酸っぱいだらけのアブナイ戯れ

みのる

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ー案件その弍ー歓迎会

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少し話は遡る。四月のほぼ初め頃に行われた、『新入行員歓迎会』。
それは私が学生の頃、良く遊びに行った商店街の一角にある”居酒屋さん“で行われた。

金曜日、仕事をやっとこさ終わらせて…夜七時半より我々新入行員ふたりを迎える為に、盛大と…!!……とは建前で、飲めない人以外にはただ『飲む』為だけの口実だと思われる。

『おい、新入行員!!お酌して回れよ?』

という気の早い内務課長からの声につられて、ついつい身体が麦酒の瓶を手にしていた。無論、お酌等…今までした事は無い!
支店長に麦酒を注ごうとすると、支店長は苦笑いをして小声でこう言った。

「俺…あんまり飲めないんだ。程々でいいよ?」

「そうなんですね?憶えておきます」

珍しい支店長もいたもんだと、コップ半分位に抑えておいた。
支店長による挨拶を始まりの幕切れとばかりに、”飲み会”は開かれた。…と言うか、主役なハズな我々2人の挨拶は聞いてもらえないの?(汗)

着々とコップが空いていく中、漸く此処で支店長からの催促の声。新入行員の挨拶を再びして…
てか…岡田……あんだけ麦酒呷っておいて、平気なんだ……?知ってるだけでもコップ三杯位は飲んでた。意外にも足取りはしっかりとしており、ハキハキとした口調で新入行員としてのこころ構えを語っていた。

岡田の酒の強さが良く分かったところで…私は…まだ高校上がりなもので、酒など見るのも初めてとは言わないが。もちろん飲んだ事などありはしない。コップに内務課長により、並々と注がれた麦色の液体を…とりあえずひと口。

“に………苦すぎ…‼”それに気づいた岡田が、

「こっちならイケルんじゃないんですか?」

日本酒を勧めてきた。口直しとばかりに、日本酒それをひと口。
”ま………不味すぎ…‼“急いで傍にあった、刺身にがっついた。私の反応を見て、岡田は陰でクックッと笑いをこらえていた。

岡田はアレから幾杯となく麦酒を豪飲していたが、余程大学で飲んで来たのだろう。顔は少しだけ赤かったが、酔った気配がまるで無かった。

それから二次会は支店行きつけのスナックでカラオケ。岡田もしっかり付いてきて、ちゃっかり一昔前流行ったアイドルの歌を歌っていた。
そこで出されたウィスキーの水割りにまた、私はひと悶絶。
“社会に出たら…色んなモノに慣れていかないと波に乗れないのだな…?”改めて実感した。
私は当時流行っていた曲を一曲だけ入れた。まぁ、みんな酔ったり…話に夢中で聴いていなかったであろう。

二次会を最後に、私はタクシーチケットをいただき帰らせて貰った。1つ年上の女子行員先輩と相乗りで。
あぁいう場合、何次会までお付き合いするのが新入行員としての務めなのだろうか?(謎)
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