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第7話 奥さんの大サービス
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ショーケースの上で寝そべり…何時ものようにたまは、店主の不在にも拘らずにショーケースをその体温で温め続ける。
そこに毎度のように、青年の来店。”おや?店主が居ない?“その違和感に首を傾げつつ、居眠りを続けるたまの隣に設置されている“呼び鈴”を押す。
『はいはぁい♪』
奥から代わりに出てきたのは、店主の奥さんである『タラコ唇さん』。相変わらず、その一際目立つ大きな唇が神々しい(?)
やって来た青年を見て、奥さんはにた~っと笑い(怯!)恒例の挨拶。
『おや、青年!今日も来てくれたのね?いらっしゃい♪』
何時見ても慣れないその、奥さんのタラコ唇具合に恐怖しながら引きつった笑みを浮かべて、まず気になる事を聞いた。
『こ、こんにちは…(ニ、ニコッ)と、ところで店主の姿が珍しくも見当たりませんが?』
青年の問いに奥さんは、あぁ!!と思い出したかのようにポンっと手を打って答えた。
『今日はウチの人“全国何でも屋会合”に出かけてるの。だから今日は私が店番と言う訳』
怪し気な会合に疑問を抱きつつも、
『なるほど!ところで…』
と青年は用件を切り出した。
『此の前、こちらで…芯の無くならないシャープペンを購入したのですが。普通のより長持ちする消しゴムとか…こちらで扱っていましたっけ?』
すると奥さんは、何でも無いことのように返答した。
『それなら幾ら使っても無くならない消しゴム…置いてるよ?』
奥さんは、またあの独特な笑いを浮かべた。
※本人は朗らかに微笑んでいるつもりなのです。
青年はその言葉に少し安心した…が、気になるのはそのお値段。シャープペンの時はエライ目に遭ったからな…?多分破格の値段をボッタクられるのだろうなぁ…と思いつつも、
『因みに…お値段はお幾らですか?まだ買うとは決めてませんが』
勇気を出して聞いてみた。
奥さんは、またにた~っと眼鏡を光らせながら笑い、答えた。
『消しゴムは…そうだねぇ、あなたはほぼ毎日来てくれる常連さんだからウチの人には内緒で特別価格だよ?』
そう言って、店のショーケースを漁りだした。
そうして出してくれた、幾ら使っても無くならない消しゴム。これがその消しゴムなのか?青年はまじまじと見つめていた。
『そうだねぇ……。本当はシャープペンと同じ値段なんだけど、8000円にしとくよ♪』
8000円!??消しゴムが…やはり…!そんな金額!?青年は、また渋々と財布に手を伸ばしていた。
『ありがとうございましたぁ~!!』
にたにたぁっと笑う奥さんを尻目に、青年は店を後にした。
『あなた、今日は消しゴムが1つ売れたよ?』
会合が終わり、店に戻ってきた店主にそう、奥さんは伝える。
『ほぉ?無くならない消しゴムがかね?』
レジの中身を勘定しながら店主は不思議がる。
『売れたのは消しゴムだけかね?何故か金額が合わないのだがなんでだろうな?』
奥さんは言い逃れをする事が出来ずに、ただただにた~っと笑うしか出来なかった。
そこに毎度のように、青年の来店。”おや?店主が居ない?“その違和感に首を傾げつつ、居眠りを続けるたまの隣に設置されている“呼び鈴”を押す。
『はいはぁい♪』
奥から代わりに出てきたのは、店主の奥さんである『タラコ唇さん』。相変わらず、その一際目立つ大きな唇が神々しい(?)
やって来た青年を見て、奥さんはにた~っと笑い(怯!)恒例の挨拶。
『おや、青年!今日も来てくれたのね?いらっしゃい♪』
何時見ても慣れないその、奥さんのタラコ唇具合に恐怖しながら引きつった笑みを浮かべて、まず気になる事を聞いた。
『こ、こんにちは…(ニ、ニコッ)と、ところで店主の姿が珍しくも見当たりませんが?』
青年の問いに奥さんは、あぁ!!と思い出したかのようにポンっと手を打って答えた。
『今日はウチの人“全国何でも屋会合”に出かけてるの。だから今日は私が店番と言う訳』
怪し気な会合に疑問を抱きつつも、
『なるほど!ところで…』
と青年は用件を切り出した。
『此の前、こちらで…芯の無くならないシャープペンを購入したのですが。普通のより長持ちする消しゴムとか…こちらで扱っていましたっけ?』
すると奥さんは、何でも無いことのように返答した。
『それなら幾ら使っても無くならない消しゴム…置いてるよ?』
奥さんは、またあの独特な笑いを浮かべた。
※本人は朗らかに微笑んでいるつもりなのです。
青年はその言葉に少し安心した…が、気になるのはそのお値段。シャープペンの時はエライ目に遭ったからな…?多分破格の値段をボッタクられるのだろうなぁ…と思いつつも、
『因みに…お値段はお幾らですか?まだ買うとは決めてませんが』
勇気を出して聞いてみた。
奥さんは、またにた~っと眼鏡を光らせながら笑い、答えた。
『消しゴムは…そうだねぇ、あなたはほぼ毎日来てくれる常連さんだからウチの人には内緒で特別価格だよ?』
そう言って、店のショーケースを漁りだした。
そうして出してくれた、幾ら使っても無くならない消しゴム。これがその消しゴムなのか?青年はまじまじと見つめていた。
『そうだねぇ……。本当はシャープペンと同じ値段なんだけど、8000円にしとくよ♪』
8000円!??消しゴムが…やはり…!そんな金額!?青年は、また渋々と財布に手を伸ばしていた。
『ありがとうございましたぁ~!!』
にたにたぁっと笑う奥さんを尻目に、青年は店を後にした。
『あなた、今日は消しゴムが1つ売れたよ?』
会合が終わり、店に戻ってきた店主にそう、奥さんは伝える。
『ほぉ?無くならない消しゴムがかね?』
レジの中身を勘定しながら店主は不思議がる。
『売れたのは消しゴムだけかね?何故か金額が合わないのだがなんでだろうな?』
奥さんは言い逃れをする事が出来ずに、ただただにた~っと笑うしか出来なかった。
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