黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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三章

待望のランクアップときな臭い情報

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「おい、ハーリス!ランクアップの手続きここでやるから道具ここにもってこい!」

「はいはい、全く人使いあらいんですからギルマスは」

「レオン、俺達本当にランクアップするのかな、なんか嬉しいな!」

「ん、うれ...し!」

「そう言えばお前らの出身はミドラム王国か?冒険者カードを作ったのがミドラム王国ってなってるけど」

「ああ、そうだよ」

「ミドラム王国は平和な方だが、ここ最近のガルダス帝国はちと物騒でな...」

「何かあったの?」

「あぁ、実は昔、100年前くらいにガルダス帝国に属国になった漢栄国という国があってな、その国の復活を目論む奴らが最近になって急に動きが活発になってな。お前らもくれぐれも気をつけてくれ。」

漢栄国の復活を目論む奴ら...か

ワシはセドとレオンの方を向き、視線を合わせる

二人とも不安そうな表情をしている

そこで丁度良く受付嬢のハーリスさんが部屋にランクアップの手続きをする道具を持って入ってきた。

「ギルマスー、ランクアップ用の道具持ってきましたよ」

「おう、ありがとな!ま、今の話は気に留めておく程度でいいぞ、どうせそのうち騎士団とかが動いて鎮圧するだろうからな。」

「情報ありがとう、さあ二人ともランクアップの手続きやってさっさとご飯食べよう、ギルマス早くランクアップの手続き頼むよ」

そう言ってギルマスを急かす。

「おう、待ってろ、これをこうしてカートを通すと...、ほらよ、ランクアップの手続き完了だ、二人ともこれでCランクだ!これからもギルドに貢献よろしくな!」

「了解、じゃあワシ等はこれで失礼するよ、行こう、セドとレオン」

「ギルマス、ありがとうございました!」

「あり...がと」

「おう、またな!」









ギルドに行ってからそのまま木漏れ日の宿に帰ってきたワシ等は少し早めの夜ご飯を宿で食べて部屋に戻った。

「さてと、早速奴らの情報が手に入ったけだが...」

「イサギさん、どうしよう...相手側にイサギさんが漢栄国の王族だってバレたのかな?」

「流石に100年前の王族が実際に居ると考えつく奴は居ないよ、せいぜい子孫か何かだと思っているんじゃないかな?」

「そうか、そうだよね...」

「ただ、こっちではいよいよ本格的にワシの素顔と髪の毛を見せるのは危険になってきたな」

ワシの言葉にセドとレオンは真剣にコクリと首を縦に振る。

そしてワシは胸元から王位継承権第一位の証である紅水晶のネックレスを取り出し二人に見せながら言う

「この紅水晶は王位継承権第一位の証ではあるけれど、それと同時にワシにとって形見のようなものだ、この国での両親や兄弟との思い出はないけれどこの世界での唯一のつながりのようなものだ。でもかと言って今あるこの国の平和をおびやかしたいわけではない。」

「せっかく三人で揃って冒険ができるんだ!こんな事で邪魔されたくはないよ!ね、レオン!」

「ん...っ!」

そう言ってレオンがコクコクと首を縦に振る

「と言うことで、セド、このピアスを常に身につけておいてくれ」

「えっ!?このピアスってイサギさんの大切なピアスじゃ...」

「このピアスは着けていればお互いの位置がすぐに分かるんだ。ワシのこのスマホの機能があれば直ぐに二人の位置が共有されるから実はあっても無くてもどちらでもいいんだよね、むしろ今の状況ならセドが持っていたほうがいいかも。はぐれた時セドもレオンもこれでお互いの位置が直ぐに分かるようになるから。」

そう言ってワシはピアスを外すとセドの耳に着ける。

チャリっとセドの耳に揺れるダイヤモンドの輝きにワシは安堵する

「イサギさんっ、俺、このピアス大切にするよ!ありがとう!」

「うん、大切にしてくれ。」

そう言ってワシは笑う

「さて、問題はまだ何も解決はしていないが、とにかくワシが黒髪なのを知っているのはミリーさんやその近所の人数人程度。この世界に来た時にワシの姿を見た人達と第二騎士団団長殿とガレアさんかな、ぶっちゃけこの人達にバレてても何ら問題はない。後はこのガルダス帝国の人達にこの髪の毛と紅水晶を見られないようにすればいいだけたからな。」

「そう言えばイサギさん少し前にミドラム王国にいた時に怪しい奴ら見かけたって言ってなかった?その人達がイサギさんの事探ってたってことは無い?」

確かにそれは考えてた。

「でもあれからワシの周りに現れたことがないんだ。」

「じゃあ今は様子見するしか無いってこと?」

「そうなるなあ」

「じゃあ各自外に出るときは、程々に警戒しながら過ごすって事で良いかな?」

「そうしよう、レオンも気をつけるように!」

「ん!」

「よし、今日は少し早いけど休んじゃおうか」

「だね!疲れたしこれからも旅は続けるからね!」

「おやすみ、セド、レオン」

「おやすみなさい!イサギさん、レオン!」

「おや...すみな...さい、セド...お、兄ちゃん...」






この時はまさかあんな事が起こるなんてワシはこれっぽっちも思っていなかったんだーーー。







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