49 / 68
第36話 秋の味覚(3)
しおりを挟む
今日は風が強く何でも屋の引き戸をガタガタと鳴らしている、そんな何でも屋のでは朝から笑い声と怒鳴り声が響き渡っていた。
店主と奥さんが爆笑しながら指を差す先には、左目には青アザで頬に引っ掻き傷を作った酷い顔の中村が利き腕をアームホルダーで吊るして訪れて居た。
店主と奥さんが笑い続けてる。
アハハハハハハ!
イーヒヒヒヒヒ!
笑い続けてる2人に中村が顔を真っ赤にして怒る。
『いい加減にしろ!!人の姿を見て笑いやがって、なんて失礼な夫婦なんだ!!少しはいたわろうとは思わないのか!?ほんとにまったく!!』
店主が真っ赤な顔をしながら必死に笑いを堪えて謝罪する。
『いや~すまんすまん、お前さんの顔が面白くてな』
と話してる横では奥さんも真っ赤な顔をしながら口を押さえて笑いを堪えてはいるが…空気が漏れている。
”ブフ・・・クッ・・ウプ・・・グフ・プ・ブフ… “
店主が中村の顔を見ながら話し出す、
『しかし、なんだそ、その酷い顔ブは・・・ブフ・フ・・フ・ブフフ・・・もうだめだアハハハハハハ!』
我慢できずにまた笑い出す。元々決壊しそうだった奥さんも、店主につられてしまい決壊する。
『ブ・・ブフ・ブフ・・プ・ウプ・グフフフ・イーヒヒヒヒヒ!』
中村がまた怒る。
『いー加減にしろって言ってんだろ!!もう帰るぞ!!』
店主は何とか笑いを堪えて中村を引き留める。
『す、すまん、今度こそ大丈夫だから待ってくれ』
奥さんもヒーヒー言いながら何とか落ち着く。
『ヒッヒッフー、しかし面白い顔してるねぇ、事故を起こした時は顔は無傷だったんじゃ無かったかねぇ?』
と言いながらも顔はニタニタ笑ってる。
中村は相変わらず不機嫌そうな顔では有るが、焦りながら答える。
『こ、これはその~、なんだ、あ、あれだ!!じ、事故とは別件だ!
からき、気にしないでくれ!!』
奥さんは、
『おやそうかい、あたしゃてっきり入院先の病院で看護婦さんとオイタをしている所を伊集院のお嬢ちゃんに見られたからだと思ったんだけどねぇ…』
とニタニタ笑いながら問いかける、
※詳しい事情を知りたい方は18禁版【『あの人』が帰って来た!】に収録されてる“御手洗の回想編(おまけ)”を読んで下さい!
それを聞いた中村は汗を垂らしながら、
『ウッ、な、なぜその事を・・・』
と漏らすのが精一杯だった。
奥さんはさらりと伊集院とメル友なのをあかし、
『私と伊集院さんはメル友なんだよイーヒヒヒヒ!
だから詳しい事情を知ってるのさイーヒヒヒヒ!』
怪しげに笑う。
中村は驚愕して叫び項垂れる。
『な、なんとー!!』
そこへ横から口を挟む店主。
『そんな事は別にどうでも良いとして、今日は何を買いに来たのかね?』
中村は怒る。
『どうでも良いって…俺には重要なんだよ!!散々謝り倒して許して貰えるまで大変だったんだからな!!』
店主は呆れた顔をしながら冷たく言い放つ。
『それは自業自得だろう?』
中村はこの一言に呻き苦し紛れに、
『ウッ!!で、でもなおっさん、おっさんも同じ状況になったらきっと・・・』
『私はコイツ一筋だからお前さんみたいには絶対にならないよ。』
店主の横では頬を染めながら照れてはいるがニヤけてる奥さん。
『イヤだねぇ、この人ったら、ほんとにもう~♡』
中村は自分で重要だとか言いながら話しをすり替えてしまう。
『くそ~、ってそんな事はどうでも良いんだ!!松茸を出してくれ!!それと松茸に似た物とか近い物を出すのは無しだからな!!』
店主は呆れながら笊に盛られた松茸を取り出した。
『チッ…どうでも良くないと言ったのは自分だろう、ホラよ松茸だ。もちろんの事だが全て国産だ』
中村は笊に盛られた松茸に目を奪われ唾をゴクリと飲み込み、
「一つ一つがでかいな、それに形も良いし・・・オレノヨリデカインジャナイカ?」
と最後の方はよく聞き取れない事を呟いた。
店主は中村の様子を見て満足したように言う。
『どうだ!立派な松茸だろう?値段は10万だ。』
中村は値段を聞いて唸る。
『松茸となるとさすがに高いな、おっさん笊売りじゃなくてバラ売りは無いのか?』
店主キッパリと言い放つ。
『無いよ、嫌なら別に買わなくても良いんだけどね』
中村は狼狽し渋々支払いをする。
『無い物は無いが売りなのに無いはずが無いだろう!!足元見やがって・・・しょうがないな10万だな?』
と支払いを済ませて早々に帰る中村。
ところ変わって自宅へと帰った中村は、苦労しながらも何とかインターフォンを押す。
『お~い、伊集院!買ってきたぞ。ドアを開けてくれ!』
しばらくしてガチャガチャと音がなりドアが開き出て来た伊集院が松茸を見て、
『わぁー、こんな大きな松茸を沢山買ってきてくれたのね!ありがとう』
と満面の笑みに変わる。
「バラで売ってくれなかったからな…」
と中村はぶつぶつ言いながら家に入る。
すっかりご機嫌さんになった伊集院は張り切っている。
『今日は松茸の炊き込み飯と、松茸の土瓶蒸し、焼き松茸、松茸の茶碗蒸し、松茸の天麩羅を作るわね~♡』
それを聞いた中村は、松茸だらけのメニューにゲッソリしたのであった。
店主と奥さんが爆笑しながら指を差す先には、左目には青アザで頬に引っ掻き傷を作った酷い顔の中村が利き腕をアームホルダーで吊るして訪れて居た。
店主と奥さんが笑い続けてる。
アハハハハハハ!
イーヒヒヒヒヒ!
笑い続けてる2人に中村が顔を真っ赤にして怒る。
『いい加減にしろ!!人の姿を見て笑いやがって、なんて失礼な夫婦なんだ!!少しはいたわろうとは思わないのか!?ほんとにまったく!!』
店主が真っ赤な顔をしながら必死に笑いを堪えて謝罪する。
『いや~すまんすまん、お前さんの顔が面白くてな』
と話してる横では奥さんも真っ赤な顔をしながら口を押さえて笑いを堪えてはいるが…空気が漏れている。
”ブフ・・・クッ・・ウプ・・・グフ・プ・ブフ… “
店主が中村の顔を見ながら話し出す、
『しかし、なんだそ、その酷い顔ブは・・・ブフ・フ・・フ・ブフフ・・・もうだめだアハハハハハハ!』
我慢できずにまた笑い出す。元々決壊しそうだった奥さんも、店主につられてしまい決壊する。
『ブ・・ブフ・ブフ・・プ・ウプ・グフフフ・イーヒヒヒヒヒ!』
中村がまた怒る。
『いー加減にしろって言ってんだろ!!もう帰るぞ!!』
店主は何とか笑いを堪えて中村を引き留める。
『す、すまん、今度こそ大丈夫だから待ってくれ』
奥さんもヒーヒー言いながら何とか落ち着く。
『ヒッヒッフー、しかし面白い顔してるねぇ、事故を起こした時は顔は無傷だったんじゃ無かったかねぇ?』
と言いながらも顔はニタニタ笑ってる。
中村は相変わらず不機嫌そうな顔では有るが、焦りながら答える。
『こ、これはその~、なんだ、あ、あれだ!!じ、事故とは別件だ!
からき、気にしないでくれ!!』
奥さんは、
『おやそうかい、あたしゃてっきり入院先の病院で看護婦さんとオイタをしている所を伊集院のお嬢ちゃんに見られたからだと思ったんだけどねぇ…』
とニタニタ笑いながら問いかける、
※詳しい事情を知りたい方は18禁版【『あの人』が帰って来た!】に収録されてる“御手洗の回想編(おまけ)”を読んで下さい!
それを聞いた中村は汗を垂らしながら、
『ウッ、な、なぜその事を・・・』
と漏らすのが精一杯だった。
奥さんはさらりと伊集院とメル友なのをあかし、
『私と伊集院さんはメル友なんだよイーヒヒヒヒ!
だから詳しい事情を知ってるのさイーヒヒヒヒ!』
怪しげに笑う。
中村は驚愕して叫び項垂れる。
『な、なんとー!!』
そこへ横から口を挟む店主。
『そんな事は別にどうでも良いとして、今日は何を買いに来たのかね?』
中村は怒る。
『どうでも良いって…俺には重要なんだよ!!散々謝り倒して許して貰えるまで大変だったんだからな!!』
店主は呆れた顔をしながら冷たく言い放つ。
『それは自業自得だろう?』
中村はこの一言に呻き苦し紛れに、
『ウッ!!で、でもなおっさん、おっさんも同じ状況になったらきっと・・・』
『私はコイツ一筋だからお前さんみたいには絶対にならないよ。』
店主の横では頬を染めながら照れてはいるがニヤけてる奥さん。
『イヤだねぇ、この人ったら、ほんとにもう~♡』
中村は自分で重要だとか言いながら話しをすり替えてしまう。
『くそ~、ってそんな事はどうでも良いんだ!!松茸を出してくれ!!それと松茸に似た物とか近い物を出すのは無しだからな!!』
店主は呆れながら笊に盛られた松茸を取り出した。
『チッ…どうでも良くないと言ったのは自分だろう、ホラよ松茸だ。もちろんの事だが全て国産だ』
中村は笊に盛られた松茸に目を奪われ唾をゴクリと飲み込み、
「一つ一つがでかいな、それに形も良いし・・・オレノヨリデカインジャナイカ?」
と最後の方はよく聞き取れない事を呟いた。
店主は中村の様子を見て満足したように言う。
『どうだ!立派な松茸だろう?値段は10万だ。』
中村は値段を聞いて唸る。
『松茸となるとさすがに高いな、おっさん笊売りじゃなくてバラ売りは無いのか?』
店主キッパリと言い放つ。
『無いよ、嫌なら別に買わなくても良いんだけどね』
中村は狼狽し渋々支払いをする。
『無い物は無いが売りなのに無いはずが無いだろう!!足元見やがって・・・しょうがないな10万だな?』
と支払いを済ませて早々に帰る中村。
ところ変わって自宅へと帰った中村は、苦労しながらも何とかインターフォンを押す。
『お~い、伊集院!買ってきたぞ。ドアを開けてくれ!』
しばらくしてガチャガチャと音がなりドアが開き出て来た伊集院が松茸を見て、
『わぁー、こんな大きな松茸を沢山買ってきてくれたのね!ありがとう』
と満面の笑みに変わる。
「バラで売ってくれなかったからな…」
と中村はぶつぶつ言いながら家に入る。
すっかりご機嫌さんになった伊集院は張り切っている。
『今日は松茸の炊き込み飯と、松茸の土瓶蒸し、焼き松茸、松茸の茶碗蒸し、松茸の天麩羅を作るわね~♡』
それを聞いた中村は、松茸だらけのメニューにゲッソリしたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
Zinnia‘s Miracle 〜25年目の奇跡
弘生
現代文学
なんだか優しいお話が書きたくなって、連載始めました。
保護猫「ジン」が、時間と空間を超えて見守り語り続けた「柊家」の人々。
「ジン」が天に昇ってから何度も季節は巡り、やがて25年目に奇跡が起こる。けれど、これは奇跡というよりも、「ジン」へのご褒美かもしれない。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる