殺し屋が異世界転移してもやっぱり職業は変わらないみたいです

クレハ

文字の大きさ
39 / 43
三章

37.魔の森

しおりを挟む
「コンコーンッ!リョカー、居るー?迎えに来たよー」

レビアの声が聞こえたので急いで身支度を整え扉を開ける

ガチャッ

「ごめんお待たせ!」

「んーん、大丈夫だよー、最初図書館に迎えに行こうかと思ったけど、なんか家にいるのを見たって人が何人かいたから家の方に来たんだー、来て正解だったよー」

「デリーあたりにでも知らせとけばよかったな、悪いレビア」

「気にしないでー!それよりもう出発しようかー忘れ物とかないー?」

「うん、大丈夫だ、じゃあスイそう言うことだから帰りがどのくらいになるかは分からないけど留守の間この家よろしくなー!」

「ああ、気にしないで行っておいで、気を付けてね」

そう言って俺のおでこにキスをするスイ

「勝手に何をする!」

「これから何日か会えないと考えたら思わず」

よよよ、と泣き真似をするスイ

するとレビアが俺のおでこを洋服の裾で激しく擦り出した

「痛い痛い痛い!なに!?やめてレビア!」

突然のことにびっくりする俺

「リョカのおでこが汚れたからちゃんと綺麗にしておいたよー、リョカ、俺偉いでしょー?」

そう言って笑うレビア

取り敢えず偉い偉いと言っておくとするか

「偉い、ありがとう」

俺はレビアの頭をついでに撫でる

「んふふー」

なんだか満足したみたいだ、良かったー

これ以上二人が喧嘩しないようにさっさと出発するか

「じゃあレビア、準備もできたし行こう!行ってきます!スイ」

「行ってらっしゃい」

そう言って俺達を壁にもたれて見送るスイ

俺がいない間に無事黒歴史を作ってくれることを祈ろう、ウッシッシッ














「さてー、集合場所が魔の森の入り口だから歩いていくよー」

「了解」

そう言って俺とレビアは魔の森に向けて歩き出す

「どう?この3日でこの間言ってた魔法陣の研究は進んだ?」

「それが聞いてくれよ!ものすごく難しくてさー、最終的にはイメージという名の力技で魔法陣組み立てようと思ってさ!あ、一応これが魔法陣の設計図なんだけど見る?」

「うんー、見てみるー」

俺はインベントリから設計図を何枚か取り出しレビアに渡す

それを受け取ったレビアがしばらく設計図とにらめっこすると口を開き、おそるおそる話しかけてきた。

「リ、リョカー、この魔法陣本当に発動する事ができるのー?」

「分からないな、瘴気の濃度にもよると思う、でも魔道具とかじゃなくて魔法陣だから万が一にも故障して使えなくなった、なんて事は起こらないと思う。」

「じゃあ結局のところ森を見てみないと分からないんだぁ?」

「そゆこと!」

そうこう話しているうちに魔の森の入り口に着いた

こちらに気がついた第一王子のコール・アロール殿下が走ってくる。

「ユリアシス先生!リョカ先生!道中何事もなかったですか?」

「ええー、大丈夫でしたよー」

「私も大丈夫でした、本日はよろしくお願いいたします」

俺は軽く頭を下げる

「良かった、では今日の予定を確認しましょう」

その言葉に俺とレビアは首を縦に振って頷く。

「こちらのテントに来て下さい」

第一王子の後をついて行くとテントの中には知らない二人が待機していた。

誰だろう?

そう疑問に思っていると第一王子が紹介をしてくれた。

「ユリアシス先生、リョカ先生、こちら今回の魔の森の調査に参加してくれる騎士団長のナダル・ラシータ殿と魔術師団長のタジェ・マジスター殿だ。そしてこちらがアロール学園の実技担当の先生であるレビア・ユリアシス先生と助手であるリョカ先生だ」

「ご紹介に預かりましたー、レビア・ユリアシスです、どうぞよろしくお願いしますー」

「リョカと申します、よろしくお願いいたします。」

俺とレビアは軽く頭を下げる

「ああ、あなた方が例の...この度は息子達が世話になりました。あのままで取り返しのつかないことになっていたと思います。それにまさか魅了魔法を見抜けるとは、素晴らしい目をお持ちです。」

と魔術師団長が感謝と興味の視線を向けてくる

「私の息子も世話になりました。お陰で廃嫡せずにすみました、なんとお礼を言っていいのか、本当にありがとうございます」

そう言って今度は騎士団長が頭を下げてくる

「いえ、私達はやるべきことをやっただけですのでお気になさらず。ね、レビア」

「そうですよー、気になさらないでくださいー」

「さて!挨拶もすみましたね!では改めて今回の魔の森の調査についてですが」

そういうと第一王子が魔の森の地図をバサリと広げる

「浅いところから最深部までで、レベルC、レベルB、レベルAと危険度があります因みにレベルAが最深部です。今日はこのレベルCの区域まで調査してみたいと思います。それでリョカ先生の判断をあおぎたいのですが...どうでしょう?」

「ふむ、いいと思います、俺が設計した魔法陣がどの程度の瘴気なら機能するのかも気になりますし。」

「魔法陣...?まさかそれはオリジナルですか!?」

ギランと目の色を変えて俺を見てきたのは魔術師団長だ。

「ええ、この理論であっていればおそらくちゃんと機能するはずです、あとは実際に瘴気の濃度を見てみなければ何とも...」

「少し見せてもらっても!?」

「良いですよ」

俺はインベントリから魔法陣の設計図を何枚か取り出して魔術師団長に渡した

「こっ、これは...!」

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

【完結】弟を幸せにする唯一のルートを探すため、兄は何度も『やり直す』

バナナ男さん
BL
優秀な騎士の家系である伯爵家の【クレパス家】に生まれた<グレイ>は、容姿、実力、共に恵まれず、常に平均以上が取れない事から両親に冷たく扱われて育った。  そんなある日、父が気まぐれに手を出した娼婦が生んだ子供、腹違いの弟<ルーカス>が家にやってくる。 その生まれから弟は自分以上に両親にも使用人達にも冷たく扱われ、グレイは初めて『褒められる』という行為を知る。 それに恐怖を感じつつ、グレイはルーカスに接触を試みるも「金に困った事がないお坊ちゃんが!」と手酷く拒絶されてしまい……。   最初ツンツン、のちヤンデレ執着に変化する美形の弟✕平凡な兄です。兄弟、ヤンデレなので、地雷の方はご注意下さいm(__)m

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? 騎士×妖精

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

悲報、転生したらギャルゲーの主人公だったのに、悪友も一緒に転生してきたせいで開幕即終了のお知らせ

椿谷あずる
BL
平凡な高校生だった俺は、ある日事故で命を落としギャルゲーの世界に主人公としてに転生した――はずだった。薔薇色のハーレムライフを望んだ俺の前に、なぜか一緒に事故に巻き込まれた悪友・野里レンまで転生してきて!?「お前だけハーレムなんて、絶対ズルいだろ?」っておい、俺のハーレム計画はどうなるんだ?ヒロインじゃなく、男とばかりフラグが立ってしまうギャルゲー世界。俺のハーレム計画、開幕十分で即終了のお知らせ……!

処理中です...