黒髪が王族の証という異世界に転移しました、自重は致しません。

クレハ

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三章

その日は唐突に

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ガルダス帝国に来て一週間が経った、この国に少し慣れてきたワシ等はギルドで受けた依頼をこなす為にとある草原に来ていた。

「グランドホーンなかなか見つからないね、イサギさん」

「そうだね、こうも見つからないとは…もう少し森の奥に入ってみるか、セドとレオン、体力はまだ大丈夫かな?」

「もちろん!」

「ん!」

二人の元気な返事を聞いたワシはスマホを見ながら森の奥に入る事にした。

「良し、じゃあ森に入ろう」














ブブッ

スマホに反応があった

「二人とも、近くにグランドホーンがいる、いつも通りワシが最初やつの気を引くからレオンはグランドホーンにデバフを、トドメはセドで!行くよっ」

ガサッ

「ブルルルルッ」

ワシが草むらからわざと音を立てて出ていき、グランドホーンの注意を引く

「ハッ!」

ザシュッ

ワシは双剣で確実に細かい傷をつけ、徐々にストレスを与えていく

レオンのデバフも効いているのかグランドホーンの動きが悪い

そろそろかな

ピュイッ

ワシが合図を出すとセドが首を狙って剣を振り下ろす

が、グランドホーンの皮膚が固く、決定打を与えきれてない

「セド!一度下がって、交代だ!ワシがやる!」

「うん!」

ワシは双剣をしまい、心を落ち着けるために深呼吸をする

「アルファ・ベータ・ガンマ・デルタ・イプシロン・ゼータ・エータ...」

そう言いながら体のツボに北斗七星を描くかのように拳を振るう。

そしてそれが完成したが最後、大量の血を吐いて絶命する。



ズドォォォォンッ



「イサギさん!」

「おに...ちゃん」

そう言って二人がワシのところへ走ってくる

「イサギさん怪我はない?ごめん、俺がちゃんと仕留めきれなかったから...」

「セドは悪くないよ、あのグランドホーンはBランクの魔物だからね。これからもっと沢山の魔物と戦ってみんな一緒に頑張って成長していこう」

「イサギさん...うん!レオン、頑張ろうな!」

「ん!」

そう言うとレオンは首を縦にコクコクと振った。

「さて、そろそろ帰っ!セド!!」

ワシがそう叫んだ瞬間セドの肩に弓矢が刺さった

トスッ!

「っ!いっ...!?」

「レオン!防御は頼んだ!」

ワシは咄嗟にレオンにそう指示する。

レオンも驚いた顔をして青ざめていたがワシの指示に従って光魔法でより強固な障壁を作り、ワシ達を守る。

「セド!大丈夫!?」

「イサギさん...、さ、寒くてっ...」

「チッ!毒か!!レオン!後の事はワシに任せてセドの毒の治療を!」

「う...!」

レオンはコクコクと頷くと涙を流しながら急いでセドのところまで来ると光魔法で治療しだした。

それを横目で確認するとワシは襲撃してきた奴等を見渡す

多いな...ざっと15人

「何が目的だ」

そうすると襲撃者の一人が一歩前に出てきた

「私達は今はなき漢栄国の復活を目的とした組織です。貴方が黒髪の王族であるという情報を手に入れ、藁にも縋る思いでこうして確認しに来た次第です。」

「それでワシの仲間に手を出してくれたわけか」

「仲間?ああ、そちらの邪魔者ですか。私達の邪魔になりそうだったので先に戦闘不能にしたかったのですが...そろそろ回復してしまいそうですね。残念です。」

邪魔者...?

ふざけるなよカスが。

「ワシのご機嫌取りをしたいのならば判断を誤ったな、貴様らは生きて返さない。」

「困りましたね...此方としましては貴方様のご尊顔を拝謁し、確認したいだけなのですが...」

「答えは否だ。」

「分かりました、あまりこのような事はしたくなかったのですが此方も実力行使するしか無さそうですね」

「レオン!治療は終わったか!?」

そう大きな声で聞くと

「ん!」

と元気な返事がかえってきた

「セド!すまない、動けるならレオンと一緒に戦ってくれ!」

「っ!うん!本調子ではないけどレオンを守る位は役に立つよ!」

二人の返事を聞いてホッとし、ワシも戦闘態勢にはいる。

双剣を抜きチャキッと構え、ジリジリと相手との間合いを見極める




そうして戦いの火蓋が落とされた。






「はぁっ、はあっ、」

コイツら全員戦いに慣れていて動きに無駄がない。

面倒な奴等だ

セドもレオンも中々敵に決定打を与えきれてない。

このままじゃジリ貧だ

そんな事を考えていると

頬の真横をナイフが通り過ぎ、パサリとフードが取れワシの顔があらわになった

しくった、考え事をしていたから反応するのか遅れた

「あぁ!やはり!あの者たちの報告は正しかったのだ!なんと美しい黒髪!そしてそのご尊顔は王女様と瓜二つ!あぁ、神よ!神は我らに味方したのだ!!」

さっきからベラベラと喋っているコイツ以外の敵はみんなセドとレオンのところに行っていて只でさえ劣勢なのに!

早くセドとレオンの方に行かなければ!

でもコイツが強くて向こうに加勢に行けない、どうすれば!

挙句の果てには顔を見られてしまった己の情けなさ!

「チッ、この変態が!死ね!」

「おっと危ない、あぁ、その様な言葉遣いはいけませんよ、...ふむ、まさかあの邪魔者二人が貴方様に悪影響を?それはいけませんねぇ、早く殺してさしあげましょう」

そう言うと目の前の野郎がセドとレオンの方へと走る

「やめろーーーっ!!!!!セド!レオン!」

ザンッ!!!

ブシューーーッ!!!





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