何でも屋さん

みのる

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第18話 家電を求める夫婦【後編】

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店内に戻ってくる3人
奥のCafeスペースで席につき旦那さんが
” さて何を飲もうかな· · · “と考えてると

嫁さんが旦那さんに、

『あらやだ、もうお昼を過ぎてるじゃない』

と言う。

旦那さんが、

『あっ、本当だ!ゆっくりしてる場合じゃなかった!!』

と慌てて立ちかけると

店主は、

『食事も出来るよ。何でも食べたい物が有ったら言ってくれればいい』

と伝えてくる。

旦那さんは椅子に座り直し、

『じゃあ…僕はカツ丼をお願いします』

音美は、

『私はザル蕎麦にするよ』

嫁さんが、

『私はミックスサンドをお願いします』

それぞれ注文する。

店主は、

『飲み物はどうする?』

と聞いてくる。

3人が暫く相談した後、

『アイス珈琲をお願いします』

と注文する。

店主が店の奥へ、

『お~い!食事を運んでくれるかい』

と声をかけると、
中から奥さんが、

『はいよ~!』

と出てきた。

店主がカツ丼のセット・ザル蕎麦と天ぷらのセット・ミックスサンドを乗せたワゴンを、

『じゃあ…これを頼む』

と奥さんに手渡す。

奥さんが奥へと運び、

『いらっしゃい』

と声をかけ、カツ丼・ミニうどん・味噌汁・漬物のセット、ザル蕎麦と天麩羅の盛り合わせのセット、ミックスサンドとサラダのセットをテーブルの上へと置き、戻ってゆく。

3人がそれぞれ注文した物を取り食べはじめる。

『…美味しい!!』

と口々に言い、舌鼓を打っている。
旦那が口を動かしながら、

『このカツがとってもジューシーで、肉汁が溢れ出てくるし…卵の味も濃厚で玉葱も甘みが有り味付けも丁度いい!』

と言い味噌汁を啜る。

「この味噌汁も味噌にコクが有って美味い…!」

と呟く。

音美も、

『このザル蕎麦も美味いよ。蕎麦粉のいい味が出ていて手打ち麺って感じだよ!それに天麩羅はサクサクで素材も新鮮で実に美味い…!
それよりもなんでザル蕎麦に天麩羅が付いてるんだ?これだと天ざる蕎麦じゃ無いのかね?』

…とのツッコミ(笑)

嫁さんも、

『サンドイッチもとっても美味しいわよ、どれもバターの風味が良くマヨネーズの酸味がいいアクセントになってるわ!
それにボリュームが有り過ぎるわ、卵サンドだけでもタマゴサラダ・ゆで卵のスライスとレタスのサンドした物、卵焼きサンドの3種類有って、
他にもハムサンドもハムとキュウリとトマトのサンド・ハムとレタスとチーズの2種類、
カツサンドはエビカツとキャベツの千切りのサンド・チキンカツとキャベツの千切りサンド・トンカツとキャベツのサンドの3種類で…それぞれ各2切れずつも有るから量が多すぎて、とてもじゃないけど食べきれないわ…
少し食べてくれません?』

と2人に声をかける…が、

2人も自分のだけで精一杯で、とても食べれないと返す。
すると店主が、

『サンドイッチなら残した分を持ち帰りにしてあげるよ』

声をかける。

嫁さんが、

『すみませんが…残りはお持ち帰りにしてください』

と半分以上を残してる。

食事が終わり寛いでいると奥さんが注文の品を運んで来て、

『ゆっくりしていってね』

とそれぞれの前へストロー付きのアイス珈琲・ミルク・ガムシロップを置いてゆく。
アイス珈琲を飲んで、
旦那さんは、

「アイス珈琲も美味いな、コク・苦味・酸味のバランスがいい」

と呟く。

暫く寛いだ後、3人がカウンターの方へ来て旦那さんが、

『勘定をお願いします』

と店主に声をかける。

店主は

『え~と、カツ丼が800円、ザル蕎麦が650円、ミックスサンドが500円だな』

さらっと驚愕の値段を口にする。
3人が流石に驚いて、

『いやいやいや、値段がおかしいから!』

とざわめく。

店主は、

『ん?だいたいそんなんじゃないの?』

旦那は、

『いや、単品なら妥当な値段だけど…あれだとセットで千円以上してもおかしくないくらいだよ· · ·』

と言う。

店主が、

『ハッハッハ、まぁいいじゃないか!』

と笑う。

店主の言い値で支払いを済ませ3人は帰路につく、帰りの車中で音美さんが旦那さんに

『どうだい?店主の愛想は悪いかも知れないけど満足できただろう?』

と問いかける。

旦那は答える。

『はい、最初は変な店に連れていかれた!と思いましたが…後から音美さんが強く勧めて来る事に納得しましたよ、なんですかねあの常識を逸脱した品々は…?空いた口が塞がりませんでしたよ』

と苦笑い。

音美も、

『私にもわからないよ、けど品物は間違いなく特級品だよ』

と笑う。

帰宅した夫婦が買った物を配置し終え、冷房を付けたら設定温度が何故か0℃と…低すぎてあまりもの寒さに震え、電気を点ければ設定が50とMAXで眩しすぎ、2人が目を抑え、

『目が…目があぁぁっ!!?』

っと叫んで転げ回り、テレビを点ければ大音量で鳴り響き2人は耳を抑え、

『耳が、耳があぁっ!!?耳が…!!』

と転げ回り、何とも賑やかな1日なった事はあまり知られていない。
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