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第35話 見た目は青少年、実際は…?
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店主が猫じゃらしの玩具で、たまと遊んでやっていると…
ガラガラガラッ!激しい音を立てて、中に入ってきたのは、何故か顔面蒼白な何時かの青年と、その青年に手を繋がれたツリ目なあの時の少女。
『おや、君たちは何時かの…今日は一体どうしたんだい?』
店主が青年に、一杯の水を差し出すと…青年はそれを受け取り、ごくごくと飲みほした。
漸く落ち着いたのか、青年は店主に水のお礼を言い…ポツリポツリと語り始めた。
『俺たち…一見高校生と中学生くらいのカップルに見えるでしょうが…実は違うのです。本当は…もうアラフォーの良い大人なんです!』
その話を、店主は黙って聞いていた。ツリ目な少女は、その間たまをずっと撫で続けていた。
青年は、尚も続ける。
『夏の始め…約3ヶ月程前の話になります。俺は仕事に行く途中余りにも喉が乾いたので、実に不思議な初めて見るコンビニを見つけて中で水を購入しました。3口くらい、飲んだでしょうか?車のミラーで自らの姿を確認したら……こんな事に…』
そこまで語ると、青年は店主に、水をもう一杯と申し出た。
店主は奥に、
『おーい、水を一杯持って来てくれないか?』
と声をかける。
すると奥から、
『はいよ~!』
と返事を返して来て、奥さんが水を持って現れた。
そこでまた、青年は水をコップの半分くらい飲み、話を続けた。
『俺たちは…初めはその生活を楽しんでました。……しかし…やはり、人間と言うものは…働かないといけないのですね?』
そこで店主が口を挟んだ。
『…生活資金が、底をついてきた訳か』
青年は言う。
『その通りです』
そして更に続ける青年。
『仕事先が俺のポストを開けて置いてくれる期限まで後1週間……。気づいたらそんなところまで来ていました。でも、俺たちは一向に元の姿に戻る気配がない。ほとほと困り果て此方にお邪魔したという訳です』
そこで青年は残りの水を一気に飲みほした。
店主は話を聞きながら考えていた。
“おそらくウチの店の関連店を出してる者の仕業であろう。ひょっとしたら、あの坊やかもな。悪戯好きだし。”
そして密かに苦笑いした。
青年は店主に視線を合わせて懇願する。
『お願いします、俺たちを元の姿に戻して下さい!!でないと…俺はまだまだ働き盛りなのに、プータローになってしまう!』
店主は、即座に答えた。
『もちろん、元に戻せるよ?』
青年は瞳を輝かせて、
『本当なのですか!でもきっとお高いのでしょう?』
直ぐに表情を曇らせた。
店主は静かに人差し指を1本立てた。
青年は、恐れおののき叫ぶ!
『1万円!?』
店主は冷や汗を掻きながら言う。
『違う違う、100円だ』
青年はホッと胸を撫で下ろし…代金を支払い、たまといつまでも戯れる少女にチューイングキャンディーを1枚食べさせた。
そして自分も口に入れる。
チューイングキャンディーを噛み終わった青年と少女は、見る見るうちに元の大人な姿に戻っていった。
自分の姿を鏡で確認した男性は、男性の奥さんらしき女性を連れて…店主に何度も何度もお礼を言って帰って行った。
ガラガラガラッ!激しい音を立てて、中に入ってきたのは、何故か顔面蒼白な何時かの青年と、その青年に手を繋がれたツリ目なあの時の少女。
『おや、君たちは何時かの…今日は一体どうしたんだい?』
店主が青年に、一杯の水を差し出すと…青年はそれを受け取り、ごくごくと飲みほした。
漸く落ち着いたのか、青年は店主に水のお礼を言い…ポツリポツリと語り始めた。
『俺たち…一見高校生と中学生くらいのカップルに見えるでしょうが…実は違うのです。本当は…もうアラフォーの良い大人なんです!』
その話を、店主は黙って聞いていた。ツリ目な少女は、その間たまをずっと撫で続けていた。
青年は、尚も続ける。
『夏の始め…約3ヶ月程前の話になります。俺は仕事に行く途中余りにも喉が乾いたので、実に不思議な初めて見るコンビニを見つけて中で水を購入しました。3口くらい、飲んだでしょうか?車のミラーで自らの姿を確認したら……こんな事に…』
そこまで語ると、青年は店主に、水をもう一杯と申し出た。
店主は奥に、
『おーい、水を一杯持って来てくれないか?』
と声をかける。
すると奥から、
『はいよ~!』
と返事を返して来て、奥さんが水を持って現れた。
そこでまた、青年は水をコップの半分くらい飲み、話を続けた。
『俺たちは…初めはその生活を楽しんでました。……しかし…やはり、人間と言うものは…働かないといけないのですね?』
そこで店主が口を挟んだ。
『…生活資金が、底をついてきた訳か』
青年は言う。
『その通りです』
そして更に続ける青年。
『仕事先が俺のポストを開けて置いてくれる期限まで後1週間……。気づいたらそんなところまで来ていました。でも、俺たちは一向に元の姿に戻る気配がない。ほとほと困り果て此方にお邪魔したという訳です』
そこで青年は残りの水を一気に飲みほした。
店主は話を聞きながら考えていた。
“おそらくウチの店の関連店を出してる者の仕業であろう。ひょっとしたら、あの坊やかもな。悪戯好きだし。”
そして密かに苦笑いした。
青年は店主に視線を合わせて懇願する。
『お願いします、俺たちを元の姿に戻して下さい!!でないと…俺はまだまだ働き盛りなのに、プータローになってしまう!』
店主は、即座に答えた。
『もちろん、元に戻せるよ?』
青年は瞳を輝かせて、
『本当なのですか!でもきっとお高いのでしょう?』
直ぐに表情を曇らせた。
店主は静かに人差し指を1本立てた。
青年は、恐れおののき叫ぶ!
『1万円!?』
店主は冷や汗を掻きながら言う。
『違う違う、100円だ』
青年はホッと胸を撫で下ろし…代金を支払い、たまといつまでも戯れる少女にチューイングキャンディーを1枚食べさせた。
そして自分も口に入れる。
チューイングキャンディーを噛み終わった青年と少女は、見る見るうちに元の大人な姿に戻っていった。
自分の姿を鏡で確認した男性は、男性の奥さんらしき女性を連れて…店主に何度も何度もお礼を言って帰って行った。
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