俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ

文字の大きさ
22 / 45
初等部編

22.緊急事態

しおりを挟む
ある日の夜、俺は研究室に篭っていた。

勿論オブシディアンも一緒である。

「うーん、何とかして成長する武器を作れないものか...」

「成長する武器?」

「そー!使う人によってどんな武器に成長するか分からない武器!ロマンじゃない?カッコよくない!?」

「そんな武器が本当に作れるのか?」

「だから研究してるんじゃん」

「そうか」

そんな事をオブシディアンと話していると耳につけているピアスからメイルの切羽詰まった声が聞こえてきた。

「イズっ!助けてっ!!」

ガタンッ

コレは絶対にヤバいやつ

俺はすぐ近くにあった絶対切断と魔法切断と自動修復機能が付与された刀を手に取るとオブシディアンに声をかける。

「メイルがヤバい!行くぞオブシディアン!」

「はぁ、またあのガキか」

まだ何か言いたそうだったがそれを無視してオブシディアンと一緒にメイルの元に転移する。

メイルの部屋の扉の前まで転移するとそこは異常なくらい人気が無かった。

おそらくはこの人除けの結界。

そしてもう一つの結界、アンチマジックエリア。

いわゆる魔法使用不可の結界だ。

チッ、面倒な...

とにかく部屋に入るか

バンッ

「殿下!」

「イズっ!」

「アイスランス」

ガガガッ

アンチマジックエリアで魔法だと!?

「イズリル、あの襲撃者だけ魔法が使えるように何かしらの魔道具を持っているぞ」

「厄介だなー!もう!」

部屋に入るとそこには魔法障壁が発動しているメイルと床には大量に血を流しているキリエ、ロニー、アロナ。

かろうじて生命反応があるのが救いだ。

だがこのアンチマジックエリアのせいで魔法での治療ができない。

早々に片付けないとヤバいぞ!

「貴様、何者だ」

「......」

典型的な暗殺者だな、無駄口には応じてくれないか。

「イズリルならこの程度の暗殺者大丈夫だろう、私が手伝うまでもない、思うようにやってみるといい。」

...まあ普段オブシディアンと稽古しているからかそんなに怖くはないんだけどね、この暗殺者。

でもその油断が死に繋がるかもしれないので油断もしないし多少痛めつけてから死なないギリギリのラインでとらえなければならない。

殺さないのが一番難しいのだ。

「貴様には聞きたいことがあるからな、悪いがとらえさせてもらう。」

「...ほざけ、殺してやるよ」

「ファイアランス」

ズバッ

「なっ!」

「悪いな、俺に切れないものはない。」

やべ、ちょっと厨二病っぽいこと言っちゃった!

恥ずかしいー!

「桜吹雪」

そう言うと俺の体が大量の桜の花びらになって姿を消し暗殺者の死角から姿を現すと同時に首を狙う。

「っ!!」

ブシュッ

パタタッ

おや、あまり手応えはなかったな、まあある程度血を流させることが目的なので良いのだが。

暗殺者は何が起こったのかわからず、感で避けたっぽいな。

切れた首に手を当てて止血している。

どうやら治癒魔法は使えないみたいだ。

よかったー、治癒魔法使えたら自分で傷治しちゃうもんな。

ギィィィンッ

ガキンッ

キンキンキンッ

魔法では叶わないと思ったのか剣を使いだしたので俺も合わせて剣でうち合う

オブシディアンの剣速に比べたら止まって見えるな。

「イズリル、遊んでないでそろそろ終わらせろ、こいつら死ぬぞ、まぁ私にはどうでも良いのだが」

「おっと、そうだった!じゃあ暗殺者さん、実践訓練に付き合ってくれてありがとう、お礼にもう二度と剣を握れないようにしてあげるね!」

ズバッ

「え...あ、ギャァァァァアアッ!!!俺の腕がぁっ!!」

流石俺の作った武器。

切れ味抜群。

暗殺者が気絶したのでこの部屋に張ってあった結界も解除された。

と言うか、よくよく考えたら俺の方が魔力量あるんだし結界なんて上書きできたかも。

でも結界魔法って厄介で、本人の任意なく結界が解除されたりした場合爆破するとか厄介な術式が組み込んであったりすることもあるから結界の解除は慎重に行わなければならないのだ。

ここに俺とオブシディアンだけなら無理やり書き換えても良かったけどメイル達もいたからな。

とりあえず

「倒れて血を流している三人にエリアヒール」

よし、血は止まったな。

「衛兵!!衛兵は居ないのか!!」

扉から大声で叫ぶと廊下がバタバタと騒がしくなってきた

「何事だ!何故殿下の部屋に見張がいないのだ!!」

「そんな事より医者を呼べ!暗殺だ!殿下は無事だが側近候補三名負傷!重症だ急げ!止血はしてある!」

「は、はいっ!!おい!急ぎ医者を呼べ!陛下にも報告を急げ!」

「はっ!!」

指示を出し終え、俺は急いでメイルの所へ駆け寄る。

「殿下、殿下!」

虚な目をしているメイルの頬をペチペチと叩く

チッ!

「メイルッ!!」

ビクッとメイルの肩が反応し俺に視線を移す。

「あ...キリエとロニーとアロナが...イズっ、イズ、どうすれば...俺」

「しっかりしろ!止血はした、あいつらは生きてる!賊も捉えた!あいつらの主であるお前がしっかりしなくてどうする!」

「生きてる...ほんと?」

ポロポロと涙を流すメイル

「泣き虫は健在か」

「え」

「イズリル、今度は暗殺者が死にそうだぞ」

「おっと!そうだった、忘れてた!ヒール」

暗殺者にヒールをかけると呼吸が元に戻り、顔色も血色を取り戻した。

とりあえず紐で足を縛っておこう。

そうして足を縛っていると廊下がまたバタバタと騒がしくなってきた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

【完結】パパ、私は犯人じゃないよ ~処刑予定の私、冷徹公爵(パパ)に溺愛されるまで~

チャビューヘ
ファンタジー
※タイトル変更しました。 「掃除(処分)しろ」と私を捨てた冷徹な父。生き残るために「心を無」にして媚びを売ったら。 「……お前の声だけが、うるさくない」 心の声が聞こえるパパと、それを知らずに生存戦略を練る娘の物語。 ----- 感想送っていただいている皆様へ たくさんの嬉しい言葉や厳しい意見も届いており一つ一つがすごく嬉しいのと頑張ろうと感じています。ご意見を元に修正必要な部分は随時更新していきます。 成長のため感想欄を閉じませんが公開はする予定ありません。ですが必ず全て目を通しています。拙作にお時間を頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...