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第26話 プレゼントは……?
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ある晴れた昼下がり、たまを膝に乗せて撫でているとガラガラガラっ!!と引き戸が開いた。
『いらっしゃい!!ゆっくり見とっとくれよ?』
そこで店番をしていたのは、あの店主…ではなく、奥さんの方であった。
入ってきたのは、よく似た顔をした2人のお客さん。2人の第一声は、
『『こんにちは。』』
と、声を揃えての挨拶だった。
奥さんは声をかける。
『何か欲しいものがあるのかい?』
すると、女の子のほうが答えた。
『今度の敬老の日に、じいちゃん達に何かプレゼントを贈りたくて…何処かに旅行とかさせたいな?…なんて。』
男の子が女の子に付け加える。
『何処か、お安くて良いところ…ありませんかぁ♡』
…こころ無しか…男の子の癖に少しだけ、オネェっぽい?
『旅行のプランとか、ウチでも扱ってるけども…何処に行かせたい!とか、何泊で!とか決まってるのかい?』
と、奥さんは尋ねる。
すかさず女の子が、(まるで全て決めてたかの如く)
『2泊3日くらいで、北海道辺りが良いかなぁと考えてたんですけども…。』
真剣な、女の子の顔。
そこで男の子が、
『お安くなりませんかぁ♡』
再びオネェ言葉。
そこで奥さんが、眼鏡をキラリと光らせ…タラコ唇を開いた。
『……あるよ。ちょうどそのプランの旅行がね♪』
女の子は瞳を輝かせて、
『本当にですか!?』
男の子も、顔を輝かせて、
『お安くなるんですか!?』
と喜んでいる。
が、直ぐに女の子が顔を曇らせ…
『…一体、お幾らでしょうか…?』
心配気に聞いてくる。
更に奥さんは、お客さんとの距離を縮めてくる。(叫!)
『アンタ達の…今時珍しい、そのこころ遣いにあたしゃこころ打たれたよ…。だから、北海道・2泊3日の旅……2万ポッキリでどうだぁ!?』
2人の言葉が、再度同調する。
『『買ったぁーーー!!』』
代金を支払い、ニコニコ笑顔な2人のお客さん。
『ありがとうよ♪』
そのまま、飼い猫のたまを撫で始めた奥さん。
2人は嬉しそうに奥さんに、
『『ありがとうございました!!』』
とお礼を述べて帰って行った。
ー敬老の日当日ー
その日は仕事な弟大地を置いて、1人親の実家に向かう、双子の姉蒼空。呼び鈴を押す。
すると、相変わらず呑気な祖母が能天気に現れた。
『おや?今日はアンタ1人かい?まぁ上がって行きなよ』
ばぁさんは気さくに笑いながら、蒼空を家に入れた。
『すまないねぇ、生憎じぃさんも…寄合で今留守なんだ。…で、何か用かい?』
ばぁさんは孫に、此処に来た理由を聞く。
すると蒼空は、少しだけ照れながら…
『ばぁちゃん……これっ!!』
と”例の物 “を取り出す。
すると、ばぁさん…目を真ん丸にして、
『なんだい?これは…』
孫から貰った贈り物に不思議そうだ。
更に蒼空は照れくさそうにこう言う。
『大地と…あたしからの、敬老の日のプレゼント!!』
ばぁさんは涙を流して喜んだ。
『ダイちゃんと、そらたんからかい!?…一体何だろねぇ?』
そして、小さな封筒を開いた。
ーその1週間後ー
北の大地・2泊3日の旅を、夫婦水入らずで豪遊する、じぃさんとばぁさんの姿があった。海の幸に舌鼓を打ち、美味なる食べ物を求め、スウィーツに癒され、美しく広々と広がる大地にこころを踊らせて…。宿泊はもちろん、豪華一流ホテル!
『いらっしゃい!!ゆっくり見とっとくれよ?』
そこで店番をしていたのは、あの店主…ではなく、奥さんの方であった。
入ってきたのは、よく似た顔をした2人のお客さん。2人の第一声は、
『『こんにちは。』』
と、声を揃えての挨拶だった。
奥さんは声をかける。
『何か欲しいものがあるのかい?』
すると、女の子のほうが答えた。
『今度の敬老の日に、じいちゃん達に何かプレゼントを贈りたくて…何処かに旅行とかさせたいな?…なんて。』
男の子が女の子に付け加える。
『何処か、お安くて良いところ…ありませんかぁ♡』
…こころ無しか…男の子の癖に少しだけ、オネェっぽい?
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と、奥さんは尋ねる。
すかさず女の子が、(まるで全て決めてたかの如く)
『2泊3日くらいで、北海道辺りが良いかなぁと考えてたんですけども…。』
真剣な、女の子の顔。
そこで男の子が、
『お安くなりませんかぁ♡』
再びオネェ言葉。
そこで奥さんが、眼鏡をキラリと光らせ…タラコ唇を開いた。
『……あるよ。ちょうどそのプランの旅行がね♪』
女の子は瞳を輝かせて、
『本当にですか!?』
男の子も、顔を輝かせて、
『お安くなるんですか!?』
と喜んでいる。
が、直ぐに女の子が顔を曇らせ…
『…一体、お幾らでしょうか…?』
心配気に聞いてくる。
更に奥さんは、お客さんとの距離を縮めてくる。(叫!)
『アンタ達の…今時珍しい、そのこころ遣いにあたしゃこころ打たれたよ…。だから、北海道・2泊3日の旅……2万ポッキリでどうだぁ!?』
2人の言葉が、再度同調する。
『『買ったぁーーー!!』』
代金を支払い、ニコニコ笑顔な2人のお客さん。
『ありがとうよ♪』
そのまま、飼い猫のたまを撫で始めた奥さん。
2人は嬉しそうに奥さんに、
『『ありがとうございました!!』』
とお礼を述べて帰って行った。
ー敬老の日当日ー
その日は仕事な弟大地を置いて、1人親の実家に向かう、双子の姉蒼空。呼び鈴を押す。
すると、相変わらず呑気な祖母が能天気に現れた。
『おや?今日はアンタ1人かい?まぁ上がって行きなよ』
ばぁさんは気さくに笑いながら、蒼空を家に入れた。
『すまないねぇ、生憎じぃさんも…寄合で今留守なんだ。…で、何か用かい?』
ばぁさんは孫に、此処に来た理由を聞く。
すると蒼空は、少しだけ照れながら…
『ばぁちゃん……これっ!!』
と”例の物 “を取り出す。
すると、ばぁさん…目を真ん丸にして、
『なんだい?これは…』
孫から貰った贈り物に不思議そうだ。
更に蒼空は照れくさそうにこう言う。
『大地と…あたしからの、敬老の日のプレゼント!!』
ばぁさんは涙を流して喜んだ。
『ダイちゃんと、そらたんからかい!?…一体何だろねぇ?』
そして、小さな封筒を開いた。
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