11 / 17
二人と本音と寝言。
しおりを挟む
今日は、朝から彼女の機嫌があまり良くない気がする。普段部屋で二人きりのときには、体温が分かる程に体をくっつけてくるのに今日は、なぜか私に背を向けてスマホをいじっている振りをしている。というのもさっきから電源の入っていない真っ黒な画面がチラチラと視界に入ってくる。
「ねぇ、リサ。」
沈黙を裂いた私の言葉に対しての返答は一切なく、相も変わらず真っ黒な画面を見つめている。
「さっきから、何見てるの?」
「別に、なんでもいいでしょ。」
やっと返ってきた言葉は少しの厳しさを纏っていた。
「リサ、怒ってる?」
「別に普通だけど。」
“普通”このワードが出てきた時は、必ず何かがある時と決まっている。リサはいつだって、私に対しては素直じゃない。でも、それは裏を返せば素直なんじゃないかとも思う。
「いや、普通じゃないでしょ、」
「うるさいなっ!普通だって言ってるでしょ!」
「ねぇ、何かあったなら聞くよ?話して?」
「だからしつこな、何も無いって言ってるでしょ。」
私の方も少し、ムキになってしまって完全にリサの機嫌を損ねてしまった。次の言葉が口から出る前にリサは、その場で体育座りをして両膝の間に顔を埋めたまま体を小さく前後に揺らし始めた。これが始まったらもう何を言ってもリサには届かない。もう、半ば諦めてリサの後ろで静かに項垂れていると。リサが小さな声で何かを喋っているのが聞こえた。
「確かに、、白石さんは綺麗だし、松村さんは可愛いけど、真夏のことが一番好きなのは私なのに、どうして気づいてくれないの。」
珍しくリサが完全防御態勢のまま私に話しかけてきている。にしても可愛すぎるこんなに可愛い生き物が自分の目の前にいるなんて信じられない。今すぐにでも抱きしめたいけど一応、相手は怒っている訳だし少しだけ我慢をしよう。
「まぁ、私の独り言なんて誰も聞いてないよね。」
自分の中で沸上がる感情を抑えることに夢中になっていると返答を期待していたリサが口を開いた。
「き、聞いてるに決まってるじゃん!」
真夏は勢いに任せてリサの体を後ろから優しく包んでそっと耳元でささやく。
「確かにさっきリサが言ってた通り、まいやんは綺麗だし、まっつんは可愛いけど、私が好きって気持ちを本気で向けられるのは、リサだけだよ?」
「また、調子の良い事ばっかり言って。」
「本当だよ、私の一番はリサだよ!」
「本当に?」
「うん、本当に!」
「あ、ありがと。」
「ううん、私こそ嫉妬してくれるぐらい私のことを好きでいてくれてありがとう!!大好きだよリサ!」
「私も好き、真夏のこと大好き。」
「ねぇ、リサ!」
そう言ってリサの顔を覗きこむと。小さく寝息を立ててリサは眠っていた。
「えっ!じゃあ、今までのって全部寝言なの?でもまぁ寝言でもリサが私のこと好きって言ってくれて嬉しいよ!ちゅっ!」
寝ているリサの頬に真夏の唇の痕が微かに移った。
「ねぇ、リサ。」
沈黙を裂いた私の言葉に対しての返答は一切なく、相も変わらず真っ黒な画面を見つめている。
「さっきから、何見てるの?」
「別に、なんでもいいでしょ。」
やっと返ってきた言葉は少しの厳しさを纏っていた。
「リサ、怒ってる?」
「別に普通だけど。」
“普通”このワードが出てきた時は、必ず何かがある時と決まっている。リサはいつだって、私に対しては素直じゃない。でも、それは裏を返せば素直なんじゃないかとも思う。
「いや、普通じゃないでしょ、」
「うるさいなっ!普通だって言ってるでしょ!」
「ねぇ、何かあったなら聞くよ?話して?」
「だからしつこな、何も無いって言ってるでしょ。」
私の方も少し、ムキになってしまって完全にリサの機嫌を損ねてしまった。次の言葉が口から出る前にリサは、その場で体育座りをして両膝の間に顔を埋めたまま体を小さく前後に揺らし始めた。これが始まったらもう何を言ってもリサには届かない。もう、半ば諦めてリサの後ろで静かに項垂れていると。リサが小さな声で何かを喋っているのが聞こえた。
「確かに、、白石さんは綺麗だし、松村さんは可愛いけど、真夏のことが一番好きなのは私なのに、どうして気づいてくれないの。」
珍しくリサが完全防御態勢のまま私に話しかけてきている。にしても可愛すぎるこんなに可愛い生き物が自分の目の前にいるなんて信じられない。今すぐにでも抱きしめたいけど一応、相手は怒っている訳だし少しだけ我慢をしよう。
「まぁ、私の独り言なんて誰も聞いてないよね。」
自分の中で沸上がる感情を抑えることに夢中になっていると返答を期待していたリサが口を開いた。
「き、聞いてるに決まってるじゃん!」
真夏は勢いに任せてリサの体を後ろから優しく包んでそっと耳元でささやく。
「確かにさっきリサが言ってた通り、まいやんは綺麗だし、まっつんは可愛いけど、私が好きって気持ちを本気で向けられるのは、リサだけだよ?」
「また、調子の良い事ばっかり言って。」
「本当だよ、私の一番はリサだよ!」
「本当に?」
「うん、本当に!」
「あ、ありがと。」
「ううん、私こそ嫉妬してくれるぐらい私のことを好きでいてくれてありがとう!!大好きだよリサ!」
「私も好き、真夏のこと大好き。」
「ねぇ、リサ!」
そう言ってリサの顔を覗きこむと。小さく寝息を立ててリサは眠っていた。
「えっ!じゃあ、今までのって全部寝言なの?でもまぁ寝言でもリサが私のこと好きって言ってくれて嬉しいよ!ちゅっ!」
寝ているリサの頬に真夏の唇の痕が微かに移った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】「別れようって言っただけなのに。」そう言われましてももう遅いですよ。
まりぃべる
恋愛
「俺たちもう終わりだ。別れよう。」
そう言われたので、その通りにしたまでですが何か?
自分の言葉には、責任を持たなければいけませんわよ。
☆★
感想を下さった方ありがとうございますm(__)m
とても、嬉しいです。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる