甘く蕩ける程に愛して

みのる

文字の大きさ
上 下
69 / 87
佐伯邸での生活の始まり

初めての晩酌☆

しおりを挟む
初日……手こずったのか、かなえが屋敷に戻って来たのは日にちが変わってからだった。

オレはかなえが一体夜のお供に何を選ぶのか、サッパリであった。……ので、屋敷にあった酒を手当り次第並べた。ワイン、梅酒、日本酒、一応初心者向けのチューハイ(アルコール度数3%)色んな味、ウイスキーetc…
因みに、今日のツマミ当番はオレであった為、それも色々用意してみた。(妻想いな夫な栗栖)←自画自賛(笑)
日本酒好きな旦那様には食べる前に焼き鳥を焼く。
かなえ…実はワイン好きかも知れない⁉→チーズを色々用意。
かなえ…まずはビギナーにチューハイ好きかも⁉→オモピス、ナッツ類もプラス。
かなえ…渋くウイスキーとか好きかも⁉→枝豆とか茹でてみたりする。

因みにチビお嬢様は良い子におねんねした後である。

寝間着に着替えた旦那様、架苗に声をかける。

『どれ、寝る前に私の何時もの「アレ」に付き合って貰えるかな?架苗』

旦那様はオレが必死で並べておいた酒とツマミの中から迷わず日本酒を選び…ツマミには先程焼いたばかりの焼き鳥をチョイスした。
さて、肝心なかなえは………?

『じゃあ、私は……。栗栖!「何時もの」お願い』

…………………………………い…いつもので、ありますか⁉
(セッカクツマミイッパイヨウイシタノニ……)

『ありがとう、栗栖。……やっぱり私にはコレよね~♪』

結果……かなえが選んだのは…いつものアレ……そう!
ウチの妻大好き♡栗栖特製!レモンティー♡
オレは嬉しいような、せっかく色々用意したのに残念なような、そんな複雑な気分に陥りながらも妻かなえの飲みっぷりをただ見つめていた。
しおりを挟む

処理中です...