酸っぱいだらけのアブナイ戯れ

みのる

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ー案件その壱ー入行

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『私、此方の支店に配属になりました、加地   美樹と申します!これから、お世話になります‼️』

支店のみんなの前での自己紹介。私はこれまでに無いってほどガチガチに緊張していた。
私は、昔から人前で何か話したりするのが最苦手行為である。

『僕は岡田   泰昭です。先程の加地さんと共にこれから此方で頑張ります』

なんとなく、私よりも自己紹介慣れしているような感じだ。
岡田   泰昭…私と共にこの少し大きめな支店にふたり、この四月から新入行員が入った。
朝礼の時の挨拶、支店のみんなは快く私達を迎え入れてくれた。

それから、私と岡田の『銀行LIFE』は始まった。
新入行員のする事と言えば!!当時は来客時の”お茶くみ“&ワンコールでの”電話応対“。
お茶くみはともかく、私は電話も苦手である。初めはそれは尻込みしていたものだが、岡田がソツなくやってのけるものだから…”負けてはおれぬ!“……変な対抗意識を持っていた。
この支店での、私と岡田の元気(だけは人一倍)な電話応対は、いつしか全支店でも少しだけ有名になっていた。

だが、岡田に私がひとつだけまさっていたところがあった。それはお茶くみだ。岡田はどうやら手先は不器用らしい。ので、自然とお茶くみは私の仕事となっていた。

当然、我々の仕事はお茶くみと電話応対だけでは無い。岡田は為替係、私は小切手処理&元帳記入係と…私にはなんだか地味っぽい役が回ってきた。
元帳記入は私は苦手だ。書いては間違え、斜線訂正の嵐。…余りにも汚らしいので、内務課長からのご指摘を食らい、元帳一ページを書き直しなどザラであった。だが、岡田はコンピューター系が得意らしい。そのブラインドタッチの速さには目を見張るモノがある。
空いた時間でふたりで雑務処理。

岡田とは同じ新入行員なのに、仕事以外は話すことが別段と無かった。仕事が暇な時はよくふたりでお昼休憩に行かされたが、その時もたわいもない日常会話位で、色気の欠片も無かった。


そして時は流れ、六月。仕事も慣れてきた岡田に、渉外行員になるように辞令が下った。
そして私は、先輩方と協力して電話応対したり…お茶くみしたり、為替係に小切手処理…とても忙しい毎日が待っていた。
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