何でも屋さん

みのる

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第15話 カキ氷※

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ー気温が徐々に高くなりだしたある日差しの強い昼過ぎー
ガラガラガラっ!と青年が入店と共に、

『おっさん!かき氷だしてくれよ』

と言い放つ。

店主は、

『うちはかき氷屋じゃ無いぞ』

と呆れてる。

青年は言う。

『かたいこと言うなよ、俺とおっさんの仲じゃないか』

店主が

『ハッハッハ!』

と笑う。

『で、何にするんだ?』

と問うと…

青年が、

『う~ん、メロンミルクするかな?それともイチゴミルクも捨て難いな· · ·よし!メロンミルクにするよ』

悩んだ挙句に答えた。

店主は

『はいよ、700円ね』

とオレンジ色のかき氷に練乳がかけられた物を取り出す。

それを見た青年が、

『俺、メロンと言ったよな?それオレンジじゃ無いのか?』

と苦情を言う。

店主は答える。

『まあ騙されたと思って食ってみな』

カウンターの上へ700円置き、かき氷を一口食べた青年が…

『うめぇ~!なんだよこれ· · ·これが700円?物凄く甘い高級メロンの味がするじゃねぇかよ、もしかして赤肉種のメロンか?』

店主は得意気に、

『あぁそうだよ、メロンが緑とは決まって無いって事だ』

あまりの美味さにあっという間に平らげた青年は

『おっさん、イチゴミルクも出してくれ』

と注文を出す。

店主は…

『おいおい、もうやめておいた方が良いんじゃ無いか?』

止めに入る。

青年はそれでも、

『良いから出してくれよ』

と催促する。

店主が、

『どうなっても知らんからな、ほら700円』

と呆れ顔で言う。

青年が700円取り出し、イチゴミルクと交換する。

『わかってはいたが苺も甘くてうめぇ~!これって糖類の甘さだけじゃなくて果物の甘さも混じってるよな?』

と言いながら幸せそうな顔で食べ続ける。
パクパクと食べてると突然!

『うっ!いてててて…』

と頭を抱えて苦しむ青年。

『慌て過ぎだ!』

店主は冷たく言い放つ。

暫く苦しんだ後、

『あ~痛かった…』

とかき氷をまた食べ始めるす青年。

『で、相談なんだが…おっさん、店内にテーブルと椅子を設置してくれないか? 』

と言う青年。

『店内で軽い食事や休憩の出来るCafeスペースが有っても良いと思うんだけど』

と続ける。

店主は難しい顔をして、

『う~ん、店内にはもう空いてるスペースが無いしな· · ·うーん…』

と考え込んでる。

青年が、

『まあ考えといてくれよ!』

と言ってる内に、青年の顔がどんどん青くなっていった。

『お、おっさん、トイレ貸してくれ· · ·は、腹の具合いが· · ·』

と切羽詰まった感じで言う。

店主は結果が見えていたかのように、

『だから言ったろ、そこの奥へ入って直ぐ左だ』
と呆れ顔で伝えるやいなや…

青年が尻を抑えながら、

『あっ、あ· · ·あ~』

とトイレへの方へ急ぎ足ながらもヨロヨロと歩いていく。

青年がトイレから出てくると店主が、

『ほら、これを飲んでおけ』

と水と万能薬を手渡した。

青年が

『おっさんすまねぇ』

と受け取り、薬を飲み水で流し込む。
一息ついて

「酷い目に遭ったぜ…」

と呟く。そして、

『おっさん、薬代は幾らだ?』

と聞く。

店主は珍しくも、

『気にするな、あれはサービスだ』

と答えた。

青年は

『そうかサンキュー!じゃあ今日は帰るよ』

と青年が席を立った。

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