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第42話 大晦日と掃除と・・・
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本年最後の朝早くから中村と伊集院が何でも屋を訪れていた。
中村が入店早々から声をかける。
『おっさん、今日は伊集院と2人で大掃除を手伝いに来てやったぜ・・・って営業してるのかよ!』
店主が中村の申し出を聞き、
『いや、別に閉店にしてもいいんだけどな』
と言って笑う。
伊集院がたまと遊んでるのを横目にしながら中村が言う。
『せっかく伊集院と来たんだし…店閉めて掃除しようぜ』
店主は“じゃあそうするか”と呟き、店の奥へと声をかける。
『お~い、店の掃除をするから来てくれ
!』
すると“はいよ”と声が聞こえ、奥さんが出てきたから店主が経緯を話す。
『実は青年とお嬢ちゃんが店の大掃除を手伝いに来てくれてね、それで掃除をやろうと思ってね』
奥さんが微笑みながら挨拶する。
『おやおや、わざわざ来てもらってすまないねぇ』
中村が笑いながら返す。
『いつも無理を言ったりで世話になってるからな、それでどうすれば良い?』
どのように進めていくか店主が説明をしはじめる。
『そうだね、まずは私と青年でショーケースの品を取り出していくから、うちのとお嬢ちゃんの2人でどちらかが商品を取り出したショーケースの天井辺りからショーケースまでのハタキで埃を落として欲しいんだ、もう1人が埃を落とし終わった所に有るショーケースから雑巾で綺麗にして行って欲しいんだ』
おくさんと伊集院が返事する。
『はいよ~』
『わかりました!』
続いて店主がマスク4個、軍手3組、ゴム手袋1組、ハタキ1本、新品の雑巾1枚を取りだし、
『それぞれマスクと軍手を着けてやってよ、雑巾を使う人はゴム手袋ね』
各自がマスクと手袋を着け掃除に取りかかる。
店主が中村に、
『青年、このショーケースからはじめようか、出した商品はこの箱へ入れてくれたら良いからね』
中村は“ああ”と返事をして2人で商品を取り出し始める。
一方では奥さんが伊集院に話しかけていた、
『私が雑巾で拭くから伊集院さんはハタキをお願いね』
と声をかけると伊集院は“はい”と返事をする。
店主と中村がショーケースから次々商品を取り出し空にしていくと、その後を追うように伊集院が空になったショーケースの天井辺りからホコリを落としてゆき、奥さんが最後の仕上げにショーケースピカピカに磨き上げていく。
一通り終わった所で店主が声をかける。
『そろそろお昼にご飯にしようか、じゃあみんな外へ出て身体についたホコリを落として来てから手洗いやうがいをしてご飯にしよう』
3人がホコリを落とし手を洗ったりうがいをしたりしていると、先に身体を綺麗にした店主がCafeスペースへおにぎり・お漬物・お味噌汁・お茶を用意していて、
『簡単なもので悪いんだけどこれで我慢してよ、夕飯は奮発するからね』
と声をかけると中村は、
『いやこれでじゅうぶんだ、本格的に食べすぎたら午後から動けなくなるからな』
と満足そうにしている、伊集院も納得しているのか頷いている。
食べ始めると伊集院が、
『おにぎりの塩加減がちょうど良くて美味しい~、お漬物も美味しいしいしお味噌汁も美味しい!』
と頬を緩ませていると中村が、
『うめぇ~、おにぎりなのにこんなに美味いのは労働した後だから余計に美味く感じるんだろうな』
と満足気である、そんな2人を見ながら店主夫婦は微笑んでいる。
食事を終え一息休憩をしたのち店主が、
『それじゃそろそろはじめようか、地面を掃いて商品をショーケースへ戻したら店側は終わりだね、その後はcafeスペースの掃除で終わりだよ。
私と青年がまた商品をショーケースに戻すから2人は落とした埃を掃いてよ』
と言うと塵取りと箒とゴミ箱を取り出した。
再びそれぞれのやる事を再開する4人、奥さんと伊集院が掃き終え綺麗になった所から店主と中村が箱から商品を取り出しショーケースへと戻していると、中村がやや太さのある棒状の張りぼてを掴んで凝視しているのを店主が気付き声をかける。
『なんだ?お嬢ちゃんとそのおもちゃで遊ぶつもりなのか?』
とニヤニヤ笑っている。
中村がハッとして、
『い、いや、そういう訳じゃないんだが・・・』
と言うも奥さんが“おやおや”と言ってニタニタ笑ってる。その横では伊集院がジト目で見ている事に気付いた中村は必死に言い訳をはじめる・・・手に張りぼてを掴んだまま。
『伊集院違うんだ、これは違うんだ~!!何に使う物なのかなと思って見てただけなんだよ!!』
顔を赤くした伊集院が冷たく口を開く。
『何が違うんですか、そんなあからさまな形をした物なのにわからないはずないでしょう!』
と中村を横目に掃き掃除を再開する伊集院の姿を見て中村は崩れ落ちる。
そんな様子を見ていた店主が、気の毒に思ったのか思ってないのか中村に声をかけた。
『遊んで無いで早く終わらそう』
と、これを聞いた中村が怒りだす。
『遊んでるんじゃ無くて落ち込んでるんだ、それに誰の所為でこうなったと思ってるんだ?』
店主が冷たく言い放つ。
『それはお前さんがジッと見ているからだろう?』
この一言に中村は“ウッ”としか言えず呻いて項垂れてしまう、奥さんが気の毒に思って伊集院に話しかける。
『そろそろ許しておやりよ、見てただけじゃ無いか…それにそんなに恥ずかしがら無くても良いよ、私も愛用してるし(笑)』
と言いニタ~っとイヤらしく笑う、顔が赤いままの伊集院は“はぁ”とだけ返事した。
少々手違いは出たものの店舗側の掃除も終わり、Cafeスペースの掃除に取りかかる4人だが少し早めに切り上げた店主が、4人分の紅茶とお手拭きと皿に洋菓子を盛り付けてトレイに乗せ、Cafeスペースへ持ってきて声をかける。
『そろそろ15時のおやつにしようよ』
3人が手を止めて席につく、お手拭きで手を拭いて紅茶と洋菓子を食べはじめる。
伊集院が思わすため息を吐き呟く。
『はあ~、ここの紅茶はいつ飲んでも美味しいわ♪』
と幸せそうな顔をしている。
休憩を終えた4人は最後の仕上げとばかりに掃除を再開させる。
掃除を終えた4人は椅子に腰掛け一息つく、中村が
『ふぅ~、やっと終わったぜ』
と言うと奥さんが2人に向かって、
『2人共お疲れさま、今日は助かったよ。ありがとね!』
声をかけ続けて店主が、
『まだ夕飯には少し早いから暫く寛いでってよ』
と声をかけ談笑をはじめる。
暫く談笑を続けて夕飯を食べるのに良くなった頃、店主が大きめの焼き肉用の鉄板を取り出し、味が変えれる様に仕切りがある皿を4枚、箸を4組、焼き肉のタレ、塩、ワサビ、ご飯入の茶碗を4膳、様々な部位の牛肉が盛られた皿を2枚、野菜の盛られた大皿を2枚並べてゆくと奥さんが焼きだす。
鉄板の上に置かれた肉を見た中村が唸る。
『うぉ~!!すげぇ、もの凄い霜降り肉だ!!』
肉やら野菜がどんどん焼かれ食べはじめるが中村に至っては涙を流しながら食べている。
『うめぇ~よ、うめぇ~よ♡』
伊集院も肉を食べて驚いている。
『まぁ、肉に甘味が有って口に入れるとどうじにとろけていきますね。
野菜も新鮮で甘味が有って美味しいし、何よりこの焼き肉のタレも絶品ですね』
店主夫婦は食事をしながら、美味しそうに食べる2人を微笑ましく見ている。
中村がひたすら肉ばかり食べているので、店主が追加の肉を次々取り出してると中村が伊集院に“野菜も食べてください”と注意されていて、やや不満げに“わかったよ”とこぼしている。
中村が、
『どの部位もうめぇ肉だな、塩だと肉の旨味が更に引き立つしワサビだとサッパリするし絶品だ、これからは肉もここに買いに来ようかな…』
と言っている。
食の細目な伊集院が食べ終わり、
『御馳走様でした、とても美味しかったです』
と言っているが食い意地の張ってる中村と奥さんは肉9割・野菜1割の割合で黙々と食べ続けている。
店主も食べ終わり2人に餌を与えるがごとく黙々と肉を焼き続ける。
やがて満足したのか、
奥さんが“ゲフ~”と一際大きなゲップをしてお腹を擦っている。
中村も食べ終わり、
『ごちそうさん、いや~満足満足♪』
と腹を擦っている。
店主が中村達に、
『この後どうする?暫く遊んで年越しそば食べていくかね?』
と問いかけると2人が相談して中村が、
『ありがたい話しだけど今日はもう帰るよ、俺だけならともかく伊集院もいるしあまり遅くなると危ないからな』
と断ると店主が、
『じゃあこれ持って帰って家で食べてよ』
とソバを2人前取り出し渡した。
中村が恐縮して、
『おっさん、色々と悪いな晩飯ご馳走になって年越しそばまで貰っちまって…』
伊集院も続けてお礼を言う。
『本当にありがとうございます、お蕎麦また後でいただきますね』
奥さんが店の前まで見送り声をかける。
『気を付けて帰るんだよ』
2人が“はい”と返事して帰ってゆく。
奥さんが店内に戻ってきて、
『おやおや、怒ってはいけない罰ゲームがはじまってるじゃないの』
と言ってテレビ番組を見るために慌てて店の奥へと戻っていく。
店主も店じまいをして奥へと入っていく。
店内には奥の部屋から漏れてきた笑い声が夜遅くまで響き渡っていた。
テレビから年越しの鐘が鳴りはじめた頃、店主が店舗の方へと出てきて何やらゴソゴソしてまた奥へと戻っていく。
すると奥から除夜の鐘を聞きながら
『大晦日はやっぱりこれだねぇ…』
と言う奥さんの声が聞こえてきて、何やら“ふ~、ふ~ズッズー、ズルズルズル~”と言う音も聞こえだし良い匂いが店内には充満していた。
中村が入店早々から声をかける。
『おっさん、今日は伊集院と2人で大掃除を手伝いに来てやったぜ・・・って営業してるのかよ!』
店主が中村の申し出を聞き、
『いや、別に閉店にしてもいいんだけどな』
と言って笑う。
伊集院がたまと遊んでるのを横目にしながら中村が言う。
『せっかく伊集院と来たんだし…店閉めて掃除しようぜ』
店主は“じゃあそうするか”と呟き、店の奥へと声をかける。
『お~い、店の掃除をするから来てくれ
!』
すると“はいよ”と声が聞こえ、奥さんが出てきたから店主が経緯を話す。
『実は青年とお嬢ちゃんが店の大掃除を手伝いに来てくれてね、それで掃除をやろうと思ってね』
奥さんが微笑みながら挨拶する。
『おやおや、わざわざ来てもらってすまないねぇ』
中村が笑いながら返す。
『いつも無理を言ったりで世話になってるからな、それでどうすれば良い?』
どのように進めていくか店主が説明をしはじめる。
『そうだね、まずは私と青年でショーケースの品を取り出していくから、うちのとお嬢ちゃんの2人でどちらかが商品を取り出したショーケースの天井辺りからショーケースまでのハタキで埃を落として欲しいんだ、もう1人が埃を落とし終わった所に有るショーケースから雑巾で綺麗にして行って欲しいんだ』
おくさんと伊集院が返事する。
『はいよ~』
『わかりました!』
続いて店主がマスク4個、軍手3組、ゴム手袋1組、ハタキ1本、新品の雑巾1枚を取りだし、
『それぞれマスクと軍手を着けてやってよ、雑巾を使う人はゴム手袋ね』
各自がマスクと手袋を着け掃除に取りかかる。
店主が中村に、
『青年、このショーケースからはじめようか、出した商品はこの箱へ入れてくれたら良いからね』
中村は“ああ”と返事をして2人で商品を取り出し始める。
一方では奥さんが伊集院に話しかけていた、
『私が雑巾で拭くから伊集院さんはハタキをお願いね』
と声をかけると伊集院は“はい”と返事をする。
店主と中村がショーケースから次々商品を取り出し空にしていくと、その後を追うように伊集院が空になったショーケースの天井辺りからホコリを落としてゆき、奥さんが最後の仕上げにショーケースピカピカに磨き上げていく。
一通り終わった所で店主が声をかける。
『そろそろお昼にご飯にしようか、じゃあみんな外へ出て身体についたホコリを落として来てから手洗いやうがいをしてご飯にしよう』
3人がホコリを落とし手を洗ったりうがいをしたりしていると、先に身体を綺麗にした店主がCafeスペースへおにぎり・お漬物・お味噌汁・お茶を用意していて、
『簡単なもので悪いんだけどこれで我慢してよ、夕飯は奮発するからね』
と声をかけると中村は、
『いやこれでじゅうぶんだ、本格的に食べすぎたら午後から動けなくなるからな』
と満足そうにしている、伊集院も納得しているのか頷いている。
食べ始めると伊集院が、
『おにぎりの塩加減がちょうど良くて美味しい~、お漬物も美味しいしいしお味噌汁も美味しい!』
と頬を緩ませていると中村が、
『うめぇ~、おにぎりなのにこんなに美味いのは労働した後だから余計に美味く感じるんだろうな』
と満足気である、そんな2人を見ながら店主夫婦は微笑んでいる。
食事を終え一息休憩をしたのち店主が、
『それじゃそろそろはじめようか、地面を掃いて商品をショーケースへ戻したら店側は終わりだね、その後はcafeスペースの掃除で終わりだよ。
私と青年がまた商品をショーケースに戻すから2人は落とした埃を掃いてよ』
と言うと塵取りと箒とゴミ箱を取り出した。
再びそれぞれのやる事を再開する4人、奥さんと伊集院が掃き終え綺麗になった所から店主と中村が箱から商品を取り出しショーケースへと戻していると、中村がやや太さのある棒状の張りぼてを掴んで凝視しているのを店主が気付き声をかける。
『なんだ?お嬢ちゃんとそのおもちゃで遊ぶつもりなのか?』
とニヤニヤ笑っている。
中村がハッとして、
『い、いや、そういう訳じゃないんだが・・・』
と言うも奥さんが“おやおや”と言ってニタニタ笑ってる。その横では伊集院がジト目で見ている事に気付いた中村は必死に言い訳をはじめる・・・手に張りぼてを掴んだまま。
『伊集院違うんだ、これは違うんだ~!!何に使う物なのかなと思って見てただけなんだよ!!』
顔を赤くした伊集院が冷たく口を開く。
『何が違うんですか、そんなあからさまな形をした物なのにわからないはずないでしょう!』
と中村を横目に掃き掃除を再開する伊集院の姿を見て中村は崩れ落ちる。
そんな様子を見ていた店主が、気の毒に思ったのか思ってないのか中村に声をかけた。
『遊んで無いで早く終わらそう』
と、これを聞いた中村が怒りだす。
『遊んでるんじゃ無くて落ち込んでるんだ、それに誰の所為でこうなったと思ってるんだ?』
店主が冷たく言い放つ。
『それはお前さんがジッと見ているからだろう?』
この一言に中村は“ウッ”としか言えず呻いて項垂れてしまう、奥さんが気の毒に思って伊集院に話しかける。
『そろそろ許しておやりよ、見てただけじゃ無いか…それにそんなに恥ずかしがら無くても良いよ、私も愛用してるし(笑)』
と言いニタ~っとイヤらしく笑う、顔が赤いままの伊集院は“はぁ”とだけ返事した。
少々手違いは出たものの店舗側の掃除も終わり、Cafeスペースの掃除に取りかかる4人だが少し早めに切り上げた店主が、4人分の紅茶とお手拭きと皿に洋菓子を盛り付けてトレイに乗せ、Cafeスペースへ持ってきて声をかける。
『そろそろ15時のおやつにしようよ』
3人が手を止めて席につく、お手拭きで手を拭いて紅茶と洋菓子を食べはじめる。
伊集院が思わすため息を吐き呟く。
『はあ~、ここの紅茶はいつ飲んでも美味しいわ♪』
と幸せそうな顔をしている。
休憩を終えた4人は最後の仕上げとばかりに掃除を再開させる。
掃除を終えた4人は椅子に腰掛け一息つく、中村が
『ふぅ~、やっと終わったぜ』
と言うと奥さんが2人に向かって、
『2人共お疲れさま、今日は助かったよ。ありがとね!』
声をかけ続けて店主が、
『まだ夕飯には少し早いから暫く寛いでってよ』
と声をかけ談笑をはじめる。
暫く談笑を続けて夕飯を食べるのに良くなった頃、店主が大きめの焼き肉用の鉄板を取り出し、味が変えれる様に仕切りがある皿を4枚、箸を4組、焼き肉のタレ、塩、ワサビ、ご飯入の茶碗を4膳、様々な部位の牛肉が盛られた皿を2枚、野菜の盛られた大皿を2枚並べてゆくと奥さんが焼きだす。
鉄板の上に置かれた肉を見た中村が唸る。
『うぉ~!!すげぇ、もの凄い霜降り肉だ!!』
肉やら野菜がどんどん焼かれ食べはじめるが中村に至っては涙を流しながら食べている。
『うめぇ~よ、うめぇ~よ♡』
伊集院も肉を食べて驚いている。
『まぁ、肉に甘味が有って口に入れるとどうじにとろけていきますね。
野菜も新鮮で甘味が有って美味しいし、何よりこの焼き肉のタレも絶品ですね』
店主夫婦は食事をしながら、美味しそうに食べる2人を微笑ましく見ている。
中村がひたすら肉ばかり食べているので、店主が追加の肉を次々取り出してると中村が伊集院に“野菜も食べてください”と注意されていて、やや不満げに“わかったよ”とこぼしている。
中村が、
『どの部位もうめぇ肉だな、塩だと肉の旨味が更に引き立つしワサビだとサッパリするし絶品だ、これからは肉もここに買いに来ようかな…』
と言っている。
食の細目な伊集院が食べ終わり、
『御馳走様でした、とても美味しかったです』
と言っているが食い意地の張ってる中村と奥さんは肉9割・野菜1割の割合で黙々と食べ続けている。
店主も食べ終わり2人に餌を与えるがごとく黙々と肉を焼き続ける。
やがて満足したのか、
奥さんが“ゲフ~”と一際大きなゲップをしてお腹を擦っている。
中村も食べ終わり、
『ごちそうさん、いや~満足満足♪』
と腹を擦っている。
店主が中村達に、
『この後どうする?暫く遊んで年越しそば食べていくかね?』
と問いかけると2人が相談して中村が、
『ありがたい話しだけど今日はもう帰るよ、俺だけならともかく伊集院もいるしあまり遅くなると危ないからな』
と断ると店主が、
『じゃあこれ持って帰って家で食べてよ』
とソバを2人前取り出し渡した。
中村が恐縮して、
『おっさん、色々と悪いな晩飯ご馳走になって年越しそばまで貰っちまって…』
伊集院も続けてお礼を言う。
『本当にありがとうございます、お蕎麦また後でいただきますね』
奥さんが店の前まで見送り声をかける。
『気を付けて帰るんだよ』
2人が“はい”と返事して帰ってゆく。
奥さんが店内に戻ってきて、
『おやおや、怒ってはいけない罰ゲームがはじまってるじゃないの』
と言ってテレビ番組を見るために慌てて店の奥へと戻っていく。
店主も店じまいをして奥へと入っていく。
店内には奥の部屋から漏れてきた笑い声が夜遅くまで響き渡っていた。
テレビから年越しの鐘が鳴りはじめた頃、店主が店舗の方へと出てきて何やらゴソゴソしてまた奥へと戻っていく。
すると奥から除夜の鐘を聞きながら
『大晦日はやっぱりこれだねぇ…』
と言う奥さんの声が聞こえてきて、何やら“ふ~、ふ~ズッズー、ズルズルズル~”と言う音も聞こえだし良い匂いが店内には充満していた。
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