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第18話 家電を求める夫婦【前編】
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普段電話の鳴らない何でも屋では、珍しく朝から電話が鳴り響いていた。
電話を取る店主。
『はい、何でも屋』
電話先の男
『知り合いに紹介されたのですが、今日生活家電を色々と買いに行きたいと思うのですが…有りますかね?』
店主は、
『はい、うちにはなんでも揃ってて、無い物は無いよ』
と自慢げに言う。
電話先の男は言う。
『ではこれから伺います』
店主は、
『あ、そうそう。配達とかのサービスは無いから荷物を運べる車と、荷物を運ぶ為の人数を揃えて店に来てね。車の駐車は横の空き地に停めたら良いから』
電話先の男は驚いて
『えっ、配達無いのですか?わ、分かりました。車と人数を揃えて行きます· · ·』
(この店愛想も悪けりゃサービスも悪いな、紹介じゃなかったら絶対に行かないぞ· · ·)
数十分後、トラックと乗用車の音が聞こえ…隣の空き地で停車する。
車から降りて来た人達が何やら話してる。
謎の青年
『本当に大丈夫なんですか?ここの店…』
謎の中年
『ああ、大丈夫だよ。大船に乗ったつもりでいたまえ。』
謎の女性
『良いのあるかしら?』
等と話してる。
ガラガラガラっ…と引き戸が開き、男女3人が入店して来る。
謎の男性が、
『先程家電の事で電話したものですが…』
店主は言う。
『やあいらっしゃい』
中年の男が言う。
『やあ、久しぶり』
店主は気づく。
『おや紹介したのって音美さんでしたか、え~と一年ぶりくらいかね?』
音美は、
『そのくらいだね』
と笑う。
『あ、所でこちらの2人が結婚して新居へ引っ越すってんで必要な生活家電を買いに来たんだ』
店主が答える。
『そうでしたか』
返事し2人に向かって
『まあゆっくり見て行っておくれよ。店内に置いてない物で欲しい物が有れば言ってよ、商品のリストも置いてるけど、決まってるなら言ってくれた方が早いかな?』
音美さんが2人に向かい、
『本当になんでも有るから遠慮なく言うと良いよ』
夫婦のうちの旦那さんは言う。
『先ずはテレビかな、おじさん!画面サイズはどのくらいのを置いてるの?』
店主は答える。
『好きなサイズを言ったら出すよ』
旦那さんは、
『え~と、リビングに52型と寝室に32型かな?メーカーはどこのを置いてるの?』
店主は答える。
『オリジナルだからメーカーなんて無いよ?』
旦那さんは耳を疑い、
『は?』
と驚き、不安そうに音美さんを見やる。
音美は旦那さんを安心させるように、
『ははは、大丈夫だよ。商品は全てオリジナルだけど品質は間違い無い· · ·と言うより予想の上をいってるから!』
と笑ってる。
旦那さんは何となく信じられないらしく、
『そ、そうですか· · ·(人事だと思って· · ·)』
と恨めしそうに音美さんを見る。
店主に向かい、
『じゃあ、それで良いので52型と32型をください』
店主は、
『はいよ、52型が24万と32型が5万ね。
電気さえ有れば番組が映るからアンテナは必要ないよ。後チャンネル設定は自動で合う様になってるから簡単だよ』
旦那さんは、
『は?えっ?なんで映るの?』
と驚いていると、横で音美さんがクックックと声を押し殺して笑ってる。
旦那さんは気を取り直して、
『次はエアコンだけど、8畳の有るかな?2個欲しいんだけど…』
店主は自慢気に言う。
『畳は無いな、どんな部屋でも確実に冷やすし…温めるから問題無いよ。
それに設置作業も無く、部屋に置くだけで直ぐに使えるから便利だぞ。…で値段は一つ18万だな』
旦那さんが口を開けて唖然としてる· · ·
店内を見てた嫁さんが、
『ねぇあなた、食器や箸も売ってるから買っていきましょうか?』
と声をかけると、ハッと我に帰った旦那さんが、
『うん、良いね。好きなのを選んでおいでよ』
と言う。
嫁さんは嬉しそうに答える。
『わかったわ』
旦那さんは続けて、
『え~と他には· · ·、そうそう!LEDのシーリングライトも2個お願いします。畳は· · ·どうせ無いでしょうね』
と呆れ顔で言う。
店主は
『お、よくわかったな。明るさは50段階で調整出来るよ、後は音声認識も出来てリモコンとは別に、音声での点灯と消灯も値段は一つ8万だな』
と笑ってる。
旦那さんはただただ、
『ははははは…』
と乾いた笑いをする。
嫁さんは決まったらしく、
『これにするわ♪』
と水色とピンク色の夫婦茶碗、ペアの花柄模様の可愛い箸、やや大きさの違う白のマグカップ、木の葉柄の皿を何枚か持ってきた。
店主は、
『えーっと…これ全部で2千円だね』
嫁さんに代金を告げる。
電話を取る店主。
『はい、何でも屋』
電話先の男
『知り合いに紹介されたのですが、今日生活家電を色々と買いに行きたいと思うのですが…有りますかね?』
店主は、
『はい、うちにはなんでも揃ってて、無い物は無いよ』
と自慢げに言う。
電話先の男は言う。
『ではこれから伺います』
店主は、
『あ、そうそう。配達とかのサービスは無いから荷物を運べる車と、荷物を運ぶ為の人数を揃えて店に来てね。車の駐車は横の空き地に停めたら良いから』
電話先の男は驚いて
『えっ、配達無いのですか?わ、分かりました。車と人数を揃えて行きます· · ·』
(この店愛想も悪けりゃサービスも悪いな、紹介じゃなかったら絶対に行かないぞ· · ·)
数十分後、トラックと乗用車の音が聞こえ…隣の空き地で停車する。
車から降りて来た人達が何やら話してる。
謎の青年
『本当に大丈夫なんですか?ここの店…』
謎の中年
『ああ、大丈夫だよ。大船に乗ったつもりでいたまえ。』
謎の女性
『良いのあるかしら?』
等と話してる。
ガラガラガラっ…と引き戸が開き、男女3人が入店して来る。
謎の男性が、
『先程家電の事で電話したものですが…』
店主は言う。
『やあいらっしゃい』
中年の男が言う。
『やあ、久しぶり』
店主は気づく。
『おや紹介したのって音美さんでしたか、え~と一年ぶりくらいかね?』
音美は、
『そのくらいだね』
と笑う。
『あ、所でこちらの2人が結婚して新居へ引っ越すってんで必要な生活家電を買いに来たんだ』
店主が答える。
『そうでしたか』
返事し2人に向かって
『まあゆっくり見て行っておくれよ。店内に置いてない物で欲しい物が有れば言ってよ、商品のリストも置いてるけど、決まってるなら言ってくれた方が早いかな?』
音美さんが2人に向かい、
『本当になんでも有るから遠慮なく言うと良いよ』
夫婦のうちの旦那さんは言う。
『先ずはテレビかな、おじさん!画面サイズはどのくらいのを置いてるの?』
店主は答える。
『好きなサイズを言ったら出すよ』
旦那さんは、
『え~と、リビングに52型と寝室に32型かな?メーカーはどこのを置いてるの?』
店主は答える。
『オリジナルだからメーカーなんて無いよ?』
旦那さんは耳を疑い、
『は?』
と驚き、不安そうに音美さんを見やる。
音美は旦那さんを安心させるように、
『ははは、大丈夫だよ。商品は全てオリジナルだけど品質は間違い無い· · ·と言うより予想の上をいってるから!』
と笑ってる。
旦那さんは何となく信じられないらしく、
『そ、そうですか· · ·(人事だと思って· · ·)』
と恨めしそうに音美さんを見る。
店主に向かい、
『じゃあ、それで良いので52型と32型をください』
店主は、
『はいよ、52型が24万と32型が5万ね。
電気さえ有れば番組が映るからアンテナは必要ないよ。後チャンネル設定は自動で合う様になってるから簡単だよ』
旦那さんは、
『は?えっ?なんで映るの?』
と驚いていると、横で音美さんがクックックと声を押し殺して笑ってる。
旦那さんは気を取り直して、
『次はエアコンだけど、8畳の有るかな?2個欲しいんだけど…』
店主は自慢気に言う。
『畳は無いな、どんな部屋でも確実に冷やすし…温めるから問題無いよ。
それに設置作業も無く、部屋に置くだけで直ぐに使えるから便利だぞ。…で値段は一つ18万だな』
旦那さんが口を開けて唖然としてる· · ·
店内を見てた嫁さんが、
『ねぇあなた、食器や箸も売ってるから買っていきましょうか?』
と声をかけると、ハッと我に帰った旦那さんが、
『うん、良いね。好きなのを選んでおいでよ』
と言う。
嫁さんは嬉しそうに答える。
『わかったわ』
旦那さんは続けて、
『え~と他には· · ·、そうそう!LEDのシーリングライトも2個お願いします。畳は· · ·どうせ無いでしょうね』
と呆れ顔で言う。
店主は
『お、よくわかったな。明るさは50段階で調整出来るよ、後は音声認識も出来てリモコンとは別に、音声での点灯と消灯も値段は一つ8万だな』
と笑ってる。
旦那さんはただただ、
『ははははは…』
と乾いた笑いをする。
嫁さんは決まったらしく、
『これにするわ♪』
と水色とピンク色の夫婦茶碗、ペアの花柄模様の可愛い箸、やや大きさの違う白のマグカップ、木の葉柄の皿を何枚か持ってきた。
店主は、
『えーっと…これ全部で2千円だね』
嫁さんに代金を告げる。
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