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第17話 連日通いつめる青年(長編)※
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店主が毛繕いしてるたまを眺めてると、ガラガラガラっ!と引き戸が開き、青年が入店と共に言い放つ。
『今日も暑いな、おっさんかき氷の宇治金時を出してくれ!』
店主は
『ほらよ、850円だ』
青年は宇治金時を見つめながら、
『宇治金時は若干高いんだな、と思ったらアンコ多めで白玉も付いてるんだな』
店主が自慢気に、
『特別製だからね』
青年はモグモグしながら、
『相変わらずうめぇなぁ、この宇治金時に使われてる抹茶って最上級の抹茶だよな?抹茶のいい匂いがするし…苦味と程良い甘さのアンコが上手くマッチしてるね、で白玉がいいアクセントになってる!』
店主は青年に、
『特別製だからな· · ·ってそんな事はどうでもいいが、せっかくCafeスペース作ったんだからそこで食べろよ· · ·』
と呆れている。
青年はふと、
『おっとそうだった、すっかり忘れてたぜ…』
と言いながら休憩スペースへ移動する。
かき氷を食べ終え暫くCafeスペースで寛いでいた青年がおもむろに立ち上がったかと思うと、
『おっさん、今日はもう帰るよ!』
と言い残し帰って行った。
ー翌日ー
店主が暇そうに店番をしてるとガラガラガラっ!と引き戸が開き青年が入ってくるなり
『おっさん!今日はかき氷のレモンを出してくれ』
と注文する。
店主が取り出し、
『ほらよ、700円』
かき氷をカウンターの上へ置く。
青年がお金をカウンターの上へ置き、かき氷を持ってCafeスペースへ行く。
席に着いた青年がかき氷を口へ運び…
『レモンもうめぇ~!甘酸っぱくてサッパリしてるからいいね!』
ひとり叫びながら貪っている。
ガラガラガラっ…と客が来店。
店主は何時ものように、
『いらっしゃい、ゆっくり見ていってよ』
と一言。
青年が振り向き誰が来たのかを確認しようとしている。
若い青年が、
『すみません、接着剤って有りますか?』
店主は答える。
『有るよ、え~と380円だ』
青年はボソッと
「なんだよ男かよ…」と呟きまた黙々とかき氷を食べ続ける。
会計を済ませ接着剤を受け取った若い青年が帰って行く。
青年がかき氷を食べ終えてまた昨日と同じ様に暫く寛いでから立ち上がり帰る。
『おっさん!またな』
次の日も青年がやってきた· · ·
その次の日も青年が· · ·
その次の日もせ· · ·
その次の· · ·
またその次の日も青年がやってきた
『おっさん、今日はアイスクリームを出してくれ!』
店主はおや?と
『今日はかき氷じゃないのかね?アイスクリームは300円だ』
青年は言う。
『ああ、たまには違うものをと思ってな』
と300円を取り出す。
店主が、
『でだ、最初はタラコ唇はちょっと· · ·とか嫌がってたわりに会うのを楽しみにしてるのかね?』
とニヤニヤ笑ってる。
青年が顔を赤くして、
『ッ!?そ、そんなんじゃねーよ、俺はただかき氷が美味いから· · ·』
と口篭る。
店主は
『へ~、その割にはこの一週間程毎日ここへ通いつめ、客が来たらソワソワしだして…違ったら残念そうな顔をしてたじゃないか』
とニヤニヤ笑ってる。
青年は
『うっ!?· · ·あぁそうだよ楽しみにしてるんだよ、もう良いだろ?』
と赤い顔で吐き捨てる様に言い、そそくさとCafeスペースへ行く。
青年は呟く。
「うめぇ~、ミルクの味が濃厚で何とも言えないな」
アイスクリームを食べ、Cafeスペースでくつろいでいると…
ガラガラガラっと引き戸が開く音が。
『やぁいらっしゃい、おや?今日は外してるのかね?』
と、よくわからないことを言う店主。
青年が
“ 何の事だ? ”と思ってると、
、
『はい』
と女性が一言。
店主が
『今日来てて今奥のCafeスペースに居るよ』
と言う。
青年がその一言にドキッとして店主の方へ振り返ると…
店主が指を差した方を伺う様に、笑顔の良く似合うお嬢さんが微笑みながら青年の方を見ていた。
青年が大慌ててカウンターの方へ行き
『こんにちは、はじめまして俺は中村と言います。
失礼ですが貴女が店主から紹介された方でしょうか?』
と中村(という名前らしい)が今までと全然違う言葉遣いで尋ねる。
『あ、はいそうです。以前こちらの店主さん夫婦に貴方の事を紹介されました、はじめまして中村さん。私は伊集院と申します。本日は宜しくお願いします』
と伊集院が笑顔で言う。
中村が、
『とりあえず…ここではなんですので、奥のCafeスペースへ行きませんか?』
彼女を奥へ誘導する。
『はい』
と伊集院は返事し、店主の方へ顔を向け…
『Cafeスペースを作られたのですね?』
と笑顔で問う。彼女は暫く店を訪れていなかった間に心を決めたのか、店主に頬を染めることは無かった。
店主は言う。
『ああ。その青年のアイデアでな、この店には何でも有るのだから軽く食べたり、休憩の出来るスペースが有っても良いんじゃ無いか?って言うもんだから作ったんだよ』
伊集院が中村の方を見て、
『良いアイデアですね、Cafeスペースもオシャレな感じに仕上がってますし…』
と言い、2人でCafeスペースへと歩いていく。
席に着いた2人が暫く何やら話すと中村が店主の方へ振り向き、
『おっさ· · ·じゃなくて店主、アイス珈琲2つとケーキを一つ頼むよ』
注文。
店主が、
『はいよ』
と言い奥へ。
『お~い!ちょっと来てくれ』
と声をかけると奥さんが出てきた。
店主が奥さんに、
『これを向こうへ』
と頼むとアイス珈琲2つとケーキを乗せたトレーを手渡す。
奥さんがCafeスペースの方を見て
『おやおや…』
と微笑んで席へと運ぶ。
奥さんがストローが挿されたアイス珈琲・ミルク・ガムシロップを2人の前へ置き、
『ケーキはお嬢さんかね?』
と問う。
中村が、
『はい』
と答える。
奥さんがケーキとフォークを伊集院の前へ置き、
『2人そうやって向かい合って座ってるとお似合いのカップルだねぇ』
と茶化すと2人は顔を赤らめる。
それを見た奥さんがにた~っと笑い、
『おやおや満更でも無さそうだねぇ、それじゃあ邪魔者は退散しますかね』
と言い残し戻って行く。
2人暫く顔を赤らめ見つめ合っていた、中村がふと何か違和感に気付き、伊集院の顔をジロジロと見てると伊集院が、
『あの~、どうかされましたか?私の顔に何か付いてますか?』
と困惑気味に尋ねる。
中村が、
『あっ…いえ、すみません· · ·以前お会いした時と雰囲気が違うと言うかなんと言うか· · ·』
と困惑気味に言う。
伊集院が、
『あっ、もしかして…これですかね?』
とバッグからある物をおもむろに取りだり顔に付け中村の方へ顔を向ける。
中村が伊集院の顔を見ると
『あっ!!』
と驚きの声を出した。
そこには大きな唇をして怪しげに笑うタラコ唇さんの姿が有った。
中村が気付いた様なのでタラコ唇を取り外す伊集院。
中村は疑問を伊集院にぶつける。
『えっと、· · ·何の為にタラコ唇を付けてたのですか?』
と困惑気味に尋ねる。
伊集院は、
『ちょっと色々有りまして· · ·』
と言い顔を赤らめる。
中村が、
『それはともかく!アイス珈琲がぬるくならないうちいただきましょう』
と中村ががアイス珈琲をブラックで飲む。
伊集院が、
『ブラックで飲まれるのですね』
と聞く。
中村が格好を付けて、
『ええ、まあ· · ·ブラックで飲むと珈琲のコク等がわかりますので…』
(結構苦いな)
伊集院がブラックで少し飲んでみて、
『私には少し苦いわ…』
と付けられてたミルクとシュガーシロップを入れストローで掻き混ぜる。
一口飲んでみて、
『あ、美味しい!今までに飲んだ事無いくらいに美味しい』
続いてフォークでケーキを一口サイズに切り口に入れると笑顔になり、
『ケーキも甘過ぎず上品な甘さでとっても美味しいです』
中村が無理をしているのが手に取るように分かる。
『だろ?ここのは何食っても美味っ…!?じゃなくて、どれも食べても美味しいのですよ』
と焦って言い換える。
伊集院がそれに気づき、
『うふふふ、無理をなさらず普段どうりで言いですよ』
と笑う。
中村が、
『すみません…』
と苦笑いする。
食べ終え暫く談笑を続けていた2人だったが…中村が、
『ここで居座るのもなんですので、公園か河原の方へ散歩を兼ねて行ってみますか?』
と伊集院に問いかける。
伊集院も、
『そうですね、あまりここで長居をしていてもお店の迷惑になりますからね』
と賛同する。
中村が、
『では行きましょうか?』
と言い店主の方を向き、
『店主、お勘定をお願いします』
と勘定を促す。
店主は声高らかに、
『ハッハッハ、いつもどうりおっさんで構わんよ』
と笑う。
中村が呟く。
「勘弁してくださいよ…店主」
続けて店主が、
『今日は私の奢りだ、良いから気にせずそのまま帰りな』
と意外な一言。
中村は驚いて、
『店主!本当に良いのかい?なんだか申し訳ないな· · ·』
普段なら大喜びするだろう中村が、伊集院と一緒だからか恐縮している。
伊集院は、
『店主さんすみません、今日は御馳走になります』
とお礼を言う。
店主は言う。
『なぁにこのくらい良いよ、そのかわりこれからもここに来てくれよ?』
2人が
『はい、美味しかったです!ご馳走様でした。また来ます』
と言い、店を後にする。
奥さんが、
『あんたの奢りって珍しいねぇ』
と笑うと、
店主が、
『ハッハッハ、あの2人が幸せになれるなら安いもんだよ!』
と笑う。
奥さんが、
『まだ決まっても無いのに気が早い事だねぇ、まぁあの様子じゃ上手く行くだろうけどね』
と笑い店の奥へと消えていく。
『今日も暑いな、おっさんかき氷の宇治金時を出してくれ!』
店主は
『ほらよ、850円だ』
青年は宇治金時を見つめながら、
『宇治金時は若干高いんだな、と思ったらアンコ多めで白玉も付いてるんだな』
店主が自慢気に、
『特別製だからね』
青年はモグモグしながら、
『相変わらずうめぇなぁ、この宇治金時に使われてる抹茶って最上級の抹茶だよな?抹茶のいい匂いがするし…苦味と程良い甘さのアンコが上手くマッチしてるね、で白玉がいいアクセントになってる!』
店主は青年に、
『特別製だからな· · ·ってそんな事はどうでもいいが、せっかくCafeスペース作ったんだからそこで食べろよ· · ·』
と呆れている。
青年はふと、
『おっとそうだった、すっかり忘れてたぜ…』
と言いながら休憩スペースへ移動する。
かき氷を食べ終え暫くCafeスペースで寛いでいた青年がおもむろに立ち上がったかと思うと、
『おっさん、今日はもう帰るよ!』
と言い残し帰って行った。
ー翌日ー
店主が暇そうに店番をしてるとガラガラガラっ!と引き戸が開き青年が入ってくるなり
『おっさん!今日はかき氷のレモンを出してくれ』
と注文する。
店主が取り出し、
『ほらよ、700円』
かき氷をカウンターの上へ置く。
青年がお金をカウンターの上へ置き、かき氷を持ってCafeスペースへ行く。
席に着いた青年がかき氷を口へ運び…
『レモンもうめぇ~!甘酸っぱくてサッパリしてるからいいね!』
ひとり叫びながら貪っている。
ガラガラガラっ…と客が来店。
店主は何時ものように、
『いらっしゃい、ゆっくり見ていってよ』
と一言。
青年が振り向き誰が来たのかを確認しようとしている。
若い青年が、
『すみません、接着剤って有りますか?』
店主は答える。
『有るよ、え~と380円だ』
青年はボソッと
「なんだよ男かよ…」と呟きまた黙々とかき氷を食べ続ける。
会計を済ませ接着剤を受け取った若い青年が帰って行く。
青年がかき氷を食べ終えてまた昨日と同じ様に暫く寛いでから立ち上がり帰る。
『おっさん!またな』
次の日も青年がやってきた· · ·
その次の日も青年が· · ·
その次の日もせ· · ·
その次の· · ·
またその次の日も青年がやってきた
『おっさん、今日はアイスクリームを出してくれ!』
店主はおや?と
『今日はかき氷じゃないのかね?アイスクリームは300円だ』
青年は言う。
『ああ、たまには違うものをと思ってな』
と300円を取り出す。
店主が、
『でだ、最初はタラコ唇はちょっと· · ·とか嫌がってたわりに会うのを楽しみにしてるのかね?』
とニヤニヤ笑ってる。
青年が顔を赤くして、
『ッ!?そ、そんなんじゃねーよ、俺はただかき氷が美味いから· · ·』
と口篭る。
店主は
『へ~、その割にはこの一週間程毎日ここへ通いつめ、客が来たらソワソワしだして…違ったら残念そうな顔をしてたじゃないか』
とニヤニヤ笑ってる。
青年は
『うっ!?· · ·あぁそうだよ楽しみにしてるんだよ、もう良いだろ?』
と赤い顔で吐き捨てる様に言い、そそくさとCafeスペースへ行く。
青年は呟く。
「うめぇ~、ミルクの味が濃厚で何とも言えないな」
アイスクリームを食べ、Cafeスペースでくつろいでいると…
ガラガラガラっと引き戸が開く音が。
『やぁいらっしゃい、おや?今日は外してるのかね?』
と、よくわからないことを言う店主。
青年が
“ 何の事だ? ”と思ってると、
、
『はい』
と女性が一言。
店主が
『今日来てて今奥のCafeスペースに居るよ』
と言う。
青年がその一言にドキッとして店主の方へ振り返ると…
店主が指を差した方を伺う様に、笑顔の良く似合うお嬢さんが微笑みながら青年の方を見ていた。
青年が大慌ててカウンターの方へ行き
『こんにちは、はじめまして俺は中村と言います。
失礼ですが貴女が店主から紹介された方でしょうか?』
と中村(という名前らしい)が今までと全然違う言葉遣いで尋ねる。
『あ、はいそうです。以前こちらの店主さん夫婦に貴方の事を紹介されました、はじめまして中村さん。私は伊集院と申します。本日は宜しくお願いします』
と伊集院が笑顔で言う。
中村が、
『とりあえず…ここではなんですので、奥のCafeスペースへ行きませんか?』
彼女を奥へ誘導する。
『はい』
と伊集院は返事し、店主の方へ顔を向け…
『Cafeスペースを作られたのですね?』
と笑顔で問う。彼女は暫く店を訪れていなかった間に心を決めたのか、店主に頬を染めることは無かった。
店主は言う。
『ああ。その青年のアイデアでな、この店には何でも有るのだから軽く食べたり、休憩の出来るスペースが有っても良いんじゃ無いか?って言うもんだから作ったんだよ』
伊集院が中村の方を見て、
『良いアイデアですね、Cafeスペースもオシャレな感じに仕上がってますし…』
と言い、2人でCafeスペースへと歩いていく。
席に着いた2人が暫く何やら話すと中村が店主の方へ振り向き、
『おっさ· · ·じゃなくて店主、アイス珈琲2つとケーキを一つ頼むよ』
注文。
店主が、
『はいよ』
と言い奥へ。
『お~い!ちょっと来てくれ』
と声をかけると奥さんが出てきた。
店主が奥さんに、
『これを向こうへ』
と頼むとアイス珈琲2つとケーキを乗せたトレーを手渡す。
奥さんがCafeスペースの方を見て
『おやおや…』
と微笑んで席へと運ぶ。
奥さんがストローが挿されたアイス珈琲・ミルク・ガムシロップを2人の前へ置き、
『ケーキはお嬢さんかね?』
と問う。
中村が、
『はい』
と答える。
奥さんがケーキとフォークを伊集院の前へ置き、
『2人そうやって向かい合って座ってるとお似合いのカップルだねぇ』
と茶化すと2人は顔を赤らめる。
それを見た奥さんがにた~っと笑い、
『おやおや満更でも無さそうだねぇ、それじゃあ邪魔者は退散しますかね』
と言い残し戻って行く。
2人暫く顔を赤らめ見つめ合っていた、中村がふと何か違和感に気付き、伊集院の顔をジロジロと見てると伊集院が、
『あの~、どうかされましたか?私の顔に何か付いてますか?』
と困惑気味に尋ねる。
中村が、
『あっ…いえ、すみません· · ·以前お会いした時と雰囲気が違うと言うかなんと言うか· · ·』
と困惑気味に言う。
伊集院が、
『あっ、もしかして…これですかね?』
とバッグからある物をおもむろに取りだり顔に付け中村の方へ顔を向ける。
中村が伊集院の顔を見ると
『あっ!!』
と驚きの声を出した。
そこには大きな唇をして怪しげに笑うタラコ唇さんの姿が有った。
中村が気付いた様なのでタラコ唇を取り外す伊集院。
中村は疑問を伊集院にぶつける。
『えっと、· · ·何の為にタラコ唇を付けてたのですか?』
と困惑気味に尋ねる。
伊集院は、
『ちょっと色々有りまして· · ·』
と言い顔を赤らめる。
中村が、
『それはともかく!アイス珈琲がぬるくならないうちいただきましょう』
と中村ががアイス珈琲をブラックで飲む。
伊集院が、
『ブラックで飲まれるのですね』
と聞く。
中村が格好を付けて、
『ええ、まあ· · ·ブラックで飲むと珈琲のコク等がわかりますので…』
(結構苦いな)
伊集院がブラックで少し飲んでみて、
『私には少し苦いわ…』
と付けられてたミルクとシュガーシロップを入れストローで掻き混ぜる。
一口飲んでみて、
『あ、美味しい!今までに飲んだ事無いくらいに美味しい』
続いてフォークでケーキを一口サイズに切り口に入れると笑顔になり、
『ケーキも甘過ぎず上品な甘さでとっても美味しいです』
中村が無理をしているのが手に取るように分かる。
『だろ?ここのは何食っても美味っ…!?じゃなくて、どれも食べても美味しいのですよ』
と焦って言い換える。
伊集院がそれに気づき、
『うふふふ、無理をなさらず普段どうりで言いですよ』
と笑う。
中村が、
『すみません…』
と苦笑いする。
食べ終え暫く談笑を続けていた2人だったが…中村が、
『ここで居座るのもなんですので、公園か河原の方へ散歩を兼ねて行ってみますか?』
と伊集院に問いかける。
伊集院も、
『そうですね、あまりここで長居をしていてもお店の迷惑になりますからね』
と賛同する。
中村が、
『では行きましょうか?』
と言い店主の方を向き、
『店主、お勘定をお願いします』
と勘定を促す。
店主は声高らかに、
『ハッハッハ、いつもどうりおっさんで構わんよ』
と笑う。
中村が呟く。
「勘弁してくださいよ…店主」
続けて店主が、
『今日は私の奢りだ、良いから気にせずそのまま帰りな』
と意外な一言。
中村は驚いて、
『店主!本当に良いのかい?なんだか申し訳ないな· · ·』
普段なら大喜びするだろう中村が、伊集院と一緒だからか恐縮している。
伊集院は、
『店主さんすみません、今日は御馳走になります』
とお礼を言う。
店主は言う。
『なぁにこのくらい良いよ、そのかわりこれからもここに来てくれよ?』
2人が
『はい、美味しかったです!ご馳走様でした。また来ます』
と言い、店を後にする。
奥さんが、
『あんたの奢りって珍しいねぇ』
と笑うと、
店主が、
『ハッハッハ、あの2人が幸せになれるなら安いもんだよ!』
と笑う。
奥さんが、
『まだ決まっても無いのに気が早い事だねぇ、まぁあの様子じゃ上手く行くだろうけどね』
と笑い店の奥へと消えていく。
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