伝えた。私の返答を聞くと、ふ~んと言いながら小脇に抱えた本を戻し始めた。
この子も、もしかしてこの人の本好きなのかな?だとしたら、この本をきっかけにして仲良くなれるかもしれない。でも、やっぱりこんな可愛い子に話しかけるなんて緊張するなぁ。どうしようかな、せめて向こうから話しかけて来てくれれば楽なんだけど。
抱えていた何冊かの本を戻し終えると、私の目の前まで来て本を突き出してきた。
「この人の作品私も好きですよ。」
すると、ニコッと微笑むと私が口を開く前に体を百八十度回転させて、図書室のカウンターの方へと去っていった。
その日の帰り道、同じ本が好きだという共通点が出来た嬉しさと最後まで自分から話しかけることが出来なかったことの後悔が入り交じったような気持ちになった。
小さい頃から本が大好きだった。初めて出会った本は、小さなクマの女の子が大好きなお母さんの為にホットケーキを作るという話の絵本だった。絵本のなかに出てくるホットケーキは、満月のように綺麗な丸でとても柔らかい黄色をしていて、縦に積まれたホットケーキの頂上には生地の熱でじんわりと溶け始めているバターと黄金色をした蜂蜜のカーテンが掛けられていた。その絵本との出会いがきっかけで本が好きになったし、もちろんホットケーキも大好物になった。
高校に入ってから私は、もちろん図書委員になった。もちろん、本が好きだからというの一番の理由だけど図書委員になったのには、別の理由がある。
図書室での出来事を考えながら、帰りの電車が来るのを一人待っている。
それにしても、今日は暑い。それにもう電車が来るはずの時間はとっくに過ぎている。いくら田舎とはいえ電車はきっちり時間通り動いてくれないと困る、と電車への怒りが込み上げてくると同時に怒りと夏の暑さとの相乗効果によって汗がダラダラと流れ落ちる。額の汗を手で拭う、電車は一向に来る気配がない。背負っているリュックサックの重さが少しずつ気になり始める。毎日背負っていて普段なら気にならないはずのリュックサックの重さが暑さで頭の回転が悪くなっている事と、いつになったら来るのかも分からない電車をひたすら待ち続けているという今の状況のせいでリュックサックを通して地球の引力を身を持って実感している。ただ立ち続けているのにも疲れてホームの端にある古いベンチに腰を掛けることにした。
リュックの中から飲みかけのペットボトルを取り出して少し温くなった麦茶を喉に流し込む。乾燥しきった喉に一気に、麦茶が流れ込む、こんなにも麦茶を美味しいと感じたのは初めてだ。
委員会の仕事を終わらせて学校を後にしたわたしは、校門の辺りに何かがぽつんと落ちているのを見つけた。一歩ずつ、校門の落とし物に近づいていく、学生証だ。さっきまで図書室にいた人の顔写真と学年やクラスそれに住所まで書いてある。こんな大事なものを忘れるなんてどれだけ慌てていたかが分かる。それによくよく住所を見てみると私の家から歩いてそう遠くはない住所だった。普段なら校舎へ引き返して先生に渡すけど、今日のこの酷い暑さに冷静な判断ができずにどうせ近所なら直接、本人に手渡した方が早いと思った私は気づくと駅の方へと歩き始めていた。
駅に着いてからいったいどれくらいの時間が過ぎたのか、いつまでたっても電車どころか人っ子一人現れない。私の人生の中の青春という時間はこうして夏の暑さに押されつつも負けじと乾いた喉に麦茶を流し込むという防戦一方のこの状況でも時間はその足を止めることなく一秒一秒を着実に未来の方へと進んで行く。しかし、心なしかここに着いたときよりも少しだけ風が出始めて涼しいとお感じることが出来てきたようなきがする。
住んでいる場所がこれだけ近いならきっと登下校に使っている駅も同じはずだ。今から少し走ればまで間に合うかもしれない。体を動かすのはあまり得意ではないけど一生懸命に走ることにした。私の体力があまりにも無さすぎるせいなのかそれとも、今日のこの暑さのせいなのか走りはじめてすぐに息が上がった。一旦、呼吸を整えるために立ち止まるとその瞬間に滝のように汗が吹き出し始めた。なんとか呼吸を整えてからさっきまでよりも少しゆっくり、また駅の方に走り始めた。
駅のホームで一人、暑さにうなだれていると今まで、私一人だったこの場所に、に息を切らしながら全身汗だくの女の子が入ってきたことに気がつくと向こうも私を見つけて、こっちの方に走ってくる。だんだんと近づいてくるその子の顔をよく見るとさっき図書室で声をかけてきてくれた天使だということに気がついた。
天使は、私の目の前まで来ると両膝に手をつき息を整えながら言った。
「あ、あのこれって先輩のですよね?」
そういうと天使は、学生証を見せてきた。初めはなんのことか分からなかったけどよく見るとそれは、私の写真と学年とクラスも勿論のこと私の情報がしっかりと書いてる正真正銘、私の学生証で間違いはない。でも、どうしてこの天使が持っているんだろうと少しの疑問を残したままそれを受け取った。
「あっ、ありがとう!」
先輩は少し不思議そうな顔をしながら学生証を受け取った。でも、先輩が不思議がるのも当然の事だ。だってさっき、たまたま図書室で少しだけ言葉を交わした人間が突然、目の前に現れて自分の学生証を手渡されたら私だって驚くに決まってる。それでも、笑顔でお礼を言って受け取ってくれたから安心した。
先輩と私との間に少しの沈黙が出来る前に私は、帰りに正門の所に学生証が落ちていて私が、ここまで届けに来た経緯を簡単に説明した。
「なんだぁ、突然だったから少しびっくりしたけどそれで届けてくれたんだね、本当にありがとねこんなに暑いのにわざわざごめんね!よかったらお茶飲む?そうとう喉乾いたでしょう?」
「あ、いえ大丈夫です自分のがあるので、お気遣いありがとうございます。」
「でもまさか毎日、同じ電車に乗ってたなんて気づきもしなかったよこの駅って使う人も少ないし学校だっておなじなのにね!」
それからも先輩は、楽しそうに今日の照りつける太陽みたいな眩しい笑顔で、私がくるまでの一人だった時間のことや遅すぎる電車への文句なんかを楽しそうに話をしてくれた。それを聞いているだけで私もなんだか少しずつ楽しい気持ちになってきた。電車の中でも駅に着くまで二人きりの車内で楽しい時間を過ごすことができた。
いつもだったら長く感じる帰りの電車も今日だけは時間が過ぎるのをとっても早く感じた。
私は、天使と電車が来るまでひたすら喋り続けた。私のバカみたいな話にも相づちをうちながら楽しそうに話を聞いてくれた、その度に私は、力を入れて喋った。やっと来た、電車の中でも楽しい二人だけの時間を過ごすことができた。同じ駅で降りてから、明日もまた、二人で帰る約束をした。あれだけ電車が遅れたのも学生証を落としたのも全ては今日、こんなにもかわいい天使との出会いの為だったのかと思うと暑いなか一人で電車を町続けて良かったとほんの少しだけ思うことができた。
放課後の図書室は、冷房がきいていて外よりも涼しく居心地の良い空間となっている。そこでは、本の整理をする図書委員や勉強をする生徒など時間の過ごし方は、人それぞれ。
読んでいた本を閉じて席を立って本を元あった場所へと戻しに行く。静かな図書室に自分の足音が小さく響く。手に持っていた本の場所を忘れてしまい本の背表紙に貼ってあるシールの番号を見ながら本棚の橋から数字を照らし合わせていく。しかし、全然見つからない。
「あの、、、良かったら、戻しましょうか?」
突然聞こえたその声に体が一瞬、ビクッと反応してしまった。人がいたなんて全く気がつかなかった。本を戻すのに夢中でいつからそこにいたのかは、分からないけれど小脇に何冊か本を抱えてこちらを見ている子がそこにいた。鎖骨の辺りにかかる焦げ茶色のと片手で持てるんじゃないかという程に小さくてすこし丸い顔に黒縁の四角いメガネを掛けていて落ち着いた雰囲気の素朴な天使のような女の子。
しばらく互いに顔を見つめあってから天使が口を開いた。
「あの、聞いてます?本、戻しておきますから貸してください。」
「あっ、す、すみません、場所わからなくなっちゃって。」
可愛い過ぎて見つめてしまっていたことがすこし恥ずかしくなってきて、笑って誤魔化しながら慌てて持っていた本を渡す。
本を受け取りタイトルと著者名を見る天使。少しずれたメガネを本を持った手の甲で上に押し上げる。なんて可愛いのだろうか、心の奥底の方にある母性を目一杯にくすぐられた。顔全体の筋肉を緩ませながら天使を眺めていると。
「この人の作品、好きなんですか?」
「え?あっはい、読んでて展開が読めないから好きなんですよねー」
天使に話しかけられたことに一瞬、動揺しながらも自分の正直な気持ちを伝えた。私の返答を聞くと、ふ~んと言いながら小脇に抱えた本を戻し始めた。
この子も、もしかしてこの人の本好きなのかな?だとしたら、この本をきっかけにして仲良くなれるかもしれない。でも、やっぱりこんな可愛い子に話しかけるなんて緊張するなぁ。どうしようかな、せめて向こうから話しかけて来てくれれば楽なんだけど。
抱えていた何冊かの本を戻し終えると、私の目の前まで来て本を突き出してきた。
「この人の作品私も好きですよ。」
すると、ニコッと微笑むと私が口を開く前に体を百八十度回転させて、図書室のカウンターの方へと去っていった。
その日の帰り道、同じ本が好きだという共通点が出来た嬉しさと最後まで自分から話しかけることが出来なかったことの後悔が入り交じったような気持ちになった。
小さい頃から本が大好きだった。初めて出会った本は、小さなクマの女の子が大好きなお母さんの為にホットケーキを作るという話の絵本だった。絵本のなかに出てくるホットケーキは、満月のように綺麗な丸でとても柔らかい黄色をしていて、縦に積まれたホットケーキの頂上には生地の熱でじんわりと溶け始めているバターと黄金色をした蜂蜜のカーテンが掛けられていた。その絵本との出会いがきっかけで本が好きになったし、もちろんホットケーキも大好物になった。
高校に入ってから私は、もちろん図書委員になった。もちろん、本が好きだからというの一番の理由だけど図書委員になったのには、別の理由がある。
図書室での出来事を考えながら、帰りの電車が来るのを一人待っている。
それにしても、今日は暑い。それにもう電車が来るはずの時間はとっくに過ぎている。いくら田舎とはいえ電車はきっちり時間通り動いてくれないと困る、と電車への怒りが込み上げてくると同時に怒りと夏の暑さとの相乗効果によって汗がダラダラと流れ落ちる。額の汗を手で拭う、電車は一向に来る気配がない。背負っているリュックサックの重さが少しずつ気になり始める。毎日背負っていて普段なら気にならないはずのリュックサックの重さが暑さで頭の回転が悪くなっている事と、いつになったら来るのかも分からない電車をひたすら待ち続けているという今の状況のせいでリュックサックを通して地球の引力を身を持って実感している。ただ立ち続けているのにも疲れてホームの端にある古いベンチに腰を掛けることにした。
リュックの中から飲みかけのペットボトルを取り出して少し温くなった麦茶を喉に流し込む。乾燥しきった喉に一気に、麦茶が流れ込む、こんなにも麦茶を美味しいと感じたのは初めてだ。
委員会の仕事を終わらせて学校を後にしたわたしは、校門の辺りに何かがぽつんと落ちているのを見つけた。一歩ずつ、校門の落とし物に近づいていく、学生証だ。さっきまで図書室にいた人の顔写真と学年やクラスそれに住所まで書いてある。こんな大事なものを忘れるなんてどれだけ慌てていたかが分かる。それによくよく住所を見てみると私の家から歩いてそう遠くはない住所だった。普段なら校舎へ引き返して先生に渡すけど、今日のこの酷い暑さに冷静な判断ができずにどうせ近所なら直接、本人に手渡した方が早いと思った私は気づくと駅の方へと歩き始めていた。
駅に着いてからいったいどれくらいの時間が過ぎたのか、いつまでたっても電車どころか人っ子一人現れない。私の人生の中の青春という時間はこうして夏の暑さに押されつつも負けじと乾いた喉に麦茶を流し込むという防戦一方のこの状況でも時間はその足を止めることなく一秒一秒を着実に未来の方へと進んで行く。しかし、心なしかここに着いたときよりも少しだけ風が出始めて涼しいとお感じることが出来てきたようなきがする。
住んでいる場所がこれだけ近いならきっと登下校に使っている駅も同じはずだ。今から少し走ればまで間に合うかもしれない。体を動かすのはあまり得意ではないけど一生懸命に走ることにした。私の体力があまりにも無さすぎるせいなのかそれとも、今日のこの暑さのせいなのか走りはじめてすぐに息が上がった。一旦、呼吸を整えるために立ち止まるとその瞬間に滝のように汗が吹き出し始めた。なんとか呼吸を整えてからさっきまでよりも少しゆっくり、また駅の方に走り始めた。
駅のホームで一人、暑さにうなだれていると今まで、私一人だったこの場所に、に息を切らしながら全身汗だくの女の子が入ってきたことに気がつくと向こうも私を見つけて、こっちの方に走ってくる。だんだんと近づいてくるその子の顔をよく見るとさっき図書室で声をかけてきてくれた天使だということに気がついた。
天使は、私の目の前まで来ると両膝に手をつき息を整えながら言った。
「あ、あのこれって先輩のですよね?」
そういうと天使は、学生証を見せてきた。初めはなんのことか分からなかったけどよく見るとそれは、私の写真と学年とクラスも勿論のこと私の情報がしっかりと書いてる正真正銘、私の学生証で間違いはない。でも、どうしてこの天使が持っているんだろうと少しの疑問を残したままそれを受け取った。
「あっ、ありがとう!」
先輩は少し不思議そうな顔をしながら学生証を受け取った。でも、先輩が不思議がるのも当然の事だ。だってさっき、たまたま図書室で少しだけ言葉を交わした人間が突然、目の前に現れて自分の学生証を手渡されたら私だって驚くに決まってる。それでも、笑顔でお礼を言って受け取ってくれたから安心した。
先輩と私との間に少しの沈黙が出来る前に私は、帰りに正門の所に学生証が落ちていて私が、ここまで届けに来た経緯を簡単に説明した。
「なんだぁ、突然だったから少しびっくりしたけどそれで届けてくれたんだね、本当にありがとねこんなに暑いのにわざわざごめんね!よかったらお茶飲む?そうとう喉乾いたでしょう?」
「あ、いえ大丈夫です自分のがあるので、お気遣いありがとうございます。」
「でもまさか毎日、同じ電車に乗ってたなんて気づきもしなかったよこの駅って使う人も少ないし学校だっておなじなのにね!」
それからも先輩は、楽しそうに今日の照りつける太陽みたいな眩しい笑顔で、私がくるまでの一人だった時間のことや遅すぎる電車への文句なんかを楽しそうに話をしてくれた。それを聞いているだけで私もなんだか少しずつ楽しい気持ちになってきた。電車の中でも駅に着くまで二人きりの車内で楽しい時間を過ごすことができた。
いつもだったら長く感じる帰りの電車も今日だけは時間が過ぎるのをとっても早く感じた。
私は、天使と電車が来るまでひたすら喋り続けた。私のバカみたいな話にも相づちをうちながら楽しそうに話を聞いてくれた、その度に私は、力を入れて喋った。やっと来た、電車の中でも楽しい二人だけの時間を過ごすことができた。同じ駅で降りてから、明日もまた、二人で帰る約束をした。あれだけ電車が遅れたのも学生証を落としたのも全ては今日、こんなにもかわいい天使との出会いの為だったのかと思うと暑いなか一人で電車を町続けて良かったとほんの少しだけ思うことができた。
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