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謎の遺言と最悪の出会い
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家庭の事情を理解し心配してくれた上司の配慮もあり、ずいぶん勤務シフトや休みを調整してもらっていた。
未歩をはじめ多くの同僚たちも心配してくれていたが、最近になって母も仕事に復帰し、私も通常どおりの勤務に戻っていた。
祖母との日々を思い出すたび、さみしさは募った。
けれど、前を向いて毎日を過ごしていかなければ、そう思っていた矢先だった。
先週末、品川区内にある実家に戻った際、母から思いがけない話を聞いた。
『蕗、このお店を閉店して引っ越さなきゃいけないかも』
『え、なんで?』
母の唐突な話に驚いて聞き返す。
二階建ての実家の一階では母がカフェ〝Contrail〟を営んでいる。
幼い頃から菓子作りが趣味だった母が作るケーキはおいしいと評判で数年前からテイクアウトも始めていた。
元々は祖父母が営んでいた食堂を改装し、母が父と結婚する前に引き継いだらしい。
開店当初は急に変わった雰囲気とメニューにこれまでの客足が遠のき、接客にも慣れずに四苦八苦していたらしい。
小さい頃から母が作るお菓子と店が大好きだった私は小学校から帰ればすぐ、店に入り浸ってできる範囲で母を手伝っていた。
同じ年頃の子どもが保護者と来店したときは嬉しくて積極的に話しかけ、母に注意されたくらいだ。
父も休日には手伝っていた。
場所柄もあり父の元同僚や後輩、航空関係の人たちの利用が今も多い。
赤字続きでも、大借金があるわけでもないはずなのに、なぜ閉店するのだろう。
未歩をはじめ多くの同僚たちも心配してくれていたが、最近になって母も仕事に復帰し、私も通常どおりの勤務に戻っていた。
祖母との日々を思い出すたび、さみしさは募った。
けれど、前を向いて毎日を過ごしていかなければ、そう思っていた矢先だった。
先週末、品川区内にある実家に戻った際、母から思いがけない話を聞いた。
『蕗、このお店を閉店して引っ越さなきゃいけないかも』
『え、なんで?』
母の唐突な話に驚いて聞き返す。
二階建ての実家の一階では母がカフェ〝Contrail〟を営んでいる。
幼い頃から菓子作りが趣味だった母が作るケーキはおいしいと評判で数年前からテイクアウトも始めていた。
元々は祖父母が営んでいた食堂を改装し、母が父と結婚する前に引き継いだらしい。
開店当初は急に変わった雰囲気とメニューにこれまでの客足が遠のき、接客にも慣れずに四苦八苦していたらしい。
小さい頃から母が作るお菓子と店が大好きだった私は小学校から帰ればすぐ、店に入り浸ってできる範囲で母を手伝っていた。
同じ年頃の子どもが保護者と来店したときは嬉しくて積極的に話しかけ、母に注意されたくらいだ。
父も休日には手伝っていた。
場所柄もあり父の元同僚や後輩、航空関係の人たちの利用が今も多い。
赤字続きでも、大借金があるわけでもないはずなのに、なぜ閉店するのだろう。
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