異種族ちゃんねる

kurobusi

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【豚の血液でがまんするのもうやだ】

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異種族ちゃんねる

【豚の血液でがまんするのもうやだ】

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人の血のみたい

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わかる

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最近は自分に催眠を掛けてなんとかしてる

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「これは人の血………これは人の血………」って言いながらグラスに家畜の血淹れてる

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それなんとかなってなくない?

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誇り高い吸血鬼が持つ力の使い方じゃないだろ

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異種族交流法とかいう若い吸血鬼のことなんも考えてない法律

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分かる 人に催眠掛けるの禁止って何考えてんだよ

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自力で口説いて吸血まで持ってかないと無理ってことだよね

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ハードルが ハードルが高い

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こないださぁ勇気を振り絞ってさぁ町で配達してたお兄さんに声掛けたんよ

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ずっと屋敷に引き籠ってて久々に発声したから声裏返るわつっかえるわで大変だったな

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ミステリアスに「やぁ 良い夜だね」と挨拶しようとしたら思った以上に声出なくてさ

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「や↓あぁ↑ いいっよ、いい夜でねぃ!!」みたいな感じになった

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嚙んだのに無理矢理言い切るんじゃないよ仕切り直せ

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あまりにダサいけど自分も似たようなことになる自信があるから馬鹿にできない

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それで?どんな感じに逃げられたの?

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逃がした前提で話を進めるな

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確かに「あっ………そう、ですね?」って言いながらそのまま通り過ぎられたけど

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反応くれるだけ優しい

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仕事で忙しかったろうに

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というかよく聞き取れたな

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接客もするっちゃする職業だし

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けど挨拶返してくれたってことは脈あるんじゃね?

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確かに

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やめろいらんこというなストーカーを生み出すな

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いつか思い余って魅了を使ってでも事に及ぶパターンの話は聞きたくない

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そういうのの積み重ねで規制って厳しくなっていくからな

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あ~も~あまりにも吸血できてないからかなり力が弱ってる感じがする

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分かるなぁ この間買い物帰りに雨に降られたんだけども

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傘忘れたけど流水とはいえ小雨だしまぁいける!とか思ってたら道中マジで死にかけたなぁ

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弱い

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哀れ

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好きなように言ってもらえればいいよ 後でそんなことはどうでもよくなる位いいことあったもん

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何?

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雨に晒されてる身体がだいぶ灰になってきてヤバイヤバイヤバイってなってたらさ

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急に何かが雨を遮ってくれてね

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お?

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「大丈夫………じゃないですよね」「窓からあなたの姿が見えて大変だと思って」

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崩れかかってる私を見て近くの民家から傘持ったお兄さんが飛び出してくれたんだ

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はぁ~~~?

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そんなことある?

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まじ?

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しかもそのまま「大変だったでしょう。少し休んでいってください」って家に入れてくれたんだよね

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おい不幸中の幸いどころじゃないだろ

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幸と不幸のレートがおかしい

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温めた牛乳まで出してくれてさ 明らかに“分かってる人”だったね

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「吸血鬼の人にはお世話になってて」「だからこれは恩返しみたいなものなんです」

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照れくさそうに言う姿はあまりに美しく 肖像を我が家に飾りたいくらいだったよ

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どんな善行を積んだらそんなシチュを引き当てられるんだよ

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私も雨の日に出掛ければワンチャン?

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多分雨上がりのぬかるんだ地面に灰の山が出現するだけだぞ

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悲しい

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とにかくこの好機を逃がすつもりは一切無かったね

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どう篭絡するか考えていたんだが そこで彼が頬を紅くして私から視線を逸らしている事に気付いた

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何かと思ったんだが 身体は再生しても私の服は乾いてなくてね

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張り付いて透けていたわけだ 色々と

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おいこいつ幸運に恵まれすぎだろ

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運だけで渡り合うな 

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まぁこの武器を活かさない手は考えられなかったね

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私はグッと距離を詰めて囁いた

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こんなに良くしてくれてありがとう 私も君にお礼がしたいな とね

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彼は「そ、そんなつもりでは……」と困った様子でねぇ

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でも私から目が離せない 初心であまりにも可愛らしかった

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あ”~痛くしないからちょっとだけ吸わせて欲しい

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こんなんもうほぼ合意じゃん

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発想がキモイけど気持ちは分かる

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私も辛抱堪らなくなってね

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飛びつくようにして彼に抱き着いたんだ

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嗚呼 人のぬくもり 堪らなかった

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未だに私は人のぬくもりを知らない私にも分かりやすく伝えてくれ

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よう吸血童貞

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黙れ

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こればかりは経験してみないと分からないねぇ

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そのままさらに深く彼を求め蛇の様に絡みつく私

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我慢が効かず漏れ出す彼の声は今まで聞いたどの音楽よりも私の心を高揚させてくれたよ

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おぉう盛り上がってきちゃった

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そんな声の一つ一つを聞き逃すまいと耳をそばだてていると

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おいおいおい

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「あっ、母さん」というちょっと間の抜けた彼の声が耳に入った

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おっ おっ?

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えっ母さん?

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振り返って玄関の方を見ると 鬼の形相をした吸血鬼が立っていてねぇ

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ご子息に襲い掛かろうとしている不審者にしか見えなかったであろう私は思いっ切りぶっ飛ばされた

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一瞬で身体が灰になった私はそこでやっと“世話になっている吸血鬼”とやらはお義母様の事だと気づいたのさ

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お母様強いっすね

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旦那さんからいっぱい血貰ってるんだろうなぁ

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息子さんは養子だったかぁ

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ちなみに そのままマジギレしたお義母様に灰を増水した川に流されかけた

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マジの殺り方だな

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運の揺り戻しが来たな

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誇張抜きに消滅の危機だったが 愛しの彼がどうにか取り成してくれたおかげで事なきを得たよ

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サラッと愛しの彼とか言ってるあたり懲りてないだろお前

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当然だ脈があるのは確認できたんだ次はもっとうまくやるさ

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ああ こうしてまた規制が厳しくなってゆくのか

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負のスパイラル




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